表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

02 ゆるふわ算数・数学同好会

「はあ、次の授業は数学か。やだなぁ」


 二階堂あずさは星森高校1年生。

 中学の頃から数学が苦手になり、ずるずる今に至る。

 

「まっ、いいじゃん! 別に将来使うわけじゃないし!」


 友人があっけらかんとした声で励ましてくれる。


「それにどうせヒフミンだし。間違えても怒られないから楽勝っしょ!」

「それはそうだけどさ」


 あずさは実は、密かに克服したいと思っていた。

 だが、別にこれといって勉強するわけでもなく、できたらいいなあと願うだけにとどまっている。

 そんな彼女の目に、掲示板に貼ってある勧誘チラシが目に入った。


『ゆるふわ算数・数学同好会』


(ゆるふわ?)


 なんだかハードルの低そうな同好会だなとあずさは感じた。

 だが、もしかしたら自分の苦手意識を克服できるかもしれない。

 何よりなんだか緩そうだし!

 よく分からないテンションになったあずさは、放課後さっそく覗いてみるのだった。


~放課後~


 同好会の部室を訪ねると、ヒフミンこと五十嵐一二三が1人で読書をしていた。

 あずさに気づいた一二三は眠たげな顔を上げる。


「なんか見た顔だな。1年だっけ?」

「あっ、はい。二階堂あずさです」

「そっかそっか。見学か?」

「はい! 私数学苦手なんです。できれば克服したいなーって」

「あー。俺も苦手だと上手くなりたいって思うときあるよ」


 一二三はあずさに席に座るように勧めた。

 部室を見回すとあずさが使ってる教科書や2年生、3年生で使う教科書、他に小学校や中学で使った見覚えのある教科書まであった。


「先生」

「ヒフミンでもいいぞ?」

「いやいや、さすがにそれは。先生でいいですよ」

「そっか。どした?」

「同好会って何するんですか?」

「何を期待してるのか知らないけど、大したことはしてないな。宿題やったり、数学っぽいクイズ解いたり、ちょっとした実験したり、地味なゲームしたりかな」

「実験、ですか?」


 実験というと生物・化学のイメージがある。


「この間はサイコロ千回振って実際どうなるか調べたな」

「あ! 6分の1になるかですね?」

「そうそう。俺が1を1番出した奴にジュースおごるとか言ったせいで、ひどい結果だったけど」

「どうなったんですか?」

「途中からほとんど1しか出なかった」


 あずさは呆れた。


「盛り上がったよ?」

「6分の1にならなきゃダメじゃないですか」

「そう堅いこというなよ。ゲームはこれがいいかな」


 一二三は碁石を取り出した。


「21個ある。順番に取って、最後の1個取ったら負けな」

「じゃあ私が先行で20個取ります」

「それはあんまりじゃない? 3個まで」


 あずさは負けた。


「先生、もう1回!」

「けっこう有名なゲームなんだけど、知らないかー」

「もう1回!」

「はいはい」


 あずさは負けた。


「今度こそ!」

「待って待って。これ必勝法あるから。二階堂が後攻して。で、俺が1個取ったら3個。2個取ったら2個、3個とったら1個とる。これで勝てる」

「ほんとですか? 嘘つかないでくださいよ!」


 あずさは勝った。


「しゃあ!」

「どんだけ勝ちたかったんだお前さんは」

「もう1回やりましょう」

「ま、また今度な。うちの同好会の活動はなんとなく分かったんじゃないか?」

「分かりました。あ、これ借りていいですか? ちょっと友達とやってきます」

「いや、それはちょっと」

「すぐ返しますね!」


 あずさは碁石をひったくって行った。


「あれ? あいつ1個落としてる」


~屋上~


 三ノ宮しおりは空を見上げていた。

 金髪で目つきが鋭いので誤解されやすいが、彼女はハーフなだけである。


「ミーヤ! 勝負しよ!」

「あずさも好きだね。ギャンブルはホントやらないでよ」


 あずさは負けた。


「あれ? ちゃんとヒフミンの言うとおりにしたのに!」

「ヒフミン? 誰それ」

「数学の先生。さっき必勝法教えてもらったの」

「あたしをカモにすんなよ……」


 しおりは呆れた。


「で? どうやるのそれ」

「教えたら私が勝てなくなるじゃん」

「ヒフミンってのが嘘言ったか考えるだけ」

「うーん」


 散々悩んだ末、あずさはコツを教えた。

 しおりはしばらく考えた後、ぽんと手を叩いた。


「あんたどっかで1個落としたんだよ」

「げ。どうしよう。これ借り物なんだけど」

「マジかよ……分かった。そんな目で見なくても探すの手伝うから」



~ゆるふわ算数・数学同好会の部室前~


「うう、どうしよう。見つからなかったよ」

「なんであたしまで謝らないといけないんだよ」

「お願い! 一緒にいてくれるだけでいいから!」


 ガラッ。


 メガネをかけた男子生徒が出てきた。


「あ、もしかして入部ですか?」

「はい!」

「え?」

(ごめんミーヤ! 入部する代わりに許してもらお!)

(どういう理屈だよ……ダルかったら辞めるからね)

(ありがとう!)


 入部届けを書いている2人を見て、一二三は碁石のことは黙っておくことにした。





ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

破天荒が息してない気がします。

すみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