第十一話 勇者との邂逅 準備
その夜宿で全員を食堂に集め話し合いをした。
現状と過去の話だ、
その結果ドワーフから聞いた奴や要塞の簡易図書館で見つけた勇者物の話と合致したらしい、
又この国がというかこの要塞の兵士らが参戦するだろうから
どうするか?という話にもなる、
今キースさんは商会を牛耳ってた親類の更に親類らしいのが消えたので、
必死で店を立て直すので必死らしいので俺らに手を貸せないとの事だったが、
俺らには逆に助けてもらった恩がるからと言ったら三河が何か仕込んでいると言ってきた。
「まあ、お任せくださいな」らしいで一応要塞長トンバから
マッジュランド公国を紹介してもらえる事に為ってると話したら男子が喜んだ、
そのマッジュランド公国はここから王国の王都を通り抜けて南西に行った所にある
獣人と人間の国で大公が収めてるらしい比較的自由度の高い食料大国らしい、
ただこの世界の大体の地形は分かるがどこまでがその公国の領土だとか大きさは?
とかはこの国の王様クラスでないと解らないそうで、兎に角俺たちは自由な生活が
出来る国を目指しつつ帰郷する手立てを探す事になってる、
一応許可を貰ってるので通過許可証なる俺達の人数と代表者名に
でっかい国印が押された羊皮紙を三河議長が貰い保管してる。
「で一応情報交換は済んだわけで提案があるんだけどここの国の王都に行かないか?
別に王様に会うとかではなくお城を見てショッピングして~とか普通な旅をしたいという、
のもここまでの旅はハッキリ言って地獄だったこれからも続く可能性があるなら
一時は楽しみたいです」と俺は言いたいことを誤魔化しつつ子供の発言風に言った、
だが周囲の奴らは本気と取ったらしい。
「ガリア教国と言う南の国に行きたいので暖かい所に行くためにも
この国の王都を通過するためにもここから南に行った所らしいので行きたいです」
と伊織が棒読み風にですな口調でない言い方で話して言う。
「子供か!」と少し怒る議員連中に。「寒いの好きなの?」と俺が反論すると。
「嫌、そうじゃなくてさ~」と彼らも言う。
「私も賛成ケガ人を治せる凄腕の治療師って人が王族の治療で王都にいるって聞いたし、
怪我した彼らを連れていきたいわ」と三河も賛成。
「そこまで悪いのか?」と俺は聞いてしまった。
「命には別条は無いのだけど歩けなかったり、焼いた所が張って動かないとか、
心のケガをした人も居てね」「それなら行こう」「そうだよ」と治療師の話で、
一気に話がまとまり王都行きが決まった俺たちの本当の目的地は王城の外見を見ること、
帰国できる城を探さないといけないまあ疲れを癒すのもいいが、
とそんな話をしている時「カン、カン、カン、カン、」と頭に響く系の
要塞の鐘が鳴り響いた、普通に時を告げる鐘ではなく連続した音だった、
その時には既に本当に敵襲の合図だと理解してる宿の職員だった、
兵士たちは必死で防具をつけて、武器を取りと駆けずり回っていた。
「敵襲ですかな?」「さあな、とりあえず装備して鍛冶ギルド前に集合で良いな」
「そうですな、あそこは今時間は誰も来ないだろうですな良いんですな」
「じゃあ三河、集められるだけで良いから有志で来たい奴に、集合って話をしてくれ、
後伊達さんに来てもらって弾出してもらわなきゃダメ出しな」
と俺が話していた時だった、要塞長トンバさんと鍛冶ギルド長のオグ爺は、
仮の命令を出し終わり話し合ってた。
「ヤラレたな、このタイミングで勇者が来るとか話聞いてないぞ」とオグ爺は唸ると。
「彼らだって知らなかったでしょう?知ってたらCCCP教団の服装なんてしませんって」
とトンバさんは俺達のことを話してた。
「それは……まあ狙われるからな、確かにそうだが」とガタンと音を立て
執務室に入ってきたのは小隊長クラスの兵士で、「失礼します、
今さっきからあの勇者の所から来た彼らが鍛冶ギルド前に次々と集まってます
ドワーフから依頼した武器を回収してます、
聞けば武装を付けてて魔獣や一般兵なら有志の集まりだが支援するとの事ですがどうします?」
と聞かれたトンバはニヤリと笑った。
「だったら本当の魔獣の相手をしてもらおう、勇者が来る時は大抵契約した聖獣と
言う名の契約魔獣を連れてるそいつらは別口で囮として来る場合が多い、
そっちに回ってもらおう、流石に子供だ無駄死にされる気はねえ、
勇者が来たら逃げろと言っておけレベルが違いすぎるだろう、
彼らは平均15~18、そして勇者は促成だが、魔法とかで縛った魔獣狩りをして
一気にレベル上げらせるから恐らくもう40台だろう、勝てんって」
「解りました配置についてもらいます」
「そうしてくれ、後、帰ったら俺のおごりで食って良いと言っとけ」「了解です」
と部下は笑顔で作戦室らしい地図が配置されたテーブルのある部屋を出て行った、
そして、鍛冶ギルド前では俺たちが集まってるのを見たドワーフ達が頼まれてた
武器武具を急遽用意してくれていたそんな指示をしていた者は居なかったが、
オグ爺の一言が有ったからだったそうだ。
「アイツらに良いもん持たせてやりてえなぁ」と言う一言を聞いた全ドワーフが、
一気に本気で働き始め打ち上げた武器は湯気を上げ防具はまだ皮の新品の匂いがしたそうだ。
「おい、爺さん良いのか?これって俺が頼んだのと全く形が違うけど凄くしっくりくる」
「ハ、ガキが適当なこと言いやがるお前の発注の型はありゃお前にゃ駄目だったが、
他の奴に頼まれてた物を少し弄ってお前様に仕上げたものだがそれでいいだろ?
