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俺日記  作者: 鳥犬輝吉
3/3

4月3日 強欲

 1


 最近、臆病な性格になった気がする。

 というのも、人と話すと少ししり込みしてしまうのだ。


「駄目だなぁ……このままじゃ」


 何とかしようと思っていても、ついついだらけてしまう。

 今だってそうだ。

 俺はベッドの上に寝転がって携帯を弄っている。


「おっ。新しいゲームアプリだ」


 すぐさまインストールボタンを押した。


「うわ……重いな、たぶん」


 データが大きいのか、中々インストールが完了されない。


「もういいや。飯にしよっと」


 ゆっくりと立ち上がって、台所へ向かう。

 

「うーん。これでいいか」


 戸棚の近くに置いてあったバナナを手に取った。

 その場で皮を剥いて、一口食べる。


「うまっ」


 近くのスーパーで買ったものだが、空腹であったのも関係したのか、妙に美味しく感じた。


 2


「このアプリつまんね」


 先ほどインストールしたアプリをやってはみたが、まったく面白くない。

 すぐに終了して、消去した。


「最近暇ー」


 携帯を放り投げて伸びをする。

 思えば春休みに入ってから、特に何もしていない。

 彼女と青春を楽しむでもない。

 というか、彼女はいない。


「はぁ。何なんだろ、俺の人生……」


 ここ一週間でやり遂げた事と言えば、春休みの課題くらいだろう。


「……何か、わかんねーけど吹っ切れた。思い付きじゃねぇ」


 俺は思いっきり拳を握った。


「変えてやる、俺の人生」


 3


 夕食後、俺は母さんへ話しかけた。


「この前言ってた、その……ジムのクーポンだっけ? あれ頂戴」


「良いわよ、はい」


 母さんは懐からすぐに券を取り出した。


「ありがとう、じゃあジム行って来る」


「あら、さっそく行くの?」


「うん、ちょっと考えて即実行が俺の良い所」


 そう言って、玄関へ向かう。


「待って、明日……わかってるね?」


 母さんが呼び止める。


「……ああ」


 俺はそう答えて家を出た。






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