第十四話 錬金の街シャーラスの内情
シャーラスに入場した我々は盗賊を町の衛兵団に引き渡し、
貴族と商人から規定通り契約した代金を貰ったのだが。
「いや、助かりましたぞ、ある意味すごく安心しました、我々はココで
数泊した後買える土産があれば買って帝国に戻りますので、
帝国に何かあればお越しください」
と多少残念そうだが、王女が生きてて良かったと安心してくれたらしかった、
と言うかこの帝国の騎士で長タジエルさんは面倒な帰りの警護や王女を連れて
帰らなくて良くなったのがかなり嬉しいらしく、
俺達がいない所で三河に助かった土産も買えると言って帰ったと後で聞いた。
また、代金の他に商人が持っていたナターシャの身元保証書なる
帝国発行の羊皮紙と帝国の発行してる正式な王女の移動をどの様な国でも、
各国は協力して欲しいと書かれた名前の部分が【王女】とだけ書かれた、
帝国公式文書の身元保証書が三河に預けられた騎士ルイジャンも分隊長から。
「よく頑張ってくれたな、今までは厳しくして済まなかった、
頑張れよ、ご家族にはよろしく言っておく、確か君には弟氏がいたな」
「はあ、弟はジジャンと言いまして」「そうかその方にもよろしく言っておこう」
と「まるで死地に向かわせられるような言い方だった」とその後彼は言って来た。
またそれを聞いてたホルヘ書生は震えてちょっと股間から水が漏れたらしい、
すぐに厠に走っていった、
ちなみに王女様が乗ってる箱馬車だが今は俺が担当だ、
なぜ?言い出したせい?、と俺はナターシャとルイジャンとで、
自分たちの立場や名前を話し合った後王女様について話合った。
「まず、話だが、王女様の体調だ、あの呪いから察したが、
【死なれては困るのでは?】と思ってる、
何せ疫病にかからない程度の行為は良いと来てるしね、
それで俺からなんだが、夜王女様を外に出して歩かせる事にする、
理由は弱りすぎて歩けなく成らないように、
ある程度、本当にある程度だが足腰を鍛える必要を感じた、君等はどう思う?、
ご本人が歩けず世話をするよりは良いと思わんか?」というと
「確かに」「姫様お労しい」「それは困ります…」と3人共納得してくれた。
「そこでナターシャとホルヘさんで見えないように、
黒い幕を持って外に出て歩く王女様の両隣を歩いて、
周囲から見えないようにしてください、
そこででルイ・ジャンさんが最後尾で幕の後ろを立ててください、
この案でどうです?」
と俺が周囲に見られず警護するならと幕を張る事を言うと。
「お前はどうするんだよ、何もしないのか?」と貴族のルッダ氏が
付けた書生ホルヘが文句を言う。
「馬車の中の清掃をします、貴方がやりますか?」
「う、」「本当は女性のナターシャさんにしてもらいたのですが、
まだ中の匂いと汚れが凄くてねえ」「あれはちょっと…」
と涙ぐむナターシャさん、(これは演技だろう)と俺は思いつつ
「まあ兵士とかでそういうのに慣れてる人がいれば~」
「俺はしっかり姫様を護衛しよう、」と気を替える騎士ルイ・ジャン。
「まあそういう訳で日中は半分寝てて休んでください、
これから2交代制にします、まず朝と昼はナターシャとホルヘさんで
夜は俺とルイジャンさんで対応をします、
何せ具合が悪くなるのって大抵夜ですしね後夜は物騒だし、
女性や戦闘経験のない書生の方はちょっとね、
まあそういう事でこの形でしばらく行きます、
では「はじめ、」」と言って俺は街の中の宿裏の馬房横に張った天幕に入って
寝ることにした、それを見たルイジャンも慌てて藁の上で
横になり頑張って?目をつぶっていた、
そして夜。「頑張ってるですな」「やあ伊織久しぶり」
「最近行き違いが多いですな」「ああそうだな、」
