【1-7】.ワンワンキング強い
今回は主人公のチート能力が軽くチラリと見えましたね。
私も可愛くて大きい犬飼いたいです
ウルフキング討伐前に、バフ系スキルをいくつかピックアップしておく。
下位ジョブのスキルは、最終的に全部取れるとはいえ、序盤の立ち回りには少し影響が出そうだ。
クラスレベルに加え、ジョブレベル30×3で得られる120ポイントをスキルに割り振れる。
手始めに《石壁の守り》(5pt)と《睡眠への誘惑》(1pt)を取得。バフとデバフ、どっちも念のためMAXにしておいた。
「とりあえず取ったけど……効果あるかは知らん」
「うわ、弱そうなバフにポイント使わせちゃった……ごめん」
「優秀なバッファーさんだ〜。ありがとねぇ〜」
……まぁ、最終的に全部取ることになるし、気にすることでもないか。
「じゃ、ワンワンキング討伐いってみよかー」
ボスフィールドに入った瞬間、フィールド入口に結界が張られ、他のパーティーが入れない仕様になった。
おそらく、今は専用ボス戦だが、もっと強いボスになるとレイド形式の戦闘になるのだろう。
「うおっ、俺狙いかよ!?」
突進が直撃。バフなかったら普通に即死してた。
ヒールとポーションで必死に立て直す。痛覚はあるけど、まぁ“じんわり痛い”くらいで我慢できる範囲。
「25レベルのボスって聞いたけど、こっちが適正以上のレベルじゃないとキツくない?」
ランデスも文句を漏らしつつ、雄叫びを絶え間なく撃ち続けている。
盾役としては優秀すぎて、逆に怖いくらいだ。
「盗む連発したけど、特に取れるアイテムはなさそうだな。一気に畳みかける。ヘイトズレたらすまん」
「4連撃で一瞬タゲずらす、今いくぞ!」
ナメタの判断は的確だった。俺はランデスにヒールとバフを入れ続けるが、正直回復が追いつかない。
一瞬でもタゲが外れてくれるのは助かる。
「ナイス判断! これ、繰り返せばいけそうだな。盾あと1枚しかねーけど!」
ランデスのHPはギリギリ。俺もマナポーションを連打しながら、ヒールとバフを回す。リソースがヤバい。
そのとき――
ウルフキングが空へ跳躍した。
「ちょ、飛んだ!? 見えないって……ってか、飛べるのかよ!?」
視界から完全に消えるほどの高さ。嫌な予感がする。咄嗟にフィールドの端へ移動した。
「おい、端っこに避けろ! なんか来るぞ!」
「無理無理、スタミナ切れた……俺もうダメ~!」
ナメタは合流できたが、ランデスはシールド張りっぱなしでスタミナが切れて動けない。
次の瞬間――ウルフキングが隕石のごとく降ってきた。
「おいおい、適正レベルだとしても、これ即死技だろ……」
ランデス、HP満タンから一撃で死亡。
「悪い、あとは任せろ」
そう言ったものの、盾役が落ちたのはデカい。ヒール・バフ・タゲ取り……全部自分でやらなきゃならない。
残りHPが3割を切ったあたりで、ウルフキングはデッドアタックのような連続技を放ってきた。
「俺が盾やる。ヒールもバフも自己完結する。ナメタ、お前は火力に集中してくれ! 死んでもいい、倒しきれ!」
「……了解!」
気づけば、妙に冷静だった。まるで“ゾーン”に入ったかのような感覚。
周囲がスローモーションに見える。アイテム欄も迷いなく選択できる。
「お前……バケモンか? バフ、ヒール、ポーション管理完璧とか、何者だよ……」
「偶然ゾーンに入っただけだよ。たまにあるだろ? 対人ゲーで……あの感じ」
こうして、ウルフキング――ワンワンキングを討伐。
《称号:狼王討伐》獲得
《攻略ポイント:3》獲得
単語帳
CD クールダウン(再使用可能時間)
スキルやアイテムを次使えるまでの時間です




