第十七話 王都バルディオまでの道中
「だから今は鳴らさないでくださいよ姫様、俺ここに居ますって
先程から見てますって」と言うが楽しそうに姫は鐘を鳴らす、
相当気に入ったらしく手を鎖から話す気がない様子だった、
基本、馬車旅なのでかなりゆっくりの移動だ、
だが歩くよりは疲れず移動でき伊達が馬たちの餌を収納してくれている
お陰で安全な旅が出来てた先頭側の装甲馬車は基本的には
戦闘指揮するための車両だが現在その中で忙しいと言う理由で
議長となった三河らが乗って様々な計画の立案や実行命令を出すなど
様々な書類仕事が続いていた基本偉い人等を乗せる計画で用いる予定だったが
既に計画は破綻してた何せ内部では何処で補給するとか、
何を売って何を買うとか様々な計画や会議決済などが秒単位で進んでいた、
というのも俺も先程まで居たからだ、だが今はこの姫様という御仁が、
鐘を鳴らし続けるので俺が仕方がなく来て説得してる状況だった。
「ねえ、姫様?聞いていますか?鐘を鳴らすのを止めてくださいませ~
聞いてます?」
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(姫様ターン)
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(ふふふ、いいの、今はすごく楽しい何がここまで私を喜ばせているってそりゃ、
彼が関わるまでは酷い匂いが充満して、真っ暗な木製の箱馬車で、
硬い床に這いつくばってた生活、それが全てだっただけど、
食事も豆と芋や硬い古パンとかだったが彼と出会って空気入れとか言う
天井に四角い小さいが穴が空いて、次は室内が掃除され始め、
石鹸で馬車内が綺麗になったがそれは生きるための最低限と言うと
呪われなくなり外で歩く練習と言って外に出ることも
出来るようになった、そして次はおいしい食事も出るようになった、
新鮮な(歪な形状)野菜に~ごちゃまぜだが卵も付いて~、
出来たてのパンを千切ったもの(パンの耳)も付いてきた
まあ見た目は酷かったけど、呪われるのを避けるためだって分かってたし~
美味しくてびっくり!、そして今度はカビ対策という変な匂いが消える
色を塗ってくれたそして今はサスペンションとか言う揺れも無い、
両横に窓が有って光が入り明るいし部屋の中も藁の代わりに綿の寝具と
クッションまである更に清潔な服と寝台は座り心地も良いトイレも
蓋付きで水式とかで臭わないし足音が出ない馬車だからってこんな
鐘まで付いてる所に変えてくれた彼は私の救世主だ)
「フンフン~」と鎖を引くと鐘が2回鳴る。
「姫様辞めてください、次鳴らしたら本気で怒りますよ罰で食事抜きにしますよ」
と言われたので仕方がなくこの楽しい鎖を引くのを止めた~。
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と、こうして俺は食事抜きと言う緊急事態の時用に取っておいた
必殺のセリフで何とか姫様を静止させる事に成功した、
まあ俺は何とか姫の暴走を止めるとことが出来たようだ、
しかし次馬車が止まったら修理班と一部機構を変更して
置く必要があるかも知れないと思う、
それにしても、なぜ姫の呪いがこの馬車では発動しないのだろうか?、
それが不思議で為らない企画立案・設計は俺と伊織で、
作ったのはドワーフだしかもこの当たりの鍛冶仕事では
トップ中のトップであるオグ爺が入ってる集団の作りだ、
オグ爺本人も面白がって参加してると聞く特段何か魔術的な物が
あるとかは無いし一応ここに姫様に入って貰う前にルイ・ジャンが、
ホーリーデスペルを1回掛けて見たが特段問題なく、
姫には乗って貰っただけだった、一応毎日かける予定ではあるが
まだ結論は出てない一応不思議な違和感が消えてしまって呪いが
