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絶対に叶えたい恋だから  作者: 神城 リーナ
彩編
2/30

電車の君

彩バージョン

新橋駅の4番ホームを吹き抜ける風はまだ冷たい。

誠心女学院の白いセーラー服だけじゃ少し寒かったかも・・・

そんな事を呟きながら無意識に両手で自分の肩を抱く。


今の時間は7時20分過ぎ、少し早く来過ぎたかなと少し後悔している私。


今日は4月14日月曜日

既に入学式から約一週間が経っている。

今日は何故か早く起きてしまったせいで早く駅までも来てしまったって感じ。

まだ電車通学慣れないんだよね私。

あれから一週間も経ってるんだからいい加減このサイクルに慣れなきゃ!!


私は、小林こばやし あや

誕生日は 8月5日 現在 15歳


私には姉が2人居る。

3つ上のこばやし 小林彩音あやね

現在 青葉大学の1年生

因みに誕生日は11月7日


そして24歳になる長女の

小林彩香こばやし あやか

アイキテクノって言う東京の池袋に本社を置く一流商社で経理を担当しているOLさん。

彩香姉さんは大学を卒業してアイキテクノに就職して半年くらいして会社の近くにワンルームの賃貸マンションを借りて一人暮らしを始めたので今は一緒には住んでいない。

どうも凄くイケメンの彼氏が出来たので一人暮らしをし始めた?っぽい!!

彩音姉さんが両親には内緒だよと

『彼氏と毎晩頑張っているみたいだから出来ちゃった婚確定みたいよ』

なんて恐ろしい事をサラリと私に話してくるの。


『リア充爆発しろ~!!』



という訳で私の両親は彩香姉さんが出来ちゃった婚を目論んでいるって事には気が付いていないみたい。


私だってそういう事に興味が無い訳じゃない!!

私はそんな清純で清いお嬢様でもない。

一応の知識だけだったら一杯知っているわ。

私だって大好きな人とだったらいっぱい色んな事したい・・・


『愛し合いたい』


私も彼氏って甘美な響きに弱い。


『彼氏』


と聞いただけで


『欲しい!!』

とパブロフの犬みたく条件反射で反応してしまう私。

でも未だにときめいた男性には未だに出会ってはいない。


中学時代20人近くから付き合って欲しいと告白はされたけれど、どの人から告白されても


『うわ~この人だったら良いな』


なんて風には全くときめかなかった。

『冷めてる?』

アンタの理想が高すぎなのよ!!

「もったいない!!選り取りみどりなんだから2~3人キープしときゃ良いのよ」

なんて言ってる友達も居たけど私には魅力全然感じない人をキープしても無駄なだけっておもっちゃうんだよね。



私は何で誠心女学院なんて男が居ない女子高を選んだのか?

