第1話 中ヶ原連続殺人事件
当作品にはグロテスクや暴力シーンなどがございます。これらが苦手な方は小説を拝読しないようお願いします。
多くの人が殺されている・・・。
私の大切なひとが死んでいく・・・。
血塗れの数々の人影があり・・・。
そして、次々と人を殺す・・・。
6月8日。中ヶ原と呼ばれる地域。ここでは黒い髪で黒い目。そして赤いポロシャツと青いズボンを着た少年が家族と共に中ヶ原に引っ越すため移動していた。
「仲吉!ここが中ヶ原だ。いいところだろ?」
少年に言ってきたのは黒い髪で結構姿は若い感じの男で黒いスーツを着ている。
「そうだな。親父。」
「仲吉。もうすぐよ。」
さらにもう一人の女はブラウンの髪とブラウンの瞳をしていて姿は男のほうと同じく結構若くて美人。彼女も黒いスーツを着ている。
「結構、田んぼに山に広いな・・・。」
彼の名は徳川仲吉。父親の一定と母親の満子と一緒に車を走っていた。
「でしょでしょ?」
それから数分が経ち、車は新しい家へと来た。そこで仲吉は家の引越し作業を手伝う。周りと比べると結構豪華で広く白い家である。
「目立つのが好きな親父らしいぜ・・・。」
「そりゃどうも。」
白い家だけではない。敷地も広く、普通の敷地ではこんな広さはあまり見たことがない。
「俺が結構金を持ってたことに感謝しろよ?仲吉。」
「感謝してるって。」
仲吉の父親は会社の社長である。結構、金は持っているほうだ。
「引越しのトラックも来ている。お前は車にある荷物を運んでくれ。」
「分かった。」
「はい。仲吉。これよろしくね。」
満子は車のトランクにある荷物を持って仲吉に渡した。
「分かった。」
仲吉は荷物を玄関へと運んだ。
6月9日。朝起きた仲吉は一定に呼ばれる。
「今日、お前の新しい学校に来るんだろ?新しい友達ができるといいな。男なり女なり作れ。」
「はいはい・・・。」
仲吉は味噌汁の汁を飲み干すと白いシャツと黒いズボンを着ると学校へと向かった。
「行って来る!」
「は~い!」
朝、歩いて学校へと向かっているとセミの鳴き声が聞こえていたり、車の音がしたりした。
「やあ!」
「!?誰だ!」
仲吉が振り返るとそこには一人の男の青年がいた。黄色の半袖シャツを着ている。
「いきなり声をかけてすまないね~。君はこの辺じゃ見かけないけどどこから来たのかい?」
「え?最近中ヶ原に引っ越してきたばかりです。あなたは?」
青年は元気満々に自己紹介を始めた。
「僕の名は長田多摩雄。中ヶ原病院で医者をしているよ。君は?」
「徳川仲吉と言います。」
長田は仲吉の近くに来るとニコッと笑った。
「へえ・・・。徳川君と言うんだね。よろしく。じゃあ、僕はこれで。」
そう言い残すと長田は仲吉と別れた。
ここは初寺高等学校。仲吉はこの学校の職員室にいた。そして、一人の眼鏡をかけていて、水色の髪にスーツ姿の先生がいた。
「初めまして、君が徳川君かい?2年A組の担任をしている又中真名都。よろしく。」
「ああ。」
「さて、これから君が入ることになる2年A組の皆に君を紹介する。付いて来い。」
又中は仲吉を連れて学校の階段をあがり、2年A組へと向かった。2階の階段からベランダへと出て、2年A組の教室前へと待たされる。
「さて、君はここで待っててくれ。」
そう言うと又中は教室へと入っていった。ベランダから声が聞こえる。
「今から転校生を紹介する。」
又中がそう言った瞬間にクラスの生徒たちがザワザワしていた。
「え!?何!?男?女?」
「先生、どんな人ですか?」
そう言っている時、一人のうるさそうな女の声が聞こえてきた。
「先生!早く紹介してよ、早く!早く!早く!!」
「落ち着け、北崎。」
どうやら、さっきのうるさそうな女の声は北崎って名前の人らしい。
「今から入ってもらう。」
仲吉は又中に呼び出され、教室へと入っていった。そして、又中は黒板に徳川仲吉と書く。
「この学校に転校して来た徳川仲吉君だ。」
「よろしく。」
仲吉が挨拶した瞬間に教室中はざわつき始める。
「今日から座る席はここだ。」
誘導された席は右の前から2番目の空席である。さらにこの席は花瓶に花が添えられている。さらに机はいつもきれいになっていた。花瓶が置かれていることに疑問に思った仲吉は先生に声をかけた。
「先生、この机に花瓶が置かれているけど何でだよ?」
ざわついていた声が一瞬で静まる。どうやら何かあったようだ。仲吉はそう思いかけた瞬間に――
「ああ・・・。物整理などで偶然ここに置いちゃってたははは・・・。」
そう言いながら又中はすばやく机に置いてある花瓶をどける。周りを見るとざわついた瞬間にしーんとしていてなんだか悲しそうな表情を皆はしていた。