「頼まれてた桶とタワシと石鹸と辰巳の荷物と毛布とシーツですな、
石鹸は一番下のランクのと、赤い謎の石鹸なのですが安くて今人気ですな、
なんか独特の薬品が入ってて、凄く汚れが落ちるですな兵士や傭兵に各地で
人気だそうですな」「それって昔ソビエトで出回ったって噂の…」
「…まさかであるな、ただの偶然ですな」
「そうだよな、でこっちが普通の石鹸だな?」
「そうであるな、一番下級のであるな」と言うので助かる。
「後は各自で1人ずつ買いに出させるのが良いで有るな」
「ああそうしたいが人手が無ぇ」
「それなら明日衛兵所から捕まってる犯罪奴隷を借りると良いですな、」
「はあ?奴隷って居ないんじゃ無かったか?」
「そうであるな、この国は基本奴隷は法律上は居ないですな、
だが犯罪者は名称上は【労役】という形でこの間捕まえた元兵士の盗賊とか等は、
一定期間労働して労務で支払って出るであるなだから今は犯罪労役任務者が
居るであるな」
「ああ、オッサンらか」
「そうであるな、良ければ言っておきますな、
その間に買い物に出ればいいですな」「助かる伊織」「良いですな」
そうして俺はその日から伝説として語り継がれる
【王女の行進】と噂される事になる王女様の夜の歩く運動の初日を初めて行った、
後にこの行進を見た者が各地で噂して呪われた~とか、
気絶した、死んだ、とか尾鰭がついたがその程度で済んで良かったと思った程だ。
赤い石鹸は凄くよく汚れが落ちた、
天井を石鹸をつけたタワシで洗い桶の水をぶっかけて落とし、
最後は床を洗う、壁には王女が暇を持て余して書いたであろう
酷い文言が彫られてあったが、
そんな物と気にせず洗い湿気対策でわらをいつもの倍入れると、
トイレの穴を真剣に洗うがこの赤いのよく落ちると
思ったがそれは其処までだった、
全部の清掃が終わり帰ってきた王女を馬車に戻して寝てもらったが、
その後、赤い石鹸を使って3日目で俺の手が真っ赤に腫れ上がり
物も掴めない程酷くなった、まあその症状は他の生徒にも出たんだ、
で三河が使用中止して購入を一時止めて製造元に有志で殴り込むと、
其処の倉庫はカラだったそうだその倉庫には似たような症状が出た
人らが詰めかけてかなりの人だったそうだ、
そして衛兵が捜査に乗り出したという話だった。
「ということですな」「やっぱりじゃねえかソビエトで二次大戦時に
変な赤い石鹸が出回って凄く汚れが落ちたが有毒だったって話があったが、
あの噂の石鹸そっくりだ、もしかしてその時の製造方法が
こっちの世界で出回ってるのか?しかしだな問題は手が痛くない事でな、
神経が麻痺してるなら良いが死んでたら最悪だぞ、
戻るかどうかで今の俺は超怖いんだ」
「ですな、製造法がこっちで現役な可能性は否定できませんな、
今は回復魔法と空太のスキルが全回で回ってるそうですぞ」
「お前もあの噂本当だろうと昔言ってただろうよそれ知ってて買ってくるなよなぁ~」
「まあ、その程度で良かったじゃないかと思うですな」「お前は」
「これ今日の分の薬用アルコールと小分け用の小瓶4つですな、
やっと木田の手が空いてアルコールを分離してもらったですな後、
頼まれてた出来たてのパンですな」「お~」「ではではですな」
と行ってしまったが残されたパンのいい匂いに釣られて出てきた昼組と、
ルイ・ジャンさんでヒソヒソと話し合って馬車の物を入れる、
通称「食事口」にパンを入れ、
「ハハハ、これで中のものは夜も眠れないだろう、ざまあみろ」
と言いつつ俺たちは王女様に差し入れをして通常体制に戻った、
がその差し入れをした瞬間「ドンドン」と足音が2回した、
ココまで来てやっと俺はこの足音2回が「嬉しい」「はい」
など肯定することだと確信した。
時たま1回音がすることが有るのであれは嫌という