発動しても怖いし検討中だそんな状況だったが、
俺達傭兵団(仮)の現実は非情だった喰って行くためには働かねばならず、
一応契約で姫関連はお金が出てるだがそれ以外での出費分ををいかに多く
自分たち分を得るかを考える為に俺含め様々な方面から人材を用意して
様々な企画や計画をしていたら急に姫様が後ろの馬車で鐘を鳴らし始めたので、
結局担当の俺が行く羽目になった訳だ、
どうやら姫様は俺の買ったかゆみ止めが気に入ったらしく使ってるらしく、
無くなってるとナターシャは言うし、例のオールインワンシャンプーと
リンスも凄く気に入ったらしい更に水での体を洗う際も床を洗うブラシと言って、
購入して置いた体を洗うブラシを持たせたがそれで軽く体を擦って
清潔になったらしいしナターシャも凄い綺麗な髪質に変わった、
髪だけなら王女級だろう煌めく金髪になってる、
無計画に毎日のように使ってしまってるらしくもう後残りが少ないらしい、
会う都度欲しいと強請られるが、そこは無視だ諦めてもらおう、
所でこのシャンプーだが、どうしたかって言うとどっかの白ジャージの
バカが転移時に何故か小物入れを腹に隠し持ってて、
それを村で使うところが目撃されて、
一気に話が広がり、皆に没収されそれを石田さんが大量に増やして、
高級な瓶に入れ替えてって訳だあの日の目撃から没収まで、
たったの3分とか女子のフットワークとネットワーク超こええ、
という訳で、このシャンプー類を持ってたのはあの教師山田だった、
出したのは連れて行かれる直前頃俺が周辺の資源探査に出る2日前位だったか、
恐らくはこっちで何回か既に使いまくったらしくかなり使った後の発見で
有ったらしい、そしてそのオールインワンシャンプーと
リンスの残りを三河らが密かに独自の加工して男物を女性の好きな香りを着けて
やっと再登場するまで全女性陣がじっと我慢した一品だ、
何せ複製できる石田が現れるまでは、たった数グラムを全員が、
【いつかこれを増やすか同じものを作るときまで取っておく】
と期待を込めて保管して待っていたし増やしてシャーラスの様々な
材料を使って品質改良したりそれはすごい大変だったらしい、
それを行ったのは三河のいる手芸部以下女子部系列で三河曰く
周辺諸国に今工作中の一品らしいと急に「ピー」と笛の音がする、
単発での笛の音色は【警戒】だそして馬車は通常の速度から徐行する
速度までマニュアル通りスピードを緩め俺はそこで馬車を出て急いで
待機してた警戒してる今日の当番の班長聞く。
「何か有ったか?」と聞くと警戒してた今日の当番の班長が、
俺に双眼鏡を渡しながら言う。
「あ、あのですね、この先の道に複数の武装集団がいます一塊ではなく
複数の小集団ぽいですね」と今一良く分からない報告が入る。
「俺にも見せてくれ」と言って俺も見て見たが、
どうやら盗賊団より見た目の良い武装をしてるが何故かまとまりがない、
白い鎧や甲冑と言ったやけに目立つ物を着てる集団や黒、茶等、
まとまりが無い集団だった。
「ちょっと言って聞いてくる、矢掛けに注意して待機だ」
「了解です、総員警戒~い、佐藤が聞きに言ってる~矢に注意~」
と当番の班長の生徒はしっかり座学で教えた通り要点を間隔を開けて言うと、
言う言い方を実行して周囲に大声で言ってくれている良いことだ、
非常に助かるがやはりまだまだだろう、
そして俺は駆け足で先頭の馬の先に走り出て大声で言った。
「こちらは傭兵集団高地高校の者だ、
べルネアル王国の名により王都に向かっている、それを制するお前らは誰か!、
事と次第では容赦せん、返答はいかに?」と口上を言うが、
(これって一番昔だとあの国のデブった奴にも言われた言い方で、
何かこの世界に少し馴染んだようで嫌だったが仕方ないかな)
と思った瞬間だった返答が来る。
「わ、我々は商人ギルドに言って聞かんから直接来た借金取りだ、
