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愛情過多


33


ーー誰かが踵を鳴らして入ってきた。

?!

「…マ、マゼンダ!久しぶりだなぁ〜…。」

「サリュ〜!ソレイュ!!ずっと忙しかったの!!全然時間が開かなくって…。

ソレイュも会いたかったでしょ〜?」

「ァハ、ハハ。」

ーー隣りに座った?

あぁ、ソレイュを特等席で見る為か。

こっちに絡んで来ないなら、なんでもいい。

「ソレでね〜ソノお客さんがマリアジァしないかぁ?って言うの〜!」

「ふ〜ん。大変なんだなぁ。」

ーーえ。

聴き流してる?

全く話を聞いてない。

「あの」ソレイュが⁈

「誰かさんが、早くあたしをシェリィと呼んでくれないかしら…。」

「…い、いつかそうなるといいなぁ…。」

「あ!今日もお菓子を作ってみたの!」


「今日はね!サブレィを作ってみたの!!ソレイュ、味…見て?」

「ぁ…あぁ、うん!」

「どぉ?」

「んん!!悪くない…悪くないけどな…何かが足りない…。

なんだろうなぁ…うぅん…。」

「もぉうっ…ブロンジェでしょ!?しっかりしてよ!」


「ねぇ?じゃあ、あなたも食べてみて!!」

ーーこっちに話を振って来た‼︎

でも、この女はソレイュに夢中みたいだし…。

 …別に普通。

→→→♥︎

「そう言えば、あなた初めてね!なんて名前?」

 モア。

「ゴロゥプは、何してるの?」

 探偵。

「そうなの?かっこいい!!何歳なの?」

ーーあれ⁇

ソレイュ入ってこないな?

いつもは頼んでもないのに入って来てた様な…?

 25。

ーーまぁ、いいや。適当に答えとこ…。

「同い年ね!何もない日は何してるの?」

 本を読んでるかな。

「へぇ!!どんな本読んでるの?」

 物語。

「本が好きなの?面白い?」

 まだわからない。

「何してる時が楽しい??」

さぁ、何が楽しいかな。

ーー質問攻めにされてしまった。

女はやけに楽しそうだ。

くいっとワインを飲み干す。

「ふふふっ!!

ァビエント!

モア、ソレイュ!またお菓子味見してネ!」

「ァ、ァビエント〜…。」


「モア!!お前、絶対。

標的にされたぞ!」

ーーソレイュがどう言う意味で言っているのかわからない。

「マゼンダのお菓子はな!

……。

ある時は、甘い煉瓦をかじっている様で、ある時は、甘い粘土の様で、今日のは、甘い砂の塊の様だった。

うあぁあ!!

俺が、味見してやるよ〜とか気軽に言わなければ…。

なんで、モアは表情1つ変えず食べられるんだよっ?!信じられねぇ!

でも、これからは…モアも大変だぞ!

感想捻り出すのっ!」

 そう。

ーーふぅん。


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