白百合に変身切望
「ソレイュ…デュッティ〜したいんだけど。私の知り合いが困っていて…。
知り合いのノゥジェルドがね、「周りが羨むほどのノゥジェルド」だったのに。
アル男に招待された次の朝に、フラレンスは…出て行ってしまったんだ。
ソノ男は女好きらしくて、薄黒い噂はあるらしいけど、いまいち決定的なものがないらしいんだ。」
「いいぜ!なんか気の毒だ。」
ーーッ⁈安請け合いしやがって‼︎
ん?
なんか見比べられてる?
「いいだぉろ?モア?…駄目、か?」
「…うん。ソレイュ、イグニス役にぴったりだね!モアには、似合いそうなカァドがあるよ!」
!?
「わァ!やりてぇ!面白そう!!俺!イグニス役やる!!」
ーーはァ⁈
え?お前もくるの?
「当たり前だろ。ノゥジェルドにはイグニス役が必要…だろ!?」
お前、ちゃんとできてる⁈
ーー失敗してみろ‼︎めんどくさい事になったら、どうする。
別に、ソレイュじゃなくても黙って言う事を聞いてくれれば、誰でもいい。
店は?
「休みって事で閉めて行くさ!」
素性は?
「私の遠縁って事にしよう。
噂もバラ撒いちゃうよっ!パァっと派手にね!!美人のフラレンスがいるって!」
ちゃんと正体隠して、受け答え出来る?!
「その場に合わせるなら、店で慣れてっから!」
本当に??
「心配ない。心配ない。」
ーーソレイュがすっかりやる気になってしまった…。
ダントンもやる気になってるし、逃げられない。
「ソレイュからモアに送られてくる手紙の多さ聞いて確信したんだ!モアならきっとなんとかしてくれるって!!」
「モア〜!!」
「「お願ぁぁあい!!」」
ーーはぁ。
わかった。
「やったぁ!!俺、頑張っていいイグニス役やるぞぉ!!」
「じゃあ。モア、コレ。」
話が済んだなら帰る。
「モア、もう帰っちまうのか?」
あぁ。
ーーダントンからの手紙。
その男は、バロンナィル。この圀では高い権威を持ってるらしい。
薄黒い噂って言うのは、その男が夜会に綺麗な妻を持つ夫婦を招待し、妻の貞操を奪ってしまう…らしい。
定かではない噂に、その男より下の権威しか持ち合わせていない男達から恐れられてるらしい。
ーーそれを調べろって事か…。
どうする?
夜こっそり、現場を確認するか?
「おう。モア!!お誘いが来たぞ!!」
ーー顔を煌めかせてソレイュが招待状をはためかせてる。
3日で招待状が届いた。
はやっ‼︎
「スヮリィは今日を入れて、7日後。それまでにソレイュには、立派なェトヮンティになって貰うよ。た た き こ む か ら。」
ーーダントンの最後の一言、迫力がすごい。
こうなったら完璧な夫役を目指してもらう。
「は、はぃ。」
ーーソレイュの顔から煌めきが消えた。