お前らの所にいる奴らの中で我々に借金してる奴が居るから取りに来たんだ」
と言うどうやら金貸しの集団が複数集まって着たらしい、
おそらくは着てる鎧等は飾りとして持ってた物を急遽持ち出してきた感じだろう、
無駄に光ってるし、「で誰と誰だ名前と金額を言ってくれ返せるなら俺達が
取り立てて払うように指示するこっちも借金してる奴が仲間ってのも恥ずかしいしな」
と言うと、「おお」とか、「払ってくれるってよ」と言うのが聞こえる。
「ええと、ヤダーマ 金1500ロン、タシーカ 金2300ロン~」
と言い続ける金とは金貨つまり十万単位だ1500なら15万円となる計算だ、
俺は警戒で出てきた各部隊の副隊長となった奴らと
ゆっくり近づき発言してる男に聞く。
「なあ、人相書きとか無いのか?ヤダーマとか言われてもそれっぽい名前だが、
たぶん人違いだぞ」「そ、そんな事は知らんほらこれが証文だ」
と言って出してきた証文は綺麗なこっちの文字で書かれている、
「こりゃ偽物だな」と俺達が言うが、「本物だって」と反論する借金取りたち。
「俺達の中でココまで綺麗な大陸文字が書けるやつは居ないぞ、
しかもこの押印してる紋章はなんだ?ウチの団の紋章とは似ても似つかん別物じゃないか」
「え?」「だから、ウチらは別の国の傭兵団だから此所の母国語やこの周辺の国の
紋章じゃ無いし、そもそも個人が騎士団の紋章使うような物だぞ、
変だと思わないのか?偽物だ全部なお前ら残念だが誰かに騙されてるんだよ、帰れ帰れ」
というと証文と言うのをよく見た借金取りはじっくり考えた後。
「くっそ騙された、彼奴傭兵団の方から着たとか言いやがってやられた、
帰って直ぐに奴を探すぞ」そう言って小集団の集まりは馬車に乗って帰って言った。
「【~の方から来た】って言う詐欺師この世界では、まだ居るんだな」
と俺がぼそっと言うと、「だよなバカじゃねえの」
と言う奴も居るが大半は借金取りの方を少し心配する奴らばかりだった、
それから2日走ったが出るわ出るわ、盗賊や何故か価格詐欺する
謎の薬を売る露天商が誰も居ない横断道路の脇で一人ポツンと
店を出してたりまあ普通に通過したけど。
「と言うかどう見ても小物が湧き過ぎだろう、
しかも魔獣じゃなく商人や貸し金融の人たちだし」
「ああ凄く滑稽で地味だが凄く嫌な攻撃に感じる」
「今まで聞き出した金額を総合すると、総額で白金貨30枚は行きます
日本円で30億円規模の詐欺ですよ到底信じられません、
おそらくは偽の証文を格安で売ってる詐欺師的な攻撃だと思われます」
と書記の山志田くんが凄い笑顔で言ってる、そりゃあねえ、
一番質問が行くのは金銭を管理してる書記だしね、怒ってて当然だろうなあ、
それに毎日夕方から夜には連日の魔獣が出没する事態で俺達戦闘組も
少し苛立って居た何せ普通こんな街と王都をつなぐ道なんて
頻繁に馬車や人が移動してるから普通出ない様な大型種の魔獣が毎日攻撃してくるし、
しかも夜だけだ日中はウサギ程度しか出てこないから
間違いなく嫌がらせだろうと俺達はある決断をした。
6人からなる班を2つ用意して先に王都に向かって一気に馬で駆けて貰った、
また幾ら馬車が有ってもそこは60人規模の大集団だ簡単には移動できない、
今はシャーラスから歩いて20キロ範囲だし馬で駆ければ数日で戻れる範囲だ、
俺達の移動速度は歩きがが多いので時速5キロがいい所、
緊急と成ればもう少し早くはなるが疲労が酷い事になるだろうし、
まあそれでも毎日の魔獣の攻撃というのも悪い面ばかりでは無かった、
そう【肉】と【魔石】だ毎夜1~3個は魔石が取れ肉は戦闘組の腹に入っていく
冷蔵庫いらずで、楽といえば楽だし最近じゃあ「命が」とか「可愛そうと」
言ってた筈の女子が率先して魔獣が出れば「肉が来たから準備しよう」
と言う始末だ変わる時は一気に変わるね、