意味かとやっと理解した俺は大声で。
「今度から嫌ならもっと3回は叩いて欲しいな~1回なら聞き逃したりする
しなぁまあ、足が痛くなって更に辛い思いをするだろうがなぁ」
と俺が言う事に。
「そうか、そうだなそれは良い、痛がれば良いのだ」
横の騎士ルイジャンも納得して囃し立てる、すると、
「ドンドン」と足音が2回したそして2交代の成果が出てきた
3日目、
「さあ、今日はあれから3日めに入ります皆さん頑張って行きましょう、
今後は商人の方から出た委託契約により王女様関連で働くと、
関係者は毎日、危険手当が1ロン出るそうです、」と言うと。
「え?1ロン出るのですか?」とナターシャが言う、
「ああ、串焼きが2本買える額だがウチら対応班には出る決まりに
なったそうだ、小銭だが取っとくと良い、
ちなみに本人にも何故か支給されるらしい一応俺が預かる形だがな、
誰がこんな事考えたか知らんが、
王女様も使えない貨幣を前に悔しがれと言う意味だそうだ、
それを俺が使って王女様の欲しい物を買って
見せて悔しがらせても良いらしい」と言ううと。
「ドンドン」と足音が2回する、嬉しいらしい、
ちなみに1ロンは大体100円程度らしい、
そして3日目の夜初めての夜の運動が始まった。
いつもどおり黒い布が覆われ仮で借りてきた犯罪奴隷の
元兵士のオッサンらが怖がりながら幕を張る中でカンヌキが外され
王女様が出てきた相変わらず前髪も伸び放題で顔は見えない、
がだからといって髪は切るのは危険だと言うことで放置となっており
注意が必要だった何せ前が見ずらいし足元も危ないし
そして姫様が出てくると騎士ルイジャンが「ホーリーデスペル」と言うと、
多少だが空気がキレイになった気がした、
そして王女様が歩きに行ってる間に俺は箱馬車の中の
掃除を作業用の衣類などで固めた完全装備で行う、相変わらず呪いのせいか、
馬車内がかび臭く黒いカビっぽい物が覆ってるのをデッキブラシに
石鹸をつけた水で天井から洗うそして各種入れ替えをして終了だ。
まるで清掃員になった感じだがどうにも気に入らない、
この世界のリアル神である女神のしたいことが理解できないからだ、
美形好き逆のブサイクなどはこの世界では駄目なのか?とも考えるが、
確かに王女はきれいになれば、恐らくだが王女然という感じになるだろう、
何処の世界でも大体王族は美形が王族に好かれ血が入って、
結果美形の王族が多くなる筈だがなぜ美しいのが駄目なのか?、
そもそも呪が分からないリアル神のいる世界で女神がいる世界なのに、
呪はOK?悪魔の名称なども伝わってるし不明なことが多い、
美しい人好きな女神が支配する世界だから呪は逆に働くからなのだろうか?、
逆なのが不思議だと前から思っていたがやはり女神の嫉妬?かな~と考えつつ、
黒板とチョークの事を石板、白石とこの世界では呼ばれてる物を置いておくと、
昼の間に王女様が書いた要求が書かれているのを見ることになる、
この方式は昨日から始めたがうまく言ったらしい、
しっかりした文字が書かれていた、
どうやらかゆみ止めが欲しいらしい、たしかに今までの生活じゃあ、
垢とか劣悪な環境で皮膚炎になっても可笑しくないしね、うん、
ブラシと一緒に用意しておこうと文字を消し、また放置する、
そして空気の入れ替えのため外に出て開いている扉を見張って、
帰ってきた王女様を馬車に戻して終了だ。
とここで俺はやはり正直怒りが起きる、
だって人扱いされてないんだもの王女様、まるで動物園の動物扱いだ、
これは堪える、俺なら泣きはらして暮らすことになる筈だ、
本気で気に入らない。
そしてその日の昼、俺はやっとこの街の探索と買い物に出た、
色々作業が多くて街に入って3日も何も他の事が出来なかった、
