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【1-2】.ジョブと出会い

「へぇ、いろんなキャラがいるなぁ。ケモ耳娘もいるし、この世界に住みたくなるわ」


 くだらないことを考えながら、町をぶらぶらと散策していると『ジョブ転職所』の看板が目に入った。せっかくだし、入ってみることにした。


「転職をご希望ですか? 下位ジョブへの転職であれば、手続きやクエストは不要ですよ。よろしければ、すぐにでも転職できます」


「なるほど。費用はかかりますか? それと、ジョブの恩恵についても教えてほしいです」


「下位ジョブへの転職には費用はかかりません。また、下位ジョブには特別な恩恵はありませんが、上位ジョブになると様々な恩恵が受けられるようになります」

「ただし、この町は冒険を始めたばかりの方が多く、上位ジョブについての情報は少ないですね。説明文書は書庫にございますが、お持ちしましょうか?」


「いえ、そこまでは大丈夫です。下位・上位以外にもジョブの区分があるなら、簡単に教えてください。それと、俺は魔法使いに転職したいです」


「はい、ジョブは《下位》《中位》《上位》《最上位》の四段階に分かれています。ジョブごとに複数の分岐があり、上位ジョブのレベルを最大まで上げた一部の者だけが《最上位ジョブ》へ転職可能です」 「魔法使いへの転職ですね。では、こちらの水晶に手をかざして選択してください」


 そう言われ、水晶に手をかざすと、目の前に下位ジョブ選択のコマンドが表示された。選べるのは【戦士】【盗賊】【魔法使い】の三つ。


 早い者勝ちってことだな。じゃあ、他の二人には残りを割り振ってもらおう。


 そう考え、俺は迷わず《魔法使い》を選んだ。


「ありがとうございます。手続きは完了しました。メニュー画面より個人情報を確認できます」 「転職は、すべての町にある転職所で可能です。ただし、新しいジョブに就くと、ジョブレベルは1からのスタートとなりますので、ご注意ください」 「また、ジョブの最大レベルはその階位によって異なります。ジョブレベルは、スキルレベルや基本レベルとは別のものです」


 なるほど、ジョブレベル、スキルレベル、基本レベルの三つに分かれてるのか。だんだんこのゲームの仕様が見えてきたな。


 それぞれのレベルが上がるとスキルポイントが手に入り、それを使って——この見るだけでうんざりするスキルツリーを伸ばしていくのか。


 わざわざレベルを三種類に分けることで、ジョブの恩恵を少なめにして、複合職への道を開いてる……ってことは、魔法戦士とかも可能ってわけか。スキルツリー、考えるの面倒くさそうだな。


「ありがとうございました。ところで、ちょっとお聞きしたいのですが……他に最近、転職者って来てませんでしたか?」


「他の“プレイヤー”様のことですね? はい、先ほどお二人ほど来られて、その数十分後にレン様がいらっしゃった形です」


 ……やっぱり、俺たちが“プレイヤー”ってわかってるんだな。AIでも情報を取得して、俺たちのデータが見えてるってことか。勝手に改ざんされたりしないだろうな? ちょっと不安だ。


「ありがとうございます。また機会があればよろしくお願いします」


「はい、こちらこそ。お気をつけて」


 数十分ってことは、よほどの初心者か、人待ちじゃなければ、とっくにこの小さな初期町は出ている頃だろう。


 他のログインユーザーと軽く話してみたかったけど、あまり期待できそうにないか……。そもそも、CBTの参加者ってどんな人が選ばれてるんだろう?


 そんなことを考えながら、雑貨屋や装備屋、防具屋を巡っていたとき——近くから聞き覚えのある「リア充臭い」声が聞こえてきた。


「ねぇ!見て見て~! あのNPC、めっちゃ可愛くない!? とりあえず話しかけてみよ~!」


「マイはいつも寄り道ばっかりだな……まあ、慣れたけど。おーい、そこの猫のお嬢さん!」


 うわ……出た、俺が一番苦手なタイプだ。見てるだけで反吐が出る。絶対一緒にプレイしたくない。絡まなくて済むなら、それに越したことはない。


 スルーして距離を取ろうとしたが——それはあっさり失敗に終わった。


 だって、俺にもわかるように、プレイヤーの頭上には名前が表示されてるんだから。

ジョブシステムいいですよねー私は好きです。皆さんはどうでしょうか?莫大なスキルツリーによる自由なスキルの割り振りも私は大好きですなので全部いれます!

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