そしてある夜、「ピッピッピッーーー」と警笛が3連で鳴り。
それは緊急を意味するこれは姫様のと同じ仕組みで俺達の中では
非常にわかりやすいと受け入れられた方式だったと大声で。
「魔獣だ、数4内大型1かなり大きい中止されたし」
と最近じゃ毎日の事なのでこういった伝令の良い訓練になってて、
既に伝令する係や間の伝令官と言う役職が着いた学生も、
的確に小走りで伝えるのが上手くなってるそういう面では敵さんに感謝だ、
と思ってたら急に伝令官が来た、
「佐藤さん、敵魔獣の1匹がかなりデカイのです対応をお願いします」
「分かった、なあ、姫様は帰ってるか?」「ええ、もう既に」と言ってくれた、
と言われ直ぐに魔獣に対処最近は剣を使っての撃退も慣れて来て
剣技も多少だが実戦で使えたこうやって夜は魔獣が出るので
姫様には夕方歩く練習をしてもらっていたそして最近は外も鬱蒼とした
荒れ地になってきたので裸足で歩くのはもう無理だろうという話になった、
だからといって汚かったり壊れてるブーツとか履かせるのも、
転んだり危険だろうと言うことで検討した結果、
汚いダサいと言う観点で見たら汚いブーツだろうがそれは却下され、
見すぼらしい方向で行くと言う結論が出た、それが草履だった、
靴が入ってくるまでの日本人愛用の品といえば超高級から雑多な物まであるし、
色が草木で汚れていれば良いだろうと手芸部謹製の藁草履を履かせたら、
いきなり姫様馬車から走り出た、流石に俺達もこの行動には焦ったが、
行動範囲が妙に狭く、狭い場所での生活が長いせいだろうと皆嘆いた、
だって6畳程度の範囲をグルグル走る感じで回ってるんだ、
そりゃ広い場所でそれを見たら誰だって悲しくなる、だが、
こうして姫様がある程度走れる程には健康だと認識した俺達だったが、
そこは長期間閉鎖空間での生活者だけ有って1分と経たずにダウン、
肩で息をして馬車に戻っていった、ヤンチャがすぎると俺は思った。
「あの、あっちの魔獣がなんか様子が可怪しいから呼んで来いって」
と装備を外そうとしてたら、また来たと伝令に呼ばれて急いで行くと、
警戒組が4人でAKで狙ったまま待機してたそこには倒れてる
狼風の魔獣が4匹と一回り大きいのが1匹だけちょこんと犬座りしてる、
そしてデカイのが1匹、俺の事をじっと見てるといきなり。
「ウォーーン」と吠えると後ろからソレは出てきた、
気配さえ消してた存在が急に現れた。
「っと?」俺が言葉に為らない事態に俺と今回の警戒班員達は息を呑むと、
それは現れた、黒くて頭が3つ有る大きな犬だった
ケルベロスだった、
よく見ればあの時俺が攻撃してた奴だ、肩に銃弾の跡が残ってる、
まあ肉が盛り上がって治癒して跡だけが残ってるが、
銃傷なんて持ってるのは確実にあの時の個体だと思った瞬間、
ドサっと何か光る人っぽい何かを咥えてた口から離して地面に置くと、
「オン」と軽く吠えると俺を1睨みして、先程の狼を連れてのそのそと
去っていった、「おい、お前は一体?」
とケルベロスが離した相手に意識の確認の為に声をかけると。
「うう」と呻いた跡意識を取り戻し周囲を見渡し俺達が警戒で
銃を向けてると気がついた途端「すすまねえ、頼まれてさ」
と不思議なことをいうのでよく見ればその人は魔術師ギルドの
登録章の鉄の板をぶら下げていた魔術師ギルドは、
基本道路工事や家屋の修繕など民間の建築とかに関わるような
魔法を使う集団の斡旋をするギルドだ日本のハローワーク的な
魔術師専門のギルドで魔術が使えれば誰でもなれるが、
こんな街でもない所でそんな登録書持ってる不審者に俺は声を掛けた、
「ソレは一体どう言う事かな~お兄さんの事が聞きたいなあ」
「え、あの」とお兄さんは驚いてる「言えや!こらっ」
と穏やかな話し合いの結果言葉を濁したが聞き出した、彼の話では、
