おねーちゃんお願いがありましゅ
玄関から聞こえてきた彩音姉さんの
「ただいま~」
という元気な声。
私はその声を聞いた瞬間に自分の部屋のドアを開けて階段を駆け下りる。
階段を駆け下りる時、思わず階段を踏み外しかけて
『あわや・・』
という状況になりかけたけど何とか軌道修正出来て事なきを得た。
『階段から落ちて死亡フラク立てるなんて事が無くて良かった』
玄関に着くなり私は
「おねーちゃんお願いがありましゅ」
『あ・・かんじゃった・・』
空かさず彩音ねえさんは
「かんじゃったね」
とツッコミを入れてくる。
我が姉ながら容赦ない・・
「彩音お姉ちゃんお化粧の仕方教えて!」
『今度はちゃんと言えた!!』
今さっきはちょっと焦ってかんじゃったけど、今度はちゃんと言えた事に安堵し、私は胸の前で両手を重ねて可愛くお願いした。
彩音姉さんは
『くすっ』
っと笑いながらも
「はは~~ん、彩好きな人できたんだ~」
「ぎくっ、流石年の功!!さっしがいいね~~おねえちゃん」
「年の功だけよ!け!い!よ!!彩、好きな人が出来たの隠さないんだ~~!!今までだったらそんなお願い一度もしてきた事無かったじじゃない?気づかれないようにしてただけなの?」
「今まで、好きになった人居なかったもん。今回が始めて」
「え・・じゃ~初恋って事?」
「だいせいか~~い!!」
「へ~~彩、初恋なんだ!」
「お化粧の仕方教えてあげても良いけど、私のお願い聞いてくれたら言いわよ~~」
ちょっと怪しい笑みを浮かべながら私に聞いてくる。
ちょっと彩音姉さんの笑みに不安を覚えながら私は
「え~~おねえちゃん、私からお金取るの~~?」
「お金じゃなくってさ~彩にすこ~し手伝ってもらいたい事が有るの」
「私に出来る事なら言いわよ」
「彩にしか出来ない事だから大丈夫!!じゃ~私がバッチシお化粧の仕方伝授してあげようじゃない!!」
「よろしくおねがいします」
私がそうお願いすると彩音姉さんは
『くすっ』
っと笑って
「彩、本当にその彼を本気で落としたいんだ!!」
と直球!!
「絶対にしくじれないのよ!!私」
「気合入ってるね」
「当然、絶対に落としたいから!!」
「うわ~彩、言っちゃったよ。其処まで言う彩って初めて見たよ。うんうんおね~ちゃんにまっかせなさい!!」
つづく・・・