私は私のままで良い
部屋の中をキョロキョロと見回して物色中?の私におねえちゃんは
「怪しい物探しはそのくらいにして、お化粧の仕方練習しよっか!!」
笑いながらそう私の手を握ったかと思ったら私の引いて歩き出した。
おねえちゃんにはバレバレだった訳だ・・
そりゃ~そうだよね!!
私の行動、振り返ってみたら凄く挙動不審?って感じに怪しかったもん!!
『おねえちゃんにバレて当然か』
などと自分の行動を分析している自分が可笑しく思えてしまう。
私はおねえちゃんに手を引かれドレッサーの前まで来ると私の両肩に手をのせて
「鏡の前に座って、座って!」
と早速鏡の前に座らされてしまってた。
私の前の鏡には私の後ろに立っているおねえちゃんの姿が映ってる。
私と同じ姉妹のハズなのに・・
鏡に映ったおねえちゃんは凄く・・綺麗!!
それに引き換え・・
手前に映った私の顔は・・
『おねえちゃんみたいには綺麗じゃない・・同じ姉妹のハズ・・なのに・・』
『神様はなんて不公平なの!!』
なんて一人惨めな気持ちになっちゃう私。
そんな事とは露知らず、おねえちゃんは
「じゃ~はじめよっか~」
って私の両方を
『ポンッ』
『ポンッ』
っと軽く叩いた後、私に後ろから覆いかぶさるように私の後ろからドレッサーの引き出しから化粧品や化粧水とかお化粧に必要な物を取り出していっている。
私の背中にはおねえちゃんの柔らかい二つの乳房が・・押し付けられた形になって・・
私の顔のすぐ横にはおねえちゃんの頬が押し付けられている。
『おねえちゃんの頬凄くスベスベでぷにぷに~羨ましいな~』
それにおねえちゃんから凄くあま~~い香りが漂ってくるの。
自分の体臭なんて気にもした事無かったのに・・
他人の体臭って不思議
その香りを嗅ぐだけで、
『抱きしめてしまいたい』
なんて私凄~~くへんな気持ちになってしまってる。
女同士なのに!!
私は今のおねえちゃんの姿を見ていると凄~~く不安になってしまう。
『おねえちゃんは私だって羨ましくなるくらい、凄く綺麗な大人の女性、対して私はまだまだ子供っぽいこんな私じゃ彼は好きになんてなってくれないじゃないか・・』
そう思うと・・
涙が頬を伝って流れ落ちてくる。
おねえちゃんはハンカチで私の涙を拭きながら・・
そんな私の耳元でおねえちゃんは囁く・・
「大丈夫~だいじょうぶだよ~。あやは綺麗、あやは綺麗、あやはきれいだよぉ~
私を見て自分は綺麗じゃないとか、子供っぽいとか、こんな私じゃ好きになってくれないんじゃないかなんて思ってたんでしょ?
私は磨いて磨いて磨き抜いて他宝石のようなもの!!綺麗で当然なの。今の私はこれ以上綺麗にはなれないわ
でも今の彩は土の中に埋もれたままの宝石の原石と同じ、まだ今は全然磨かれていないタダの石と同じよ。
磨けば磨くほど彩は綺麗になるわ!!
彩は私にはなれないわ。
私も彩にはなれないの。
誰も他人にはなれないのよ。
私には私の綺麗さが、そして彩には彩の綺麗さがあるわ!!だから彩のその綺麗な部分を磨けば良いだけなのよ。」
おねえちゃんはそう言った途端に、おねえちゃんの両手で私の両目を隠されて私はビックリ
そんなビックリした私の耳元でおねえちゃんは聞こえるか聞こえないか位の小さな声で囁いきたの。
『おねえちゃん、何言ってるのか声が小さすぎて聞き取れない・・』
そう・・
おねえちゃんの声が小さすぎる!!
何を言っているのか聞き取れない!!
だから私は必死になっておねえちゃんの言っている言葉に集中!!
私の目はおねえちゃんの両手で塞がれている!!
だから私は全神経を自分の耳に集中する。
「あ・・?」
まだ解らない!!
「あや・・?」
まだダメ・・
もっと集中しなきゃ!!
「あやは・・?」
まだダメだ!!
モットモット集中しなきゃ!!
「あやは綺麗だよ」
聞こえた!!
『私が綺麗だだなんておねえちゃん冗談を・・』
「あやは綺麗だよ」
本当に集中しないと聞こえないくらい小さな声・・
集中していないと直ぐに何を言っているのか解らなくなる!!
「あやは綺麗だよ」
『また冗談を・・』
「あやは綺麗だよ」
「あやは誰よりも綺麗」
「彩は綺麗」
「彩は綺麗」
「彩は綺麗」
「彩は綺麗」
「彩は綺麗」
「彩は綺麗」
「彩は綺麗」
「彩は綺麗」
「彩は綺麗」
「彩は綺麗」
・・・・
延々と繰り返されるおねえちゃんの聞こえるか聞こえないかくらいの囁き・・
私は次第に頭の中が麻痺してきていた。
その言葉もう・・・何百回聞いただろう・・
私はいつの間にか気を失いかけていた・・
・・・
「彩は今のままの彩で良いんだよ」
最後におねえちゃんはそう言った後、私の目を覆っていた両手を離した後、私の肩を両手で
『ポンッ』
と叩いて
「彩鏡を見てみて!綺麗でしょ?」
と私の顔を後ろから覗き込んでくる。
慌てて、私は鏡を見ると・・・
「おねえちゃん、私に何をしたの??」
驚いてそう叫んでしまってた。
つづく・・・