前金が金貨2枚つまり2万円で俺達の妨害を夜間する仕事らしい、
成功すれば後金で3枚貰えるそうだそしてその仕事はテイマー限定で、
王都までの街道を進む傭兵団への妨害行為で裏仕事らしいと聞いたが、
応募していまここに居るらしいちなみにこのお兄さん以外のテイマーも
多数失敗しててこの周辺の魔獣がかなり殺気立ってると言う話だ、
この兄さんのティムしてる魔獣は狼でシルバーウルフ、
先程警戒組が倒した4匹だという話だったので、
俺は一時夜間で止まってた指揮車両である装甲馬車横で、
鍋をつついてる三河に一通り話して言った、
「なあ、さっき出てきたケルベロスだがどうも俺達を監視してるか
狙ってるのかとにかくこの辺うろついててかなり危険だ、
そのため俺達はこの当たりのテイマーを一掃したいんだが、
三ツ矢たちに協力してもらえねえかな?」
「今は無理ね、彼らには別の仕事で出てもらってるから居ないし、
そっちで何とか出来ない?」と三河が鍋をかき混ぜながら言ってくる、
「そりゃ出来るが穏便には行かなくなるぞ」
「構いません、時期的にも派手にやっちゃってくださいな」
と三河がにっこり笑って言う。
「まあ良いか、」と俺はその裏を諦めて、「という話でな派手にやる、
各部隊は班単位で集結させて一時再編してテイマー狩りをするぞ」
「分かった」「鳥の狩りより楽みたいだし良いよ」など全員が簡単だろうし、
良いと言う話で決着が着いた。
「ああそれとだが、魔獣は襲って来ない限りこっちから今日は撃たない事、
正当防衛以外で魔獣狩りはしない事にしてくれどうも向うも困ってるみたいだ」
「困ってる?」「まあな、もう一度言うが狩りはしないで襲われるまでは正当防衛で」
「了解、」とこんな話で傭兵団が次第に6人1組で班を結成して
馬車を中心に放射線上に広がるように散って行く。
「おい、辰巳、これは一体どういう事だ?」とルイジャンが聞いて来るので。
「ああこの辺に根城を作ったか加勢したのか知らないが、
例のケルベロスが出てな、
俺達への嫌がらせ攻撃してた魔獣を操ってたテイマーを1人連れてきて、
真相を話させる切っ掛けをくれてな、今からテイマー狩りをすることになった」
と言った瞬間。
「パ~~ン」と遠くで単発の銃声がした、
音からしてライフル系だろうから狩りに行った中で持ってた
モシン・ナガンだろうAKならもっと甲高い音だ。
「まあどっかで金ばらまいて俺達への妨害をしてる詐欺師が居るらしい、
特徴は金貸しから俺達傭兵団の名前っぽい名前を使って偽の紋章で金を借りて、
その金での妨害らしい面倒この上ないよ」
「そうか、ココ最近の嫌がらせの原因狩りか、なら良いだろう」
「いや末端だから捕まえてもねえ使えないテイマーが増えるだけだし」
「では主犯をどうにかするしか無いと?」
「主犯はその詐欺師の上に誰か居るだろうが王都に着くまで、
情報が手に入らないだろう?」
「面倒だな」「そうだな~こっちは肉と魔石がわんさか手に入って良いんだが、
魔獣側からも迷惑だと言われるとね、こうなる訳だ」
と言ってる間に周囲で
「パン」「パン」「パン」とあちこちで狙撃音が鳴り響く、
「佐藤さ~ん、全班が周囲1キロ内で居たテイマーで、
不審な人物に声掛けしたら逃げたの2名、反撃5で5人を取り押さえましたよ」
「じゃあ、後は俺が話すよ」
「じゃお願いします」と言ってしばらくして5人が連れてこられた、
「で、前金で金貨2枚の人って事でいいのかな?」と聞くと、
「チゲ~ヨ俺は前金5枚で請け負った注目株よ」と雑な感じの男と
「私は6枚よあんたとは違うの」と言い張る熟女風な女性がいて、
「フンバカな、俺は8枚だ」と無駄に筋肉を見せるマッチョが言い威張り
俺は察した、あ~こりゃ噂になってテイマーで請け負ってくれる奴が
居なくなって来たねそれで金額を上げたか?それでもやるってバカなの?