それ使っとけ、まあ上手く使え頼まれてた機構は子細工師に作らせて有ったから付けて置いた」
「有難く遣わせて貰います」と言ったモノのどう見ても、俺が今着てる黒革の
戦闘ジャケットに付いてるベルトにピッタリ合う鞘が在って専用に見える、
その鞘入りのショートナイフとショートソードの中間的な剣を左腰に付けるピッタリ合う、
ただこれは俺が思い描いた型紙のナイフとも剣とも違う全くの別物だった、
そこいらへん少しは汲み取って貰いたかったが、
ドワーフがコレの方が良いというのだから多分合うのだろう、と少し諦めた、
また俺以外にも赤革の戦闘服やグリーンなど各色の服を着たヤツに合わせた武装に、
色が入ってたりと芸が細かい仕事を見るに本気で遣ればドワーフってのは
1夜でここまで凄いモノが作れるらしい鍛冶ギルド恐るべしだった、
その直後、この要塞バグースに着くまでに、
軍隊調の命令や指示言葉が知りたいという三河に俺と伊織とで
一応自衛隊風な言葉を教えたら三河が練習と言って周囲に声を出し、
周囲が笑って了解ですパンを取ってきますと言ったり前方に商隊を確認どうします指令、
とか、馬鹿みたいに言っては笑ってたが、今は違う事に為ってた三河が普通に指揮を取ってる。
「総員整列、各員これよりバグース要塞長トンバ氏へ友誼の支援として、
有志戦闘団は戦闘態勢を取り、囮役を徹底して行う絶対ケガをしないように奮戦しよう、
危険なら撤退する事、逃げるのも戦略です初期戦闘はよく狙ってお腹か頭をよく狙うこと、
総員着剣、単連射で固定、解放は許可をえよ指示確認」と三河が言うと有志の生徒が。
「「「「良し」」」、と唸る、そこで俺が。
「各位へ説明~この要塞都市は北と南と東西に門が有るが、東西はギルドの生産地となってて、
双方の国が貿易で対価を受け取る立場だと知ってるので、嫌がらせ程度で本気で襲わない
自主ルールが有るらしい」と言うと全員がなるほどと聞き入る、
また、要塞の周囲には掘りが有り川が引かれて、大きいつり橋の門がある
東西しか攻撃箇所が無いのも決め手の一つだった北南はつり橋は一応は有るが
基本物流用では無く連絡用で細く重さもあまり載せられないものだ。
「1班佐藤の指示で、マダムのいる北側マーケットに展開、
2班は飯田の指示で東のディランダル王国国境方面正面入口で、
3班但馬は南の武器屋と宿方面で、敵を排除又は妨害をせよ、
偵察班は東で何かあれば呼びたい各班に班の色の招集ののろし等を上げる事以上」
「「了解」」「総員出発!」
と言うと全員流石に一斉にとは行かなかったが駆け足で各門に向かった。
そして俺は命令通り1班として一時の部下を10人連れてマーケットに向かった、
持ってる武器はAK-47を10丁と手榴弾を40個とRPDというPKMより軽く連射できる
デグチャレフ軽機関銃を3丁と持っての進行だった、
マーケット前に到着した俺たち有志の戦闘簡易1班は集まって、マーケット上の
城壁に待機して話し合う。
「良いか、とにかく近づかれない様にすることが第一でそのために相手に近づくことを
諦めさせる事が大事だまず第一番の攻撃時に一斉に大火力で驚かす、
そして近づく敵に諦めるまで撃ち続けることが肝心、例え1発でも近づくと飛んでくると
思わせることが肝心だ、良いな指示通り一人ずつ確実に撃つこと、当てるのは二の次です、
良いね、後頭部特に目などを狙うことそっちのデグチャレフ軽機関銃は古いが
しっかり整備してあるので安心して撃ってください」
「「「「おう(はい)」」」」と言って、
全員で配置を確認して周囲にいるこの要塞の警備兵とともに要塞周囲を見ると、
敵は一切いなかった、そこで俺たちはよこに配置しながら、
一定間隔で弾薬の入ったケースを床に置いて誰でも取れる様にしておく、
そして女子1人と前回ケガした男子1人に弾薬の配給を任せた、
とその女子はうちのクラスで少し浮いてた武田あかりだったいつも文庫本読んでるか、
何かブツブツ言ってて、不安定な子だと思ってた。