それだけ現地の人等が呪を怖がって来てくれないので、
人手が足りずろくに出歩けない更に医学的知識が無いって事が
問題でもあった、
また黒ペンキを今元兵士たちが箱馬車に塗って全体の色を黒くしてる、
これは劣化防止の措置だ、
箱馬車が汚れで各所の木が腐って来ているので、これがまずい、
一応伊織や三河を通じて専用馬車の製造を依頼しているが
完成までかなり掛かるらしい、
今塗られてる黒いペンキはタール風な物でとある木を煮ると
出てくる油成分だそうで劣化防止と虫による腐食に良いらしい、
夜の内に王女様にも言ってあるし、
今後4日間は馬車の中を4つに区切って塗る計画で、
その間は其処の区画に入らないようにしてもらう計画だと説明した、
まあ臭かろうが黒かろうが馬車が腐るよりは良い、
何せ王女様はその馬車にしか今の所居場所がないのだから、
商人によるとこの馬車以外の馬車に入れると、
何故か周囲の者が苦しみ出し大騒ぎになるのだそう、
本当なのだろうか?だが今はわからないので
専用馬車が出来るのを待つ以外ない。
だが塗ってる犯罪奴隷さん達は液の匂いで辛そうだが、
嫌がっては居ないみたいに見えた、一応呪いの効果は出てないみたいだし、
と後をルイジャンにまかせて街に出る、今日は彼が昼担当だ、
そして街は驚きの連続だった。
錬金と聞いていた街だが、完全な精錬都市だった、つまり、
北の鉱山から入ってくる鉱石をここに集めて簡易の鉄鉱石まで加工して精錬し、
一部は元の要塞都市バグースに戻るらしい。
それ以外は各地の鍛冶屋まで様々な都市に送られるんだと聞いた、
そこかしこで煙りや湯気が出てて何となく熱気がすごい、
だが見ればドワーフは居ないホントに1人も居ないんだ、
恐らくドワーフが戦場直前に言って都市型の要塞を作ったのだろう、
きっと直に見ないと分からないとか言ったのでは?、
国境要塞バグースは多分そんな感じで出たのではないか?と俺は想像した、
そして色々見て歩くと、やっと目当ての薬屋を見つけて入る。「ちわ~」
「いらっしゃい、まあ見てってね何か入用為ら作れるものなら作るよ」
「では、かゆみ止めと炎症止めがあれば欲しいですが、
最近水仕事が多くて後は垢や何かを急に取ったせいか痒くて痒くて」
「ああ、水仕事って事は水自関係かねここ2~3日最近は何処も
そっち系が増えたしねえ、」「そっち系とは痒みですか?」
「いや、食事だよ飯屋が最近大繁盛してると聞くよ」
「ああ、たしかに良く量を多く食べますし、味も代わったのでは?」
「そういやそうだね、最近聞き慣れない食事が出回っってると聞くしね」
「まあ、そんな感じで手がね」「ハイよ作ってやるさね」
と一見老婆っぽい女性は奥の部屋に消えた、
なぜ一見と思ったかと言えば、手が異様にキレイだったからだ、
まるで20代くらいの手の綺麗さだった、
歳を取る内に自然にシワ・シミなどその人特有の形に変化するが、
それが少なかったので不思議だった、奥から戻ってきた老婆が瓶を見せて言う。
「この3つの瓶の内でどれが良いかね?」と大中小とサイズ違いの
素焼きの瓶を見せてくる。
「それじゃどちらも一番大きいので、結構使うと思うので、」
「あいよ、」と後ろのカウンターから、
ぬっと大きい瓶でラベルだけ違うのが2本出てきた。
「こっちの草色がかゆみ止めだよ、炎症止めはそっちの無地のだよ、
で2つで4000ロンだよ、うちは適正化だからね、値引きはしないよ」
「ええその値段でいいです」と支払いして商品を受け取り出る、
周囲を伺いながら歩くがやはり不自然な人がいるので、護衛か逆賊か、
と思う襲撃目的なら道を曲がったり何か変化する時が狙われやすく危険だ、
と思い急に道を曲がって後ろを見ると、