そもそも金貨で請け負ったて事は金貨の分だけ危険が有るって事だからね、
安易に手を出すからこうなる仕方がない、
噂で聞いた手だがが効くかな?取り敢えずやってみるか、
「さ~て皆さん、俺の手に有るのは何でしょう?」
といつも果物とかを切るのに使ってる普通の小型ナイフを見せる、
大量の武装してる俺れがいきなり普通のナイフを見せただけだが。
「いや~最近はテイマーの攻撃のお陰で撃退後のみんな解体の腕が上がる上がる、
さて、ココで質問、生きたまま解体されるとどうなるでしょう?」
というと5人一斉に震え上がった、
「あ、逃げても無駄だよ、この辺はテイマーが荒したから、
この周囲の森の主?であるケルベロスが見張ってるお陰で俺達は寝不足ってわけ、
さてどうしてくれようか」
と笑顔で言うと全員がプルプル震えて命ごいを始めた、
俺はそういう事をする気は無いので聞き役になってくれる生徒に
ソイツらを慰めつつ話を個別に聞き出してもらった、
昔の古い形式の質問方法所謂{良い警官・悪い警官}だ、
コレは古い映画で見て覚えた技だそして聞いた結果を三河に持っていった、
「という訳でこの辺りは一層したが予想通りどっかが妨害して来てきてるがどうする?、
今逆に詐欺師を奴らに探させるか雇った奴が逆に探せば必死で逃げると思うが?」
「お任せでお願いします、こっちは別件で大騒ぎなので」
「分かった」とやはり何か工作してるらしく忙しいらしいので俺の指示で話をする、
「と言う訳で逆に君等を雇った奴を探してくれれば後金として払われる
予定だった分を後で俺が変わって払おう、
しかし相手側に付くなら衛兵に言って奴隷コースだな、
この国で良かったな、労役で済むらしいぞ2~3年で終わるだろう?、
それとも日のささない奴隷の国で働く?運の良い事に帝国の爵位持ちも居るし
手配できるよ?」「いいえ滅相もない、」「はい、探します、」
「じゃ期間は2周間で結果は王都の憲兵事務所に伝えてね?」
「ハイです」「分かりました」と言って撃たれた片足を、
簡易の回復で表面だけ治って貰い、彼らは足を引きずって帰って言った、
まあ逃げ出してそのままコイツラが消えても別に良いんだが、
その辺は彼らしだいに任せる方法をとった、
その手には俺が書かせた、【WANTED】
「詐欺全般・テイマー詐欺師、条件、生きて話せること、賞金金貨100枚」
と書いた紙の束を持たせた、ちなみに発行元はタチーカ傭兵団の方とした、
まあ騙されても相手によるし一応だが傭兵団の中での俺の分配金として
金貨500枚は使えるらしい、なので万が一犯人が見つかっても
見付からなくても一応セーフとして、
(分配額でもあって最悪俺の個人的な【依頼】で話を通せるようにしたものだ、)
それを石田に大量複製してしてもらい1人に100枚の紙束を持たせて行かせたので、
しばらくすれば答えは出るだろうと思った何せ俺達が王都に付くまで
後2日だったからね、そして2日間何もなく楽に王都到着、…する筈もなく、
王都に到着すると入都審査の会場で急遽俺は憲兵に連れ出され、
入都の前に話となった。
「つまり君は君の指揮の元でこの尋ね人と書かれた犯罪者に
賞金を掛けてくれたわけだ」「ええまあそうですが」
「困るんだよ、幾ら我々の活動で街の治安は良いとは言ってもだ、
こんな金額の金貨を賞金で掛けられれば犯人が見つかってても
同じ条件の物は無理やり連れてこられる…ココにだ、
既に犯人と思しき者は6人程街のマフィアによって、
吊るされてウチに放り込まれて来たよ100枚も出していいのかね?
