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06カシミールの戦い(前半)

簡易地図


        【北】


        帝国軍     橋 

         砦      川

【西】 山   修羅族の村   川  カシミール平原【東】

         山      川

        【南】     浅瀬

 カシミール平原、そう呼ばれている原野がある。


 修羅族しゅらぞくの村には東に川が流れており、その川の向こうの原野がカシミール平原であった。


 そこは、以前の戦争で何人もの犠牲者を出していた場所であった。


「スケルトンって死後すぐじゃないと召喚できないのよね、骨も腐るし、しかも同数の生贄がいるし」


「生贄か~それじゃあムリですね~」


 と副官のナナリー。


「生贄なら、ここにいるじゃないか」


 と捕虜約3500を指さすセラ。


「えええ~」


 非情のセラにどん引きのナナリーであった。


「僕は反対だね、セラは宿業を背負うことになるよ」


 ケルベロスが答えた。


「ケルベロス、ホーリーは大丈夫なのかい、君はホーリーの守護者だろう?」


「命令されただけなら大丈夫だよ、僕たちにとって神聖ちゃんは道具みたいなものさ、かなり便利な。例えればよく切れる包丁といったとこだね。これまでも神聖ちゃんの意思でネクロマンスしたことはないよ」


 そしてこれからも、とケルベロスは付け加えた。


「道具に罪はないか」


セラは命じる。


「ホーリー、この捕虜で、ネクロマンスしてくれ」


「・・わかったわ、止めても聞かないだろうし、他に手段がないんでしょ」


「ホーリー、ネクロマンスって何~?」


 ナナリーが聞いた。


「簡単に言えば、スケルトンを新規に作成することね」



 カシミール平原では帝国軍本隊と族長代理のキヌオンの兵が衝突しようとしていた。


「なぜここに帝国兵がいる。はやすぎるではないか。おかしいな、やむを得ない撤退だ」


「完全に囲まれています」


 キヌオンの兵も必死に交戦したが、帝国軍にしだいに兵力を削り取られていった。


「キヌオン様、討ち死に!」


 数本の矢を受け、キヌオンは絶命した。  


「もはやこれまで、残ったものはついてまいれ」


 老将タタオンは号し、最後の突撃を敢行した。


 しかし、それも重厚な布陣にはばまれ、タタオンも小ウータンの戦士の槍をうけ戦死した。


 全滅である。


 帝国将のタキタは、勝どきをあげ、赤い軍服の敵将が死んだという知らせに安堵していた。


 帝国兵は勝ったとはいえ、決死の抵抗にかなりの被害を出し、すさまじく疲労していた。


 特に直接戦闘には少し弱いエルフがかなり減らされていた。


 最後の突撃で本陣にせまられ、後方に置いていたエルフを本陣前に出すしかなかったのだ。


 逆に小柄で俊敏な小ウータンは被害がほぼなかった。


 残兵8000といったところか、辛勝だな、だが後は修羅の村をおとすだけだ。


 タキタは気合をいれなおそうとしたその時。


「後方から敵襲!」


 セラの軍勢が背後から迫っていた。

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