【2-2】泉の宿ゲリラクエスト
泉の宿で俺らは昨日からの疲れを思う存分解消した。
高い宿だけあってかなりサービスのいいおもてなしを受けて俺らは満足していた。
「ウルフキングといい盗賊討伐といいゲリラクエストが重なったのはたまたまだよな?」
「どうなんだろうな経験値が美味しいしまあいいんじゃないか?」
「た、たいへんですぅ!!女将ー!」
俺らは朝食を食べるために朝食が食べれるホールへ向かっていたら小さい竜人の女の子が宿の女将に飛び付いていた。
「なんだいアリエル騒がしいね、お客様もいるんだから静かにしなさい」
女将に怒られてしまいしゅんとしてしまったアリエル、顔立ちも綺麗で歳という設定があるなら将来有望だな。
「すいません...それより朝食に使うテールピグの肉が足りないのですぅ!!」
「ありゃ、なんたっていそんな事になっちまったんだい?今日の早朝あんだけ仕入れたのに」
「101号室のお客様がとても沢山食べる方々で足りなくなってしまったんです!」
その一言で頭の上にゲリラクエストを表す紫色のクエストが表示された。
「おいおいまじかよ...また適正レベル以上のクエストじゃないよなぁ」
「兄貴とりあえず話だけ聞いてみましょうよ」
それもそうだな最悪悪いけど受注しなければいいだけの話だから話だけ聞いてみよう。
「あの、どうしましたか?」
「冒険者のお客様かい?確か305号室のレン様達だったね」
「はい」
「女将!この冒険者様のお客様とても強そうですし頼みましょうよ!」
この竜人のアリエルちゃんかなりぐいぐいくるな。
この時点で俺はクエスト内容を見て大したクエストじゃなかったので受けるつもりだ。
「そうだねえ悪いけど冒険者様方今日の献立のメインディッシュに使うテールピグの肉が足りないんだよ、取ってきてもらえないかねぇ...」
「テールピグって町の回りにいた一際弱いmobだよな?あの程度ならいいか」
「そうっすね町のすぐ付近でわんさかいる尻尾が長い豚っす、あのモンスターなら簡単ですし行きましょうよ!肉が食いたいっす」
満場一致で許可がおりたので受注した。クエスト報酬が?なのが気になるが報酬だし大丈夫だろう。
「すごぉい!あんな強い魔物が弱いなんて!やっぱりすごい強い冒険者様だよ女将!」
「こりゃあ心強いねえ」
「わかりましたどれくらい必要なんですか?」
「ありがとぉ!冒険者様!えっとぉ、夜の分も含めて"テールピグの肉"を30個は欲しい!」
昨日道中に出てきたテールピグを多少狩っていたが結構足りなかった。
「結構多いですね、わかりましたすぐとってきます」
「101号室のお客様が沢山食べると思うので少し多目に用意したいのですぅ...」
「ごめんね言い方が悪かったね、気にしなくていいよ俺らも沢山食べたいしいっぱいとってくるね」
そう言いながら頭を撫でると、ぱぁっと顔が元気になりはしゃいでいた。
「それじゃあ頼むよすまないねえお客様に頼んじゃって」
「肉が食べたいので気にしないでくださいよぉ!腹へったしさっさといきましょう!兄貴」
俺はあのかわいい竜人の幼女のためにも張り切って出発した。
SS
「あの雑魚mobなら三人も必要ないな、レンパーティー設定からドロップの割り振りをランダムからお前に一旦変えておいてくれ」
普段はドロップの問題が起きないようにランダムだが集めて俺に移動させるのは二手間だからだろう。
因みにドロップのお金の割り振りは山分け設定だ。
「それじゃあこの辺りなら多分どこで倒しても俺に入るだろうから集まったらチャット送るわ」
「"ビッグテールピグ"だけど各自ソロで倒せると判断したら積極的に倒して欲しい」
「"良質なテールピグの肉"と"テールピグの肉"があるんだけど、でかいのからは良質の方がとれるからね」
「かしこまりっす!兄貴」
「了解」
俺らは別れて30分ほど狩りをしてテールピグの肉を全部で30個ほど集めた。
内訳は昨日から持っていた普通のテールピグの肉を10個ほどに今日集めた20個足して30個、必要なら良質のテールピグの肉を15個集めたので渡してあげよう。
∬
「すっごい!こんなに沢山!今日の分と明日の分くらいあるよ!女将やっぱりすごいね!冒険者様!」
「必要ならこっちも使いますか?全部差し上げますよ」
俺らは基本的に料理はアイテムインベントリに入れているため、こういう場合のご飯以外は買った物を食べているため食材は必要ない。
「これって?」
「ビッグテールピグから出た良質なテールピグの肉ですね」
「えぇ!こんなに沢山初めてみたぁ!」
「仕入れる時も特別なお客様来る時に1個仕入れるくらいしかしないよ...こんなにいいのかい?」
俺らは特に必要無いため女将に渡した。
「あ、一つだけお願い有りますか?15個全部上げるので出来ればこれから食べる料理良質な物を使ってくれませんか?」
「いつも買い食いや普通よりも粗悪な料理しか食べていないので美味しいご飯を食べてみたいです」
「それくらいお安い御用さ、アリエルその食材もってとっておきの美味しい料理を提供しなさい!」
「わかりましたぁ!頑張りますぅ!」
そう言ってアリエルちゃんは厨房の方に大急ぎで走っていった。ご飯はアリエルちゃんが作るのかな?
「ありがとうねぇ、うちの店出る時今回はお金の支払いはいらないよ」
幼女趣味は無いがゲーム内の世界だからか年齢が少しいってそうな女将ですら美人さんだ。
こんな美人さんが喜んでくれるなら俺らも嬉しい。
「実はうちの兄貴が王都の貴族をやっててねぇ、この手紙とメダルを一緒に渡せば冒険者様が次行く王都で良くしてくれると思うからもっていっておくれ」
そう言われて俺はインディ家のメダルとシルの手紙をクエスト報酬の特別報酬として貰った。
「貴族がなんてこんな下町の宿なんてやってるか、野暮な事は聞かないでおくれ」
「はい、分かりました良くしてくれてありがとうございます!それにしても一端の冒険者如きがいいでしょうか?」
「いいのいいの、どうせ碌な仕事もしてない兄貴だからね、少しくらい面倒かけるくらいがちょうどいいのさ」
「そうですか、じゃあ有難く頂きますね」
女将シルとの会話を終わらせ食事がすぐ出来るようなので俺らは食堂へ向かった。
伏線ちらつかせるだけのために1話つかっちゃった。。。




