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学校に行きたくない僕、行かない俺の理由

作者: 夏樹
掲載日:2026/01/15


この物語は、特別な誰かの話ではありません。

どこにでもいる、中学一年生の男の子の、日常の一部です。学校に行けない理由は、人それぞれ違います。


けれど「行けない」その裏側には、目には見えない葛藤や、精一杯の頑張りがあります。

この物語は、ノンフィクションとフィクションのあいだにあります。

誰かの実体験かもしれないし、あなたや、あなたの大切な人の心の中にある気持ちかもしれません。

読み終えたとき、

「今のままでも、生きていていい」そう思える小さなきっかけになれば幸いです。

【学校に行かない、行きたくない僕の理由】



僕の名前はこころ。中学一年生。


学校に行けなくなった理由を、うまく説明できる言葉は、今も見つからない。

何か大きな出来事があったわけじゃない。

ただ、少しずつ、少しずつ、心がすり減っていった。


一学期のはじめ、僕は新しい制服を着て、新しい学校に通い始めた。

小学六年の終わりに両親が離婚して、母と二人で知らない土地に引っ越してきた。

知り合いは一人もいなかったけど、最初はそれなりに頑張れていたと思う。


サッカー部に入って、汗をかいて、仲間とボールを追いかけた。

楽しい時間も、確かにあった。


でも、いつからだろう。

教室で聞こえる小さな笑い声が、自分に向けられている気がしてきた。

何気ない一言が、胸の奥に刺さって抜けなくなった。


クラスだけじゃなく、知らないクラスの子からも言葉を投げられた。

冗談のつもりだったのかもしれない。

でも、僕の心は冗談として受け取れなかった。


勇気を振り絞って教室に行った日。

嫌な言葉を聞いて、足がすくんで、息が苦しくなった。

その日から、教室の扉の前で体が動かなくなった。


二学期が始まる前、風邪をこじらせた。

体調が戻らないまま夏休みが終わり、生活のリズムが崩れた。

朝、起き上がれない。

立つと、目の前が暗くなる。

病院で「起立性障害」だと聞いた。


もともと朝は苦手だった。

ADHDがあって、時間を守ることや、気持ちの切り替えが難しい。

それでも、やらなきゃいけないって、ずっと思っていた。


二学期、学校には行ける日もあった。

でも、教室には入れなかった。

保健室登校。

それが、今の僕の精一杯だった。


担任の先生の言葉。

母の心配そうな背中。

出席日数や、高校のこと。

未来の話をされるたび、胸がぎゅっと苦しくなる……


……僕自身も、焦っていた。

……このままでいいわけがないって、分かっている。

でも、どうしたらいいのかが、分からない。


……日曜日の夜が、一番つらい。

明日が来てほしくないと思ってしまう自分が、嫌になる……

それでも、心の奥には、将来やりたいことが、ぼんやりと残っている。


……まだ言葉にできない夢。

まだ形にならない希望……


僕は今日も、できるところまでしか進めない。

それでも、それは「止まっている」わけじゃないと、少しだけ思えるようになった。


これから先、どうなっていくかは分からない。

うまくいかない日も、きっと続く……


……それでも、いつか新たな楽しい一歩が、

僕の前で、静かに、でも確かに輝いてくれることを、

今は信じてみたいと思っている……

心は、強い子ではありません。

でも、弱いままでも、前に進もうとしています。

学校に行けない日があっても、教室に入れなくても、

それは「頑張っていない」わけではありません。

歩幅が小さくても、立ち止まっても、自分のペースで進むことは、確かな一歩です。

もし今、同じように苦しんでいる人がいたら、

どうか一人で抱え込まないでください。

未来は、今は見えなくても、ある日ふと、思いがけない形で光ることがあります。

この物語が、

誰かの「明日をもう一度迎えてみよう」という気持ちに、そっと寄り添えたなら、とても嬉しく思います。

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