同じく曲がりつつ少し焦ってる人物が3人、見れば年配のヒゲの男性と
20代程度の女性と怪しげなローブの若者俺はその3人を無視した
まま買い物を続けたどうやら護衛らしかったからだ、
だってねえ灰色の服に黒の革ジャケット各種武装装備とくれば、
本出てるぐらいだしね襲われたらまず襲う相手の組織が立場悪くないるしね、
そして俺は護衛を確認したまま薬屋で聞いた通り飲食街に行った、
そして其処は大変な事になってました、
何しろここ数日暇してる訳にも行かないうちらは
剣や魔法の訓練漬けな学生に戻りこの国の憲兵に当たる兵士さん達の協力で
60人訓練している、また自主練習ではこの世界の知識や銃器の使い方
銃剣道など忙しいしやることが大量にある、
急に来た60人以上が朝昼晩と飲み食いすれば、
そこの街の飲食店は大繁盛、当然客を奪い合って様々な食事を提供する、
結果特に昼は大戦争だった。
…何でって俺ら傭兵だものココの軍隊が食事出してくれる訳無いし、
結果として街で食べる、しかもの大量に…、
そんな上客を相手と考えれば安くて美味い店は行かざる負えず、
結果、山積みの唐揚げを出してる酒場、大量の麺を茹でてる食堂、
大量のコロッケを作る商店などが店頭でどう見ても違法な店前に
テーブルっぽい板を置き木箱で椅子として店頭で食わせるスタイルなどが多く、
完全に飲食街は歩行者天国の違法版化してた、
だがそこには違和感があったそこで俺はゆっくり周囲を見渡しつつ
1軒の店に入った其処は酒場、本来なら夜営業で大人しか入れない場所な
はずだがやってるし雰囲気を見たくてつい入ったが、
中に入ってびっくり其処は何故か大食いチャレンジと賭博が行われていた、
まあ無視したけどね、
開いてるカウンターに言って今大人気と言われた揚げ物セットとか
言う物を頼むと出てきたのは、「はいよ~山盛りの揚げ肉・揚げ芋だよ!」
と言われて出てきた物はコロッケとカツレツの山だった、
それは熱々でハフハフ言いつつ食べながら獣人らしきウエイトレスさんに
飲み物1杯くださ~いと言うとやはり何処からかズドンと出てきた。
「はい薄エールですお客さん見た事無いけど、いつもの奴らと同じ所の人
ですよね、だから1杯200ロンです」と言う、
恐らく傭兵団化した俺達のことを言ってるんだろう、確かめるために確認する。
「ええとそれって?」「「「あの獣人好きの変態集団!」」」
とウエイトレスをやってる女性陣に声を揃えて言われた。
「まあ知識的な興味は~」「ほらやっぱり」と言われ誤魔化すために
ハハハと笑いつつ考えて見るとエールは1杯500ロンだ、
つまり酔う気のない客には酒のアルコールで殺菌した水的な
簡易の安全な飲み物を適正価格で出しているのだろう良いことだ、
この店は結構しっかりしてるなと思いつつ、
他の班の連中は彼女らに何をしたのかと言いたいが聞きたくもないので、
そのまま食って飲んで出ることにした、但し少し試して見たかったので、
今度は周囲をゆっくり見つつ。「お会計お願いします」
とぼそっと超小声で言うとやはり気づいた獣人のウエイトレスが来て。
「試すのは無しですよ~まあこれでも耳良いんで気づきましたけどね、
ウチラ本業は傭兵だから、からかうと怒りますよ後輩」と怒られた。
「すみません先輩、今まで何処から来るのかも判らず気になって」
というと笑いながら恐らく犬系の獣人の彼女は自身の腕を叩き、
「そりゃ経験の差だよ君、もっと訓練と実戦を積みなさ~い」
と笑って俺から代金を受け取って送り出してくれた、
だが俺にとってはショックだった。
たしかにAKや知識的な戦術は使えるし指揮できるが、
俺はやはり肉体的には酒場のウエイトレスをしてる傭兵さんにも
