救いのない世界 〜後藤 省吾語る〜
初めまして。
●●堂へようこそ。
え?店の名前が聞こえない?おやおや、おかしいですね。
まぁ、そんな事を考えても正しい答えなんて出てきやしません。
ここではそんな話珍しくもない話ですから。
どういうことだ?あぁ、いいんです。
私はどうやら人と話すのが苦手らしいので。
私の言うことに一々意味なんて見い出そうとなんてしないでください。さ、そんな事よりちょっと小噺でもいかがです?今電車に揺られてる貴方の暇を潰すくらいの役にはたつかもしれません。え?ここはなんたら堂じゃないのか?いやですね、私の言葉に意味なんて見い出さないで下さいと言ったでしょう?
さて、13階段と言うものを知っていますか?
ある筈のない13段目の階段が真夜中に現れて、それを踏んでしまうと異世界に入りこんでしまうという、あれです。
いえいえ、私はそれの話をしたいのではありませんから、もう暫くお付き合い下さいな。私が今日お話するのは大学生の後藤 省吾君の体験談です。
後藤 省吾語る
俺はその日他愛もない小説サイトを巡って暇を潰してたんだ。
そこは色んな素人が小説を投稿して、それをそこのサイトにupするっていう、今時珍しくもないサイトだった。
俺は感想を書き込むでもなく、自分で小説を書くでもなく。適当に読んでてたらさ、ふと気になるタイトルの小説があったんだよ。それはどうやら連載途中で作者が飽きたらしくてさ。第三話で終わってて、未完って書いてあった。俺はさ、基本的に完結したのを読んでたんだけど、どうしてもその小説が気になって、三話くらいなら良いかって読み始めたんだ。
内容はどこにでもあるようなホラーだった。
主人公が深夜パソコンでサイトを見てたら、怪しいリンクがあって、それをクリックしてしまうって奴で、なんとなく落ちがわかるような下らない内容。三話読み終わったんだけどクリックしてから先がないもんだから不完全燃焼。俺はいつの間にか暗くなった窓の外を見て、そろそろやめようかなって思ったんだ。
――あれ…?――
そしてウィンドウを消そうと思ってマウスを動かそうとしたら、カーソルが第四話の上に乗ってた。さっきまで無かった筈の第四話。良いタイミングでupされるもんだな、とか思いながらクリックしたんだ。それはもう何の考えもなく。ほとんど無意識でマウスを動かしてクリックしてた。
――オカシイ…オカシイ、オカシイオカシイオカシイオカシイ――
そしたらさ、真っ白なページが出てきて。俺は首を傾げながら、エラーかなとか思いながら更新をクリックしたんだ。
――待って…マッテマッテマッテマッテマッテマッテマッテマッテ――
途端に画面が暗くなって、文字が四文字表示されてた。
『掛かった』
俺は慌ててマウスを――マウス?
待て、俺は今何処にいる?
部屋だ。俺の部屋。
今は何時だ?
0時をまわったあたり。
おかしくないか?俺がこの小説を読みはじめたのは、“大学の一限”を受けてて暇だったから、“携帯”で読み始めたんだ。なのに――
何故俺は此処にいる?
此処は……何処なんだ?
そして、何より今俺が気になるのは――
今、俺の後ろに居るのは……誰なんだ?
――作品更新履歴――
『後藤 省吾 第四話up』
さてさて、いかがでしたか?ちょっとは暇を潰せましたか?いやなに、この話は私の作り話。
深く気にするような事じゃありません。
だってそうでしょう?この話を知っている人がいるとしたら、この後藤くんか、それとも……。
いやいや、あくまで私の作り話。深くは気にしないでください。さ、小噺も終わってそろそろ終着なんじゃありませんか?乗り過ごしには気をつけてくださいね。え?何を言ってるのかって?何度も言いますが、私の言葉にはなんの意味もありやしません。今日はもう閉店です。またの機会があったら、別の小噺を聞かせて差し上げますよ。
あ、そうそう。
――貴方は今、何処にいるかわかってますか?
はい、今日和。蛭子 巽……と、書くとホラーっぽくなるんで“ひるこ たつみ”と名乗っておりますひるこです。
いかがでしたか?後藤 省吾君。わけわかんないですよね(笑)
自分でもよくわかってないので仕方ないです。貴方の責任ではありません^^
しかもホラーを執筆しながら、物凄く明るい音楽を聞いていたので、ホラーとしてはどうなんでしょって感じです。
あ、因みにこの後藤省吾君は架空の人物なので同性同名の方がいらっしゃいましてもスルーしてください^^
ひるこは今まで何作か作品を書いたのですが、何故かいつも本命のファンタジーは未完なのに、気晴らしで書くホラーだけは完結するという現象に陥っております。
今も本当はファンタジーを書いていた筈なのに、気紛れで書いたこっちが先に終わってしまいました(T_T)
はっ……これはホラー体験なのか?
とか、神社という特殊な環境に生まれたのにも関わらず、ホラー体験を一度もしたことがないひるこは思うのですよ。
さてさて、わけのわからない作品の後にこんなわけのわからない後書きを読んでくださった方。居たら、本当にありがとうございました。感想何かを書いてくださると今後の精進に繋がりますので、是非ともよろしくお願いします。