それと犯人を見つけてどうする?」
「そりゃ借金取りに渡しますよ」「はあ?」「まあ考えがあるので」
「まあ良いもう捕まったという事でイイかね」
「いいえそれは確認しないとなんとも言えませんね」「まだ集めるつもりか?」
「そりゃ探している人物でなければ居ないという判定になりますよ」
「とっとと全員連れていけ!」と憲兵に怒鳴られ、
一時的に借りた練兵場で俺は集められた賞金首候補と面談した、
6人は全員がくたびれた姿になってる、連れてきたマフィアの人たちに揉まれたらしい、
2人女性がいたが彼女らはどっちかと言うと叩かれた感じだった。
「で俺達の妨害をテイマーにさせてた主犯は誰?君たちはソイツの下っ端で、
話してまわってた使いの者だよネ」「はい」「そうです」
「主犯は…」と彼らは言い掛けたが、自分たちでも何故声が出ないらしく不思議そうに、
必死で話そうと口を動かすが声が出なかったらしい。
「~という訳ですルイ・ジャン」と俺は魔法的ななにかだろうと
判断してルイ・ジャンに即相談した結果、
「まあ、見てすぐ分かったがこれは人縛りの魔法だねよくある手法だね、
自分のことを知っても言わせない盟約魔法だ契約魔術も言う、
言葉や記憶を縛るんだがソレとはチョットだけ違うさてこう言うのはだ」
と言ってルイジャンが手をその男の頭にやると「パチン」
となにかが弾ける音がした「これでいいだろう、君の契約は切ったさあ犯人は誰だね」
「はい、主犯はこの国の貴族でマカライ匕子爵です」
「証拠は有るか?」と俺は聞き、「ハイ、契約した紙の半券がココに」
とやけにあっさり言うので「聞くがその子爵って人は手袋とかしてたかい?」
と俺は聞くと「いいえ素手でした」と言った瞬間。
傭兵団の仲間たちがざわめき皮手袋をした3人が出てきて
半券を紙袋に回収してしまう、一応指紋を確認できるかも?と言う考えでだ、
「それで、その男の顔は見てるか?」と聞くと、
「いいえ馬車から出てこなかったです、手だけ出してサインしてくれたので」
と見るがどう見てもただのギザギザの線を引き、
名前をごまかしたようだった、と急に後ろから三河が出てきて、
「はい、流石に金貨100枚は急で用意できなかったから、
同等の価値の緋金貨1枚でいいかしら」と赤い色の石が中央にはめ込まれた
金貨を出してきた、これは白金貨より2つ下のランクで白金貨共々使う人が
まず居ない貨幣だそうで。【溜まってるから持ってけ!】
とオグ爺らドワーフが代金として支払う時に白金貨と各半々で渡して来た物の一つだ、
連れてきたマフィアの代理人と名乗るヤクザな感じの、
ムキムキな男に囲まれてる男がやってきた。
「これは噂に名高い傭兵団の団長様、我々はただの市民です、
飽くまでも報酬のため協力しただけですがこの街のためなら
助力は惜しみませんよと平気で嘘を言ってくれたまあ貴族とか彼らも美味しいだろうなあ、
金銭的にも。
「そう、ありがとう私達も困ってたの今後も何かあればお声を掛けても良いかしら?」
「ええ是非」と言ってる、どうやら三河とここに居るマフィアの男と、
パイプが出来たようです、
と言うかお互いをお互いが使う気まんまんでしょこれ、
なんか上手く行き過ぎのような気もするが良いかな、と放置して、
「じゃあ後は任せるよ、俺は自分の持ち場で動くから」と手を降って帰った。
「という訳だ、ルイ・ジャン」「ああ、報告書は書けた、これを帝国へ」
「は」とルイジャンの家の人が手紙を出しに行った、
「なあこれって何処まで飛び火するかな?」
「何だ気にするのか?」と聞かれたので答える、
「恐らくこの国でその子爵は処分されるだろうがこの国が騒がしくなるのは
確実だ後はテイマー使ってるからテイマーが多い獣人の国
マッジュランド公国?、と魔獣絡みだから魔法の盛んなガリア教国?」
「ああ全部だな帝国は既に覚悟しているらしいマッジュランド公国は
君らの行い次第で決めるだろう?この国はどうしていいか迷ってて、
取り敢えず末端に手を出させて様子見といった所だろう各国の普通の手段だな」
「そうなるか~、今回はやり方がどうにも緩いと言うか攻撃的じゃなかった、
どちらかと言えば絡め手だったから逆に苛立ったけど予想内かな」
「そう言ってくれると色々教えたかいが有ると言うことだよ」
「一応教わったのは魔法だけなんだがなあ」と言いつつ馬車に戻った。