劣ると言うことだ鍛えなければと本気で実感した1日だった。
そして街を散策して回るとやはり多いのは鉱物屋だ、
珍しい石から高価なダイヤの原石までたくさんあった、
と歩いているとある店から伊織が出てきた、
店は鉱山から出たクズ石を売る店で珍しいのが出れば
当たりとかいう感じの雑な感じの店だった。
「よう、伊織」「辰巳でしたかね珍しいですな、さては初休みですかな」
「ああそうだが何してるんだ」「ええ私は少し材料探しですよ、
まあ中々揃いませんが」と言う聞けば分離が使える木田に手伝ってもらって、
鉱石の中から純粋なものを集めて居るんだそうで。
「まあ、うまく行けば純度百の剣とか作れますからね、まあ色々作って
試したいのとあの伝説を試したいと思ってまして」
と言う俺が理解できていないので伊織が言う。
「まあ辰巳の代わりですよ、後少しですな新しいのができれば一時的に伊織は…」
「まあそうかもしれないがが流石に全部は」と言うと
「時間がないのですな、正直皆んな最近やりたい放題で荒れいてるんですな、
さっさと戻って来てほしいんですけどな、今は我慢ですな」
「だな、すまん」「良いですな」そう言ってこれ以上は話せないと別れた、
理由は理解してる現場指揮を取ってた俺が急に政治的な形で王女のために、
仮のリーダー的立場から抜ければ当然部下と化してた仲間が
色々模索して結果が出ず荒れるこういう事は結構あるだろうし、
今がそうだっただから早く俺がが戻ればまだ間に合うのだが無理だった。
なんせ王女の機嫌を損ねかねないし既にしっかりした契約が有る、
そうなったらこの街がどうなるか?って事になるかも知れない、
だから王女様には自律的な行動が出来るまで安全になってもらうか、
俺の代わりのリーダーが出ればいい。
だから恐らくだが三河は何か行動してると言うか見ただけで分かる、
まずは食べ物だ街には日本の揚げ物などが溢れてた、
恐らくレシピを売ったか交換したかとにかく動いてる、
また物凄く、揚げ物類を食べる存在と化した同学年の奴らは、
今すごい勢いで訓練に明け暮れてるはずで、
俺も混ざりたいなぁと思っても立場が王女付きだし訓練する暇が…
有るなうん何とかなるかもって習う相手がいねえよ…、
特に剣術が…、あ~全くどうしたらと、
思ってたが考えて歩いていたら見たことの無い店が目に止まり、
俺は吸い寄せられる様にその店に飛び込んだ。
「魔石店ルッポ「シャーラス店」魔石店?」
「ええ家は魔石専門の店ですよ、他に王都にも店舗がありまして」
「へ~見ても?」「ええぜひ良いのが有れば買って頂きたいですね」
「へ~この奥にある黒いのは何?今までは赤青黄色と3色と白いのしか
見た事無いけどさぁ」「ああお客さん傭兵団のお方ですか?」
「え?そうだけど、なんで分かるの?」
「そりゃ属性知ってない次点でねえこの世界の普通の人なら知ってて
当然知らなくても多少はねえ」
(あ~属性とか有るのかこの世界って結構古いシステムっぽかったし盲点だった)
「それって風、水とか言うの?」
「え?お客さんホントに知らない?凄いな異世界人って」
「あ~違った?」「ええ違いますよ最近は知ってる人も出てきてるとか聞きますが、
全く知らない人はお客さんが初めてで」「教えて、簡単でいいからさ」
「まあ、僕も暇だし良いかな、この世界は6属性で動いてます、青の女神は空、
黄色の女神は地下って感じで、赤は生活全般の命、黒は逆の死とか闇とか、
で白は無何もないって奴で緑は混沌とか自然って意味ですよ、
基本はしっかりしてますが、信仰によって意味が結構違ってて、
まあ信仰が別だと魔法も別ですよ、あ、動きとかが多少違う事が、
出来たりとかするみたいです聞いた話だけどね」「へ~凄いな」
「まあ基本は女神様の属性だしね」