それは私の家はこの近くで昔から住んでいて代々女性は誠心女学院に通っていたからその影響で私も迷わず誠心女学院にしただけ。


深い意味は無かった。


彩音姉さんも彩香姉さんも誠心女学院卒業なの。

因みに誠心女学院は大企業の令嬢とか帰国子女とかが多く通っているみたい。

偏差値も高くて難易度の高い高校ではある。


誠心女学院はこの新橋駅から3駅離れた品川駅から歩いて5分位の距離にある。

此処から電車に乗っても15分以内には誠心女学院に着いちゃう感じ。


だから私は電車に乗るのを躊躇っていたの。

今から乗ったら確実に早く学校に着きすぎちゃうんだもの。


そんな感じでダラダラと電車乗らずにホームで立って時間待ちをしていた。


私はその間、かっこいい人居ないかな?なんてきょろきょろと周辺を見回していた。

『あの人は今一かな?』


『あの人はかっこいいけど遊び慣れてるみたいで嫌だな』


『あの人は背低いからちょっとね』


とか色んな人を人間ウォッチングしてたんだけど、結局私が気に入った人を見つけることは出来なかった。

でも・・・

それは7時30分を少し過ぎた頃だった。


私は・・

少し気になる男の子?の姿を電車を待つ人達の人波の中で偶然に見つけたの。


『運命かも!!』

その人は私の斜め前3メートルくらい離れた所に立っていた。

身長175センチ位かな?私より少し高い位。


その人は白沢高校の制服を着ていたんだけど・・・

肩まであるだろう髪を後ろで結んでいて顔は可愛い美少女に見えなくもなく・・

でも制服がブレザーにズボンスタイルだったの。

白沢高校の制服は男子は薄黄色のベストにワイシャツ、ネクタイ、ズボンスタイル、そしてブレザー。

女子は薄黄色のベストに丸首ブラウス、リボン、その上にブレザーを着て下にはスカート一見遠くから見ると男女の違いはズボンとスカートが大きく違う以外チョット見同じなの。


だからズボンスタイルって事は男の子!!

でも顔は超美少女!!じゃ女の子?

そんな第一印象。


私は一瞬でその男の子から目が離せなくなっていた。


『凄く気になります!!』


そう思うと私は妄想の世界に一瞬で入り込んでしまっていた。


『彼に聞いてみれば良いんだ!!』

『貴方は男の子ですか?それとも女の子ですか?』とか!!

『そしたら彼『さわってみれば解るよ』なんて言っちゃったりして!!

『私そんな事言われたらどうしよう~~って何考えてんだ私~~~これじゃ腐女子確定じゃん』


そんな事を妄想しながらずっと彼を見つめているとその人と目と目が合った!!

『なんて凄く綺麗な瞳なんだろう。それに美少女!!』

そう思った瞬間


『ドクン』


『ドクン』


『ドクン』


『ドクン』


『ドクン』


と心臓の鼓動が一気に跳ね上がる。

『苦しい・・何この気持ち』


その男の人はちょっと赤く頬を染めた瞬間私と視線を逸らせ電車を待つ列に並んだ。

私も彼から逸れないように彼から少し後ろに並ぶ。

『後姿もカッコイイ~』


そう私は・・・


多分・・・


この人に・・・



『恋しちゃった・・か・も・』


電車がホームに入って来て所定の位置に停車した瞬間に電車のドアが開き一斉に乗客が吐き出されて来る。

それが終わると列に並んで順番待ちをしていた人々が一斉に電車に乗り込んで行く。

私は彼から離れないように電車に乗り込み彼の前3メートル位の位置に向き合う形で電車に乗り込む事に成功!!


『彼の姿を見るには最高の場所!!』

『やったね彩!!』

私は最適な場所を確保した自分を褒め



『こうみると彼って凄くスタイルが良い!!』


『瞳おっきい~』


『まつ毛なが~~い』


『くちびるちっちゃ~い。あのくちびるにキス出来たら・・』


そんな風に私は彼の全てを脳内に焼き付けるように見入っていたら・・・

彼と目と目が合ってしまった。


私は体中が一瞬で熱くなる。

きっと・・・

『私の顔は真っ赤になっている・・』

でも・・

私は彼との視線を逸らせれない!!


先に折れたのは彼の方!!

彼は視線を私から逸らせて窓の外の風景に視線を移した。



でも・・


時折・・


顔を赤く染めた彼は私の方を


『チラッ』


『チラッ』


っと見ている?

それとも私の気のせい?

3駅なんてあっという間


もう誠心女学院のある、品川駅の案内が聞こえる。

電車が品川駅に近づくに従って電車が減速してゆく。


そして電車が止まる。


ドアが開くと同時に私は電車の外に勢いよく飛び出して彼の居た場所を探す。


『彼は何処?』


『彼は何処?』


『彼は何処なの?』


『もう時間が・・無い』


『あ・・』


『いた!!』


『居た!!彼の姿!!』


彼は・・


『私を見てる・・視線が彼と・・合った?』


そう思った瞬間に電車は勢いよく構内を駆け抜けた。

私はそんな電車の中の彼の姿を電車が見えなくなるまで追っていた。


私は電車が出ても暫くその場から動けなかった。


私・・


私・・


私・・


私・・


私・・


私は立ち尽くしたまま無限ループのようにその言葉を繰り返し・・


『私恋・・しちゃった・・み・・た・・い』


つづく


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