6. 情報整理
ふう、と莉里は一人息を吐いた。強張っていた身体から、少しずつ力が抜けていくのが解る。
一人きりになった狭い牢の中、壁に背を預け立てた膝に頭を埋めた。
緊張で可笑しくなっていたのかもしれない。ただ感覚が麻痺していただけかもしれない。
あれから、吐き気を催すような仕草を駆使して色々と情報を引き出した。そして、性別の誤解を解く事は出来たのだが、服を変えて欲しいという要求の前に男は別の奴に呼ばれて此処を離れてしまった。
取り敢えず、聞き出した情報を纏めていよう。どうせ、する事も無いのだから。
・まず、自分は矢張り誘拐されたらしい(僕を含めて『攫われた奴ら』と呼んでいたので間違いない。そして、攫われた子が僕だけじゃないという事も確定した)
・そして此処は、誘拐犯達の居る所。つまりはアジト(厳密にはそうは言っていなかったが、『拠点』と言っていたので、認識的には間違ってはいないだろう。
・今、自分が居る所は、攫った子を入れておく牢屋だそうで。その割には僕以外に入れられている人は居ない様に見える。見えていないだけで、居るのだろうか。気配なんて分からないから確認のしようが無い(僕は特別だとか言っていたが、どういう事だろうか)。
解った事をざっくりとだが頭の中で纏め、整理する。
これでいいだろうか。一段落して溜息を吐いた。
(なんか、溜息の数が増えた気がするな・・・)
絶対に、気のせいではない。今日で一週間分の溜息を吐いているのではないだろうか。
一気に老け込んだ気分だ。
それにしても、莉里が男だと知った相手は、大層驚いていた。驚いた後、小さくどうしよう、と呟いていたが、何だったのだろう。莉里が男だと、何か不都合でもあるのだろうか。否、流石に考え過ぎだろう。
取り敢えず、男で悪かったなと口に出さなかった自分偉い。と己を褒めておく事にした。これで機嫌を損ねたらどうなるか分からない。喉まで出かかってはいたが、偉いぞ自分。
なんて、茶番をしている場合ではないのだけれど。さっきから、現実逃避ばかり・・・。疲れているのだろうか。疲れているのだろうな。
また、溜息を吐く。
一度疲れを自覚すると、一気に眠気が襲ってきた。
またかと思った。どれだけ寝たら自分は気が済むのだろうか。でもまあ、きっと、驚きの連続で疲れているのだろう。そう仮定した。
決して、莉里が寝汚いわけではない。断じてないのだ。全く信憑性は無いけれど。
莉里の瞼は徐々に重くなっていく。ベッド代わりと思われるものはあるが、そこまでは動けないだろうな。もう体を動かすどころか、瞬き一つすら億劫だ。全体重を壁に預け、目を閉じる。
莉里は、襲い来る睡魔に身を委ねた。
次話は20日20時に投稿。
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