「じゃあこの黒いのは使うと死んじゃう奴とか出る系?」
「いえいえ呪いですよ呪う奴、って言っても呪いが使えない奴が持つと、
自分が逆に呪われるからそこのみたいに術者が買わない限り売れ残ってそのまま、
値段もその場での相場で決まることも多いしだからああやって売れ残りは奥って訳さ」
「へえ、じゃ、命の赤を大量に黒に付けたら勝てる?」
「無理無理呪いってのは奥が深すぎてそんな簡単じゃないって、
いい?、まず属性魔石は属性が一番強い魔獣や魔獣が死んだ時に、
血が集まって結晶化してできる、
そして地下とかで宝石とたまに同じ形で見つかったりする訳、
まあ地下で出来る宝石と一緒で地下で死んだ魔獣が結晶化して、
掘り出されて家に来るこの街で出た魔石はほぼ全部うちに来るさ、
だから傭兵団の兄ちゃんらは俺らのお得意様って奴なわけ、
今日も親父が売りに行ってる間俺が店番さ」
「じゃあ今度は憲兵の鍛錬場の横の黒の天幕に今度来てよ、
オレ其処の担当だからさ」「ええ~あの死の王女の!」
「いや普通だし、
オレ死んでねえだろ呪われてんねだろ?、噂が凄くなってるだけだって」
「いや父ちゃんが行くなって」
「あ~じゃあ無理なら父さんって人に今度何か売ってくれって
行っておいてくれるオレはまだ見方もわからないしさ」「ああ」
「じゃ」そう行ってオレは店を出たまあバツが悪かったって奴だ、
下手に嫌がられても嫌だしねえと街をぐるっと回ってたら、
武器屋を見つけて入るすると其処は如何にもな感じだった、
傭兵が結構いて武器を選んでるし修理部署では何とか直してくれって、
頼み込んでるが、あれはもう無理だろうだって剣を直せってねえ、
根本からつばを越えてて斜めに拳1個分ほど先まで斜めに
きれいに折れてるそれをその形のまま修理て溶接とか出来る
科学力合っても無理だって剣・刀は切るものだから当然、
力の加わる所が違う時が多い、それに耐えるから名剣とか名刀とがが出る。
違いって奴だろう、だがあれは溶接でくっつけても焼いて付けても脆くなって、
すぐ同じく割れるはずだ、だから作り直すしか無いし、
あれは結構安い剣だから溶かして打ち直した方が逆に安って奴だ、
現代なら新品で探すより中古で直した方が
安い的な遠回りしたほうが近い的な世界だ、
で其処で泣いてるのはいい大人だと俺は見飽きたので、
店の奥を見に行こうとすると修理依頼で来てた奴が何故かオレに、
話しかけて来た。
「なあ君、これを直せる人を知らないかい?」
「さあ、貴方がなぜ治そうとしてるのか理解できないので見てただけです」
と平然とした態度で奥に進もうとすると今度は店員が
「なあ、兄ちゃん直せねえって言ってくれや」
「だから私は理解できないから見てただけですし」と言って、
やっと奥に進めたがそこで止められた理由は槍を持った男が目の前で、
通るのを妨げてるからだ。「此処から先は違いが分かる奴だけだ」
「違いって何の違いですか」「ランクに決まってるだろお前バカか?」
「ランクって?」「ハハハランクも知らねえの」と笑ってるが知らない物は知らない。
「いや本当に知らないし、それにあんたココの店員?店の売り買いを妨害するって
税金の支払いに影響するから領主に捕まるぞ」と脅したら。
「ハハハ此奴ほんとに何も知らねえ、俺らが雇われてるのって領主だっての」
「だから捕まらないと?悪いことをすれば捕まるし怒られたりも、
するでしょ普通では」「ああその普通はココでは無いな」と言うので
「ほんとに?」と馬鹿に為ると、「其処までにしておけ」
と言ったのはさっきまでオレの護衛をしてたヒゲのオッサンだった。
「は、隊長、今日は休むって」
「バカはお前だシング下手すればお前どころかこの店ごと消し飛んでたぞ?
