表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/43

3.NFMO詳細とPVPシステムランキング報酬

今回は説明話です...私の想像力が乏しいのですごく大雑把になってしまいました。


右手を突っ込んでアカウント登録——その常軌を逸した方法に、俺とナメタはしばし呆然としていた。


……ただ一人、例のごとくブレない奴を除いて。


「と、とりあえずアカウント登録は……できた。ていうか、されてしまったけど……体に異常がなくて、本当によかった」


 心底そう思う。

 右手が物理的に吹き飛んだかと思ったし、あれで右手が失われてたらと思うとゾッとする。


「右手がどっか行ったら困る。俺、右利きだしな。電子化されてたり、変な義手にされてたらマジで終わってたぞ」


 隣のナメタも、俺と同じことを考えていたらしい。

 一方ランデスはというと……特に何も考えてなさそうな表情で、いつも通りだった。


「どういう仕組みなんだろうね。これ、完全に物理法則を無視してるよ……」


「さっぱりわからん。右手がモニターに物理的に突っ込める時点で、もうアホらしいってレベルじゃねえよ」


「ま、登録できたならなんでも良くない? 体も無事だったし~、気にしてもしょうがないでしょ~」


 相変わらず楽天家すぎて羨ましい。

 でも実際、身体に異常は見られない。今のところは、だが。


「……とにかく、ログインはちょっと控えておこう」


「俺もそう思う。正直、ルールとか注意点とか、そもそも読まずに突っ込みすぎた。反省してる」


 俺たちはようやく腰を落ち着け、ゲームの基本的なルールや注意事項を確認することにした。


▼ルール・詳細・注意点

このゲームは、プレイヤーの肉体を完全にゲーム内へフルダイブさせるシステムを採用しています。


詳細な仕様については今はお教えできません。不明点やバグ報告は《公式フォーム》よりお願いいたします。


ログアウトは“基本的に”可能です。


人体への異常は絶対にありません。ご安心ください。


不正が発覚した場合、私たち運営の裁量でNFMOのログイン・ログアウト機能を制限いたします。


他のゲームから《通貨》《アイテム》《スキル》を持ち込むことが可能です。

6.1 課金アイテム・課金通貨の一部は持ち込み対象外です。

6.2 このゲームに存在しないステータス補正は適用されません。

6.3 持ち込めるのは《不正ツールを使用していない》アイテム・スキルのみです。

6.4 持ち込める総量やスキル数には制限があります。レベルに応じて上限が変動します。


PVP専用チャンネルが存在します。基本プレイチャンネルとは別になります。

ランキングシステムも実装済みです。(詳細は別記)


クローズドベータ期間は数ヶ月を予定しています。

※毎月“シーズン”が切り替わります。


テスター数は全体で350~1050アカウント。最大でも1050名です。


「……すごい大雑把だな。運営、本当にこのゲーム作り込んでるのか?」


「でも、なんとなく全体像は見えてきた気がするよな。ランキングシステムがあるってことは、プレイの方向性も見えやすいし」


「そうそう。あと他ゲーからアイテム持ち込めるってのが面白いな。……てか、“体をフルダイブ”って何だよ……あの右手イン事件のことだとしたら、マジで意味わかんねぇ」


「でも楽しそう~! 人体に異常は絶対にないって書いてあるし、安心して遊べるね~。PVPとかどうなってるのかな~?」


 俺たちはさらに詳細をチェックする。


▼PVPシステム/ランキングシステム

※一般サーバーとPVPサーバーは別々です。

PVPサーバー利用時は十分ご注意ください。


PVPで死亡しても、ペナルティはランキングの降下のみです。


戦闘は《町の外》のオープンフィールドでのみ可能。町の中では戦闘できません。


勝利チームには《名誉ポイント》が与えられます。通貨報酬ではありません。


ランキングは以下の3種類

4.1 レベルランキング

4.2 PVP名誉ランキング

4.3 攻略ポイントランキング

4.2 各ランキング上位者には《月ごとの報酬》があります。

※報酬内容はシーズンごとに更新されます。


「ふむ……基本的に死んでもリアルに影響ないっぽいな。ランキングが下がるだけで済むのは良心的だ」


「この感じなら、まずは報酬がどういうものか1回目のシーズンで確認して、その後で本格的に狙うのが良さそう」


 ナメタは早くも効率的な戦略を考えている。

 けど本当に、簡単に上位を狙えるのか? テスターの上限が千人程度なら、意外といけるのかもしれないが——。


「俺は攻略ポイントが一番楽そうな気がするなぁ。クエストとかクリアしていくだけで稼げそうだし」


「俺はニートだからレベルでも名誉でもいけると思う~!」


「誰でもランデスみたいにニートしてるわけじゃねぇんだよ、羨ましいけどな!」


 正直なところ、一番の不安は情報がほぼゼロな点だ。

 Wikiもない、プレイヤー数も少ない……でも、だからこそやりがいがあるのかもしれない。


「……今日はもう寝るわ。メインゲー、メンテ明けだったのに何もできんかった。最悪」


「俺も寝るわ。一人でログインするのは流石に怖い。焦っても仕方ないし、スタートダッシュはまだ挽回できる」


「俺は~……どうしよっかな~? 寝よっかな~? もしかしたら、ちょっとやるかも~?」


 ……ランデスだけは、なんかログインしそうな雰囲気を出していた。


「おい、マジでのめり込むなよ? “絶対に安全”って書いてあるけど、まだ未知数だからな。明日、ちゃんと3人でやる時間作ろうぜ」


「わかった~。おやすみ~」


「は~いおやすみ~!」


 こうして、その夜は一度、解散ということになった——。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