たしかな記憶 ~宮殿~
目が自然と開く感覚がした。そこは何もない白の世界だった。
空も地も、境界すら曖昧で、まるで深い霧の中に立っているような感覚。
足元には淡く光る魔法陣が浮かび、静かに燃えていた。 白い――けれど、冷たい。音もなく、風もない。
なのに、確かに“誰か”の気配がある。
振り向くと、男が一人、そこに立っていた。 言葉もなく、ただ泣くように、苦しむように、俺を見つめている。 顔はぼやけていて、輪郭すら曖昧。だが、何かが引っかかる。
(……誰だ?)---見たことがある。---
その瞬間、頭の中に声が響いた。
男(???)――“亜人を殺せ”
耳元で囁かれたような、胸の奥に刻まれたような、そんな声だった。
「あ……びと……?」
声を出したつもりだったが、音は空に溶けて消えた。 視界がぐらりと揺れた瞬間視界が白から黒に染まる。 目がくらみ、意識が遠のいていく。
(,,,,,,,,,,,,,,,)
次に目を開けたとき、俺は見知らぬ部屋のベッドに横たわっていた。 天井には、見たこともない紋章が浮かんでいる。 視界の端に、二人の顔が見えた。
「奥様。お子様ですよ…。お子様が生まれましたよ。」
(……誰だ?)
なぜこの女は笑っている? ここはどこだ…
「たいあい……い……」
声がうまく出ない。
体も思うように動かない。足は重く、腕も上がらない。
なんだよこれ……。
もしかして、殴られて入院してるのか? だとしたら――おばさんに、申し訳ない。
……帰ればもう一人だろうなお金も返せない医療費なんて出せるはずがない。
視界にはたぶんおばさんがいる目も合わせられない、だとすればもう一人の左にいる男は誰だ?おじさんは2年前病死したはずだしな、、、、
これは退院すればめんどいことになるぞ。
(もう疲れたよ……)
誰かが助けてくれたのかもしれない。 でも、勘弁してくれよ。
また、生きるのかよ。今度こそ一人になる。
目がぼやけて見えにくい見ようとしてもなかなか開けられない
そう思った瞬間、男に抱き上げられた。 何が起きたのか分からないまま、身を任せる。視界にうつる周りには見たことのない部屋にいる。
遠くから人々の声が聞こえる、、、メイ,,,,ド?みたいな服装だな。
遠くから人々の声が聞こえる。メイドたちが足早にドアを開けて出ていく。見たところここは宮殿みたいだ。壁は白磁のように滑らかで、シンプルな木造のきれいな壁だ。
天井には繊細な彫刻が施され、中央には巨大なクリスタルのシャンデリアが吊るされていた。
床は大きなきれいなカーペットだろうか。
窓には厚手のベルベットのカーテンが垂れ、外からの光を柔らかく遮っていた。
視界に男が移る
男は俺を見て微笑んだ。
見る限り尋常ではない筋肉質だ
次に現れた女は瞳ががきれいなお嬢さんだ? (,,,,,。)
幸せそうな眼差しで俺を見つめていた。
(……転生? 夢なのか?)
