(13)まさかここで。聖騎士団長早くも死ぬの?
(13)まさかここで。聖騎士団長早くも死ぬの?
ウァイトとジュピターは
ブラッフロー丘陵の小高い丘を登り始めて
すぐに気がつく。
向こう側にいるのはライトと
禍々しいオーラの持ち主がいることを。
「団長、鬼人族長のオーラが想像よりも
強うございます。一度退かれますか」
ジュピターはウァイトに確認をする。
「いや、特殊なオーラだが鬼人族の族長トリチを
この目で見ておきたい。
どれほどのものか確認しておきたい」
「かしこまりました。
では危険と感じられたら即座に撤退をしてください。
防衛魔法で時間を稼ぎます」
丘の頂上に辿り着く。
ウァイトとジュピターはライトと
もう1人の禍々しいオーラを放つ鬼人族長トリチを
確認する。
「あの聖力の高い方を殺せば良いのだな。
もうすでに美味な馳走だな。素晴らしいぞ」
ニケはライトに声をかける。
「その通りだ。あいつは想像以上に力を秘めている。
しくじることはないな?」
「なめるな!小僧。
わたしの手に負えぬはセラフィムぐらいだ」
「安心した」
ライトはそれだけを答える。
ライトとニケは会話を中断し、
ウァイトとジュピターが目の前に到着するのを待つ。
双方が見つめ合う。
口火を切ったのはウァイトだった。
「その隣にいるのが鬼人族のトリチか。」
「違う」
ニケは一言だけ応えるとオーラを解放する。
オーラの質が変わったことを
ウァイトとジュピターは肌で感じる。
と同時にジュピターは即座に防衛魔法を展開する。
ニケはオーラの解放と共に
そのオーラでウァイトを包み込もうとする。
ウァイトは死ぬことを直感する。
と同時に大天使サリエルの召喚を行う。
さらにディーナシーにて各師団長に思念伝達を行う。
「即座に撤退」
ウァイトはニケのオーラにより
聖気を抜かれ息を引き取る。
ニケの攻撃に対して
ジュピターの防衛魔法は意味を全くなさなかった。
「想像以上に私の魔力が奪われるものだな。
馳走だった。こんなにいい思いができるとは」
そう言い残して大気の歪みからニケは消え去る。
ジュピターは思念伝達を聴き
即座にウァイトの身体を抱えて撤退を試みる。
「雑魚はここで死ね」
とライトは千載一遇のチャンスとばかりに
ジュピターに闇の魔法を最大火力で仕掛ける。
「これまでか」
ジュピターは思う。
「跡形もなく消し去ってやったわ」
ライトは声をあげる。
攻撃を受けたジュピターの身体は聖なるオーラに
護られておりダメージを受けていなかった。
守護天使である大天使サリエルの召喚により、
聖騎士は一つの傷もつかない状態になっていた。
ジュピターは団長に感謝するとともに
団長の指示通り撤退を開始する。
「くそっ!
最後の最後になんて力を隠してやがったんだ。
ウァイトのやつは」
ライトは鬼の形相となる。
「これでは師団長どころか聖騎士も殺せやしない」
「まあ、いい。次は勝ち戦になる。
それまではお預けとしよう」
ライトはこの場での殺戮をやめとした。
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