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【1-11】全天職

全天職の発音は『ぜん、てんしょく』ではなく『ぜんてんしょく』と繋げて読みます

主人公バンバン最強にします

「俺、最初に謝っとくわ。俺だけ微妙なチートスキルでごめんって言ってたけど――ごめん、これ俺、間違いなく一番のチーターだわ」


 スキルツリーを確認しながら、俺はそう言った。本当に控えめに言って、職業制限あり・スキルポイント制のゲームでこれは……チートだ。


「おう、俺らも十分チートだから心配すんな。それに俺の急所探査(クリティカル・サーチ)以外にも、もう一個スキルがあるみたいだしな」


 ナメタはダメージ特化の最強チート、ランデスはユーティリティ系の最強チートを持っている。


 そして俺は、多分このゲーム、いやこのジャンル全体でも最強と断言できるチートを手に入れた。


「2個目のユニークスキル、確認できた。名前は全天職(ぜんてんしょく)


「たぶん、取得条件は“2個目のジョブ開放”か、“ジョブレベルを30に到達したこと”だと思う」


 その名の通り、全天職は“すべてのジョブを得ることができる”スキルらしい。その恩恵は、特に上位ジョブで真価を発揮する。


 中位ジョブでも、スキルツリーを見る限り、ジョブレベル+クラスレベルの一部でスキルが振れる。計算するとジョブLv70+クラスLv40、合計110ポイント相当ってところだ。クラスレベル分は最悪、上位ジョブに回せばいい。


「中位ツリーを見ても、普通ならいらないスキルを切り捨てる判断が必要だよな? でも俺は分岐してる全スキルを取れる。つまり、全部取れる」


「戦士系、盗賊系、魔法使い系、その他のバフ・デバフ系……全ての系統を網羅できるってことか」


「そう。中位の各職業は二つに分岐してるけど、俺はその分岐も全部取れる。戦士系だけでも140ポイント振れるんだよ」


「ってことは、上位ジョブも全部のパッシブスキル、デバフ、職業特有のアクティブ、攻撃スキルまで網羅できる……?」


「そう。しかも中位にある盗賊系の俊足(ヘイスト)とか、ああいうバフスキルも全部手に入る。正真正銘のバケモノスキルだよ、これ」


 そう、俺は多少の手間はあるが、このゲーム内すべてのスキルを使えるようになる。NFMOの別タイトルからスキルを引っ張ってくる必要ある? いや、それよりも別のゲームで手に入れたチート装備を引っ張ってくる方が手っ取り早いかもな。次の大陸のどこかに、別ゲームへのポータルがあるって話だし。


「てことは……一部の人間しかなれない最上位ジョブって、ユニークスキル持ちしかなれない感じ?」


「多分そうだね。しかも、俺のはその中でも特別枠のユニークスキルだと思う」


「おまけに、もう一個ユニークスキルあるみたいだし。これはもう最高にハイってやつだわ」


 最高にテンションが上がってきた。チートって本来はやっちゃダメなもんだけど、公式チートなら話は別だよね?


 しかも、この世界、みんながチート持ってて、チートのインフレ起きてるから――最早チートじゃない説、微粒子レベルで存在してる。


「とりあえず~このアルバート国での下位適正狩りは終わりだけど、次の大陸行ったらパワーレベリングできるのかな~?」


「一定レベル差で経験値減るとかあるかもしれないけど……とりあえず外出て試してみようか」


「この辺、もう28レベルとかのデカい固定POPいるし~。1匹狩ってみれば分かるよ~」


 検証してみる価値はありそうだ。俺たちは近くにいる固定POPの大型MOBを倒すことにした。



「到着~。あ、でっかい蛇見っけた。あいつ、適正なら経験値1000くらいだったはずだよ~」


「お~~~~い、お前らやっと見つけたぞ、負け犬共ッ!!」


 うわ……最悪なタイミングでタクヤが来た。マジで面倒だからエンカウントしないこと祈ってたのに……。


「面倒なやつが来たよ……なんでこうタイミング良く現れるんだ。実はイベント用NPCだったりしないよな?」


「負け犬のくせにまだ吠えてんのかよ? 俺様にビビって逃げた分際で偉そうな口たたけんのか? ナメタく~ん?」


(探してたのに全然来ねーからわざわざ捜索してやったんだよ……クソが)


 ん? 今小声でなんか聞こえた気がするけど……気のせいか?


「静かにしてくれない? これから検証するから、邪魔しないで」


「ナメタが大人しい!? さっきの反省を活かして冷静に対応してる! すごい! すごい成長だ!」


「お前後でPVPサーバー来いよレン……絶対ぶっ殺してやるからな……!」


 ひぃ……怖すぎる。タクヤの100倍は怖い。こいつ、俺がリスポーンした瞬間に永遠に粘着してくるタイプのやつだ……。心の中でだけでも謝っておこう。ごめんなさい。


「検証だと? そんなもんどうでもいいから情報をよこせ! うまい金や経験値が入るクエストとかだ!」


「俺がここまで来るのに何日かかったと思ってんだよ! お前ら、めっちゃ速いペースで来たんだろ!? 見た感じジョブも中位じゃねーか!」


「ナメタ! 一旦クリサ(急所探査(クリティカル・サーチ))切って! ダメージやばすぎて、ヘイトこっち向いてない!」


「大した敵じゃないし、俺一人で倒せる。お前は小さい蛇の方のヘイトそのまま持っててくれ」


 タクヤを無視して、俺たちは予定通り検証を開始した。……それにしてもナメタ、タクヤにいいとこ見せたいのか? 男同士なのに? かわいいとこあるな~。


「お、お前ら、そんなにモンスター集めたらランデスが一瞬で死ぬだろ!! やめろ!!」


 タクヤは叫んでたけど、無視。パーティー外にはヒールかけられないんだよタクヤ君。……君、実は優しいじゃないか。


「フレイムフィールド連発ぅ~~!! まとまったとこに範囲魔法撃つの気持ちよすぎる~~!」


「雑魚は一掃~。で、ヒール巻いて~バフかけて~装備変更して連撃ぃ! 連撃ぃ!」


 俺は杖で"スモールスネーク"を一掃し、ランデスとナメタにヒールを2~3回。ついでにバフもかけておいた。武器を短剣に持ち替え、覚えたての連撃スキルで"変形したスネーク"と戦うナメタに加勢する。


「は……? 魔法使いなのに連撃……? どういうことだ……。っていうか、戦い方無茶苦茶すぎんだろ……」


 タクヤがまたブツブツ言ってるけど、なんだそのキャラ変。嵐系からアホキャラに一気に変貌してるじゃねーか。


 ナメタがいい感じにダメージ出してて、ヘイトが俺たちに向かなかったため、俺の連撃も通り、巨大蛇はあっさり撃破できた。


「ナイス~! こっちはジョブレベルまだ1のまんまだ~。新スキル使ったけど適正敵じゃ経験値はそんなでもないか~」


「たぶんナメタも上がってないと思うけど~、経験値テーブルが違うんだろうね~。70レベルまでは遠いなぁ~でもやりがいあるよ~!」


 出た、ドM発言。でも実際、キツめの経験値テーブルの方が、上位レベルになった時の価値が高まる。


 簡単にカンストできるゲームより、こっちの方が燃える――

タクヤ可愛い

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