「どうしたんだ・・・?こんなにいきなり静かになって・・・。」
「な・・・なんでもないぞ・・・。徳川君。ささっ。座りたまえ。」
先生はそうスルーしながら仲吉を椅子に座らせた。
授業が終わり、休み時間になると青い髪のショートヘアの少女と黄緑色の髪のツインテールの少女がいた。どちらも青色のこの学校のセーラー服を着ている。
「徳川仲吉君でいいかな?」
青い髪の少女は仲吉に声をかけてきた。
「誰だ?お前・・・。」
「自己紹介が遅れたね。私は星見沙良。よろしくね。」
沙良が名前を名乗り終えると黄緑色のツインテールの少女も名前を名乗る。
「私は北崎伊理。よろしく。」
「北崎って・・・。さっき教室で大声あげていたやつかよ・・・。」
「あはは・・・。伊理ちゃんはよく大声あげるのよ・・・。」
「謎の転校生っていうのは何かいいかなって思ってワクワクしちゃって・・・。」
謎の転校生扱いをいつの間にかされている仲吉は次々とクラス中にお互いの自己紹介をした。
「ところで・・・。俺の机に置いてあった花瓶のことだけど――」
すると突然皆は沈黙を始めた。何か嫌なことでも起きたのだろうか。仲吉はそう思った。
「何のことかな~。私、すっかり忘れちゃった。ごめんね。」
そう言い残すと沙良や伊理。他の皆はすぐにその場をササッと去っていった。
放課後になると彼は沙良や伊理と共に帰っていた。
「明日は休みだから、この街を案内してあげる。」
沙良は中ヶ原を明日、案内しようと提案をした。
「いいね~。明日になったら初寺高等学校前に集合ね。」
「分かった。」
そして、その後に3人は分かれて仲吉は一人で家に向かった。そんな時、誰かがまた声をかけてきた。
「君は徳川君だったね。」
「ああ。長田さん。」
さらに、長田の隣にはまた一人の男がいた。黒いスーツに眼鏡をしている。
「君が長田先生の言っていた徳川仲吉君だね。私は浜無康成。小説家さ。」
「よろしく頼む。」
「さて、君は何も知らないけどちょっと話しておくよ。いいかな?」
長田は何も知らないと言うように仲吉に何かを話そうとした。
「ここ中ヶ原では殺人事件がよく起こる街なんだよ。」
「え!?」
殺人事件という言葉にすごく驚く仲吉。そして、次に浜無が長田に続いて中ヶ原で起こる殺人事件の説明をさらに始めた。
「連続殺人事件っていったほうがいいかな。1ヶ月に何人かは殺されている。君がここに引っ越す前にも1人殺された。」
「6月に・・・!?今日は確か6月9日。」
「そう。6月7日に誰かが殺されたんだよ。確か徳川君と同じく高校2年生。そして、中ヶ原にある高校は初寺高等学校1校のみ。」
「それって・・・!?まさか・・・!」
仲吉は驚いていた。今日の学校で1つだけ花瓶が置いてあった机。
「どうかしたのかい?」
長田は仲吉に手を掴んで呼びかけた。
「2年A組の教室に俺が座る机に花瓶が置いてあったんです。この机に座っていた人が犠牲者・・・。」
「そして、今度は誰が殺されるんだろうな・・・。警察も必死に捜査をしているけどいまだに分からず・・・。」
浜無はゆっくりと歩きながらそう語った。
6月10日。仲吉は起床して初寺高等学校前に来ていた。
「遅いよ~!!仲吉くん~!!」
伊理は大声で仲吉を呼んだ。相変わらずの大声だ。
「おはよう。仲吉くん。」
丁寧に仲吉に声をかけたのは沙良であった。
「おはよう。沙良。伊理。」
お互いに挨拶をした仲吉はさっそく街を案内させてもらうことにした。
「ここが中原神社。この神社がかつて中ヶ原の地名の由来になったと言われているの。」
「へえ~。広いものだな~。」
「お参りでもしよう。」
伊理は手を合わせてお辞儀をして、金を投げるとカランカランと鈴をならした。そして、再び手を合わせてお辞儀をする。伊理に指摘されたのように指示を受けた。
「こうしてこうして・・・。」
伊理によく指摘されて結構時間はかかった。
(誰かが殺された・・・。この街で・・・。もう誰かが殺されるのは・・・。)
仲吉はそう思っていた。この事件が解決することを。
はじめまして、エンブレムです。悲しみの風の詩を小説で書いています。
仲吉たちに待っているのは死か悲しみか平和か・・・!仲吉の戦いを最後まで見届けてください。
そして、中ヶ原連続殺人事件の真相は・・・。そして次々と死んでいく人たち。いったい誰が何の目的で殺人を続けているのか・・・。1ヶ月で殺す人数はまだ分からない。いつ誰がもしかしたら自分が命を狙われている可能性もある。この推理を解く為に仲吉はこれから立ち上がります。