周囲の雰囲気は、まるで貴族の屋敷のようだった。 豪華な家具、煌びやかな衣装、そして何より――家族…?。
(……とりあえず、身を任せよう)
三ヶ月後
俺はようやく自分が何者なのかを理解した。 どうやら――赤ん坊だった。
あの二人は、俺の両親。 つまり、転生したのだ。
彼らは貴族らしい。 絹のような衣服、金細工の食器、そしてメイドや執事が常に控えている。 この屋敷の装飾も、まるで王宮のような豪華さだ。
転生先としては、申し分ない。
赤ん坊として授乳、おむつに落とし物を発射する、動き回るスーパー特典付きだ。
赤ん坊としてはなかなかの優等生ではないのだろうか。
まぁ今ぐらいは好きにしてもいいだろう、、、、
朝になると、メイドたちが静かに部屋を開けカーテンを整え始める。窓を開けると小鳥のさえずりが聞こえる。カーテン越しから光が差し込む。
(そういえばまだ外の景色は慣れないな)
(やっぱ朝と昼は嫌いだ。誰かに見られているような孤独を感じる,,,,,,,,)
静かな足音、丁寧な手つきだ。 その中の一人の若いメイドは、よく俺に話しかけてくる。
もちろん、言葉の意味はわからない。 けれど、彼女の声は心地よく、まるで鼻歌のようだった。
メイドたちは、淡い青の制服に白いエプロンを身に着けていた。
髪はきちんとまとめられ、動きは静かで無駄がない。
一人が俺の様子を見て、そっと微笑んだ。 その笑みは、どこか母性を感じさせるものだった。
母に抱かれているとき、胸元から漂う香りに、前世の孤独が少しだけ溶けていく気がした。 父の腕は太く、硬い。けれど、抱き上げられると不思議と安心する。
この世界は、俺が望んだわけでもないでも仮に与えられたのなら全力で生きてみようじゃないか。
俺は守られている。
それだけで、俺は頑張らなければならないって思える。(スーパー赤ちゃんとして)
生後12ヶ月(一才)
俺は一歳になり、体も大きくなった。 ハイハイができるようになり、言葉も少しずつ理解できるようになった。
たくさん見て、たくさん触れた。 この世界の空気、音、匂い――すべてが新鮮だ。
おそらくだがここは前世の世界ではないだろうな。
「たくさん見て、たくさん学ばせようじゃないか」
「でもあなた、この前ベッドから落ちかけてたのよ?静かすぎて不安になるわ」
「はは、あれはたくさん動いて学びたい証拠だよあれは将来大物になるぞー」
「あなたってば…」
ソフィアは呆れたように笑ったが、その瞳は優しさに満ちていた。
両親はよく、俺の前でいちゃついている。 その様子は、どこか懐かしくて、むずったい。
ある日、母さんの目を盗んで父さんの部屋に入った。
(ハイハイではあるがなかなか早いメイドの目を盗めるしな)
本棚を通るとき本が落ちてきた。
「レイ!」
(あ,,,,痛ったー……)
母さんが走って俺のところへ来た。そんな大げさだなあ。
「見せなさい……。あら、腫れてるじゃないの」
(…。)
母が手をかざす。
「レイ目をつぶりなさい。
癒しの光よ、傷を包み、命を満たせ」(冗談はよせよ ,,,,,)
『ヒール・セレスティア』
緑の光が目に差し込む確かに今、今手から何かが出た。
次の瞬間、頭から感じる痛みは自然と感じなくなった。
え?今、何が起きた? 痛みが――消えた。
父がドアを開けて
「レイどうしんだい?」
「…あなた!レイったら…,,,,,。」
頭を触っても、さっきまでの腫れはまるでなかった。 鼓動が揺れる。
(魔法……?)
一年もこの世界にいて、俺は魔法の存在に気づいていなかったのか。 まさか……。
落ちてきた本が、ふと開いていた。
そこには、魔法陣のような図が描かれていた。
目の前には剣もある今までで見たことがないような…,,,
(どこかで見たような,,,,,)
鼓動が揺れた。
「レイ?魔法に興味があるの?」
(ま、ほう……)
「ソフィア、何を言ってるんだい?レイは立派な剣士になるんだよ。なんたってこの子は、我がアストレア家の継承者になるんじゃないか。」
「レイ、魔法に興味があるのかい?」
(剣士……?)
「あなたったらすぐに剣士にしようとするんだから。もう!…この子の意思に任せましょう」
「あぁ、そうだな。まだ早すぎたよ、レイには。あっはは」
「たぃ…」(まだしゃべれない,,,)
二人は微笑みながら話している。
(まじか……)
これを望んでいたのもある。 魔法と剣――ファンタジーの世界みたいだ。
一つだけ、はっきり言える。
前世みたいにはならない。 だって、こんなにも心が躍る世界は……なかったのだから。
ここに来て、何度か考えたことがある。 俺は、ここで何をしたい? 何を求める?
死に際、俺は決めたはずだ。 知っているだろう。
俺は、他の人みたいに自分のことがよくわからない。 でも――それでも、傷ついてきたからこそ、 俺は人一倍、生きるつらさを知っている。
そして、自分のことを知らないってことも知っている。
だからこそ、言える。
「がんばろう……もう一度」
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男(???) 「あぁまたか,,,なぜこんな選択をしたん だ。」
(男(???))(お前が望んだ世界だろう○○○○?お前 が見る世界なのだろう?)
「(何もない世界、レイまだ知らないんだよお前は何 が正しいのか。)」
レイ。君の見る世界は何なの?何を望む?