服を見ろ服を」「服って?…」「まさかあの本の?」
「あ~本の通り悪魔は倒してませんよ、そもそも魔族とか見たこともないし」
「じゃあ第2章で部下連れてグリーンアース・ドラゴン倒したって」
「それは本当だけども」と言うと、
「「「すみませんでした!」」」と速攻で謝る傭兵っぽい人たち。
「俺達が出来ることが有れば何でもしますほんとすみません」
「じゃあ、今度剣とか槍とか教えて下さい、オレ知識は有るけど
あまり上手くなくて」「は?」「ですから剣教えて」
「はあ良いですけどほんとに?」「ええ」
とお互い理解が出来ないままオレは店の奥に行った。
「あ~これ系か」とオレはさっさと見て行くと店長らしき人から。
「すみませんが良ければこの本にお名前を」
「ああ良いですよ、と漢字を崩した感覚で名前を書いてやった、
本にサインするのって地球の文化のはずなんだけどな~
(恐らく地球の情報が大量に出回ってる?)とオレはサインして
逃げるように店出て来た、店奥で売ってたのは要塞で鍛冶仕事してた
ドワーフ達の中でも中堅さんらの仕事した物だった、
オレにはそれ以上の物が有る、あれを業物と思ってた傭兵が、
今オレの持ってる剣を見たらと思うと本当に情けなくなり待機場所に帰った。
「どうでした街は」とナターシャと寝る前のルイ・ジャンに一通り説明する、
飲食街は地球化して大繁盛で魔石店は理解が追いつかなかった、
武器屋は良い物がないばかりか、俺らの持ってる武器が凄すぎて、
逆に剣術と魔法を本気で学びたい事、黒は死に近いから、
このままで良いのか?と悩んでいる事等を言ったら、ルイ・ジャンに笑われた。
「そりゃそうでしょう、そもそも能力やレベルが低すぎる筈の君たちが、
ココまで来てて生きてる時点で、我々帝国や各国のトップには大問題化してて、
大騒ぎなのですよ、ここに近い周辺の各国の貴族なら毎日何処かで、
舞踏会とか適当な名前を付けた宴会を開き、その裏で会議が行われてます、
大抵は人を集める理由としてですが爵位持ちの当主達は、
彼らが何者か?どんな組織か敵対してくるか?などなど話し合っては、
情報が集まらず大騒ぎです、既に帝国からも含めてかなりの
諜報員が潜入してるでしょう、何せ我が帝国の超一流と言われた
「神に最も近い目を持つとか言う凄腕諜報員」が入ってきているが、
「逆に話が聞きたい有ってくれないか」と家の下男を通じて問い合わせがあるし、
ウチの家系の貴族からも多数来てます、そもそも騎士で有る我が家は私含め
下男下女や秘書など総勢12人を貴下らやこの国に滞在を、
認めてもらっただけでも凄い譲歩なのに更に会えとか、
言ってくる家の傍系らが居るとは恥ずかしくて為らない、
何せ聞けば半月前までは異世界に居てそれから畑を耕して剣も使えないとか、
魔法を知らなかったはずなのに勇者化した者を倒したとか、
数人でドラゴンを倒したとか、今更でしょう、しかもそれが自国でもと考えれば、
農夫がいきなりドラゴンスレイヤー級の戦える者になる可能性を考えれば、
恐怖そのものでしょう?それを剣が使えない?魔法が?、
悩んでいる貴族や王族を困らせないでほしいです、はあ~魔法は私が
徹底的に教えましょう、タダ剣術は私はちょっと……」
と帝国騎士ルイジャンは帝国や他国で今起きていることを予想して言ってるが、
ほぼ当たってるだろうだけに全員が俺を見るが、
俺自身はちょっと悪かったな程度で実際の所は想像ができては居なかった。
「まあ、剣はね仲間が習ってるはずだし俺も習えればとか考えてるが」
「いや無理でしょう、貴方は今や王女様専属みたいな者ですし、
他に王女様に近づける人がいません」
「まあそれは…そうだがそれなら王女様が俺の剣の練習中一緒にいるとか…無理だな、
俺はこっちの世界に来てからスキルとか魔法のせいで疲れるって、
事が少ないんだ、
そりゃ睡眠は絶対必要だが体力的な方ではな」「でしょう少しは諦めてください」
「あの~私はスキルの【リペア】を使って修理を教える程度ですかね
感覚で治すので、詳しくは専門家と見てください」とナターシャは言う…
「はあっ!リペア?それってホントか?
修理の原理を知らなくても直っちゃうんじゃないか?」と俺はびっくりして言う、
確か直せない無線や各種機器が有るのだからそれが直せればと俺は驚いて言うが。
「ええまあ、まだ+2ですけどね、」と照れながら言うだけだったすると
騎士ルイジャンもびっくりして呆然としていた、
何せこの二人が驚くのも当たり前で、
下手すると勇者級スキルより取得人口が少ない超レアスキルだからだった、
スキル【リペア】は修理したいと思うと必要な材料が頭に浮かび
集めて再びスキルを使えば自然と治ってしまうのだそうで、
修理できないと諦めていた研究者や貴族等なら、
このスキル持ちに直させてその修理法を真似すればいいので、
かなり有名スキルだが問題はそのスキル持ちが少なくて居ないこと、
だったらしいと俺は後でルイジャンに聞いた。