「へえ、やる気なんだ」と思わずぼそっと言葉が出たが誰も気に留めてなかった、
と誰か兵士が大声でいう。「来たぞ魔獣だ、ありゃべへモスだぞバイコーン迄いるぞ、
奥のはケルベロスか後ろのは判らねえなんか強そうだな」
「ありゃメドゥーサかなぁ?、何だろう?とにかく近づくと石になります」
と言うほど人ぽい顔に髪が蛇だらけだが見た目人ではなく、
胴体が4足歩行の大きな体の存在だった、恐らく俺達の知らない魔獣なのだろう
「本当にそんなのと戦うとか無理だろう」と怯えてるここの兵士に
「まあ近づけなければいいんですよ、近づけなければいいんです」と行って安心させる
「おお、そうだな兄ちゃん、あんたの言うとおりだ、バリスタそっちのカタパルトはやれるか」
「無理だ、未だ設置中だ時間がかかる、だがよ~こんなカタパルト一基でどうすんの」
「そこは我々に任せてください、やるぞ皆」「「「おう」」」
「メドゥーサ風なのはは目と口、ケルベロスは足先爪だな、
指先等をタンスにぶつけると痛い原理だ、べへモスとバイコーンは堅いから目を
集中でデグチャレフ軽機関銃でねらえ兎に角、足止めだ、来たら手榴弾だ、
投げる練習したか?しっかり今回は手前に投げろよ」
「任せろ球に比べれば楽なもんだぜ」と野球部?らしき生徒が言うし他の生徒も目が生きてる、
そして4匹の魔獣がこちらの走ってくるのが見えた時だった、
その4匹の後ろにかなり小さいが白馬に乗った豪勢な鎧を着た黒髪の男たちが見えた。
「くそ、零香が居れば」とドラグノフの扱いで一番の零香が居ないのを悔やんだ、
「撃ち方よーい、手か目だ、…撃て~!」と言ったら周囲の要塞警護兵迄一緒のタイミングで、
矢とバリスタの大きい槍並みの矢と一緒に銃弾が放たれた。
「スパパパパパン」と撃たれるデグチャレフと「パン」「パン」
と狙って撃ってる各員を確認した俺は、試しに持ってきたモシン・ナガンを狙って打った、
「パン」としっかり当たるので多少撃ちづけつつ。「手榴弾投擲~!」
と先制する声を出して4匹の奥にいる奴らに聞こえるかという、
大きい声で叫んでいた、そして手榴弾が爆発する前にAKを手にとって
4匹の魔獣の手足を狙って撃つ、俺は狙撃要員と思わせつつ4人の気分が気になって、
つい真剣に撃ってたのだった。
と俺には遠すぎて何か皮袋に男が手を入れて入った物を使ってたが、
それは俺たちにはわからないかったが、とにかく何かが有ったのだけは判った。
「勇者が来るぞー、腕等の急所を狙え、後ろの4人に集中射、撃ち方待て狙え~撃て!!」
と言った瞬間、後ろで弾薬を配ってた女子2人でさえ急に過去のなにか有ったのか
物凄い嫌な顔で手榴弾を投げたのだった、彼らは一斉に狙われているのは判って居る筈なのに
何故か突進してくる、
何処の地球人でも銃を撃たれてると判れば逃げるなりするのが普通なのだが、
奴らは逃げずに突進してくる、遠くから泣く声がするが俺は容赦なく撃つ、
突っ込んでくる馬に乗った4人に弾が各所に当る、真上で大爆発がする
だがさすがに国が集めた優秀な装備だけあって、弾を弾く音が各所でする、
ヘルメットもしてるので頭部に当ってもダメだったが手榴弾とデグチャレフだけは違った。
「ズドン」と手榴弾が目の前で爆発して・デグチャレフが再び火を噴く。
「スパパパパ・・・」とその弾丸が馬の頭部を守る金属の覆いに当たり遂には
貫通したらしく頭を振って顔を隠して逃げようとしたがさすがの異世界の軍馬でも
耐えられず死んだ手榴弾が爆発した直後に4人の乗った別の馬は、
馬が前のめりに潰れるように倒れ乗ってた勇者が吹き飛ばされると、
転がり落ちるがそれを守ろうとしているのか何が目的かわからないが勇者を探ってると、
1匹のケルベロスが勇者高田健斗の左腕に噛みつき振り回し始めた、
よく見れば甘噛み程度ではないがっちり噛み付いてる「ありゃ何やってるんだ?」
「さあなとにかく好機だ、兵士たちよ撃ちまくれ」と弓矢たちを撃ってた
オッサンの中のリーダー的な兵士さんが言い、「そ、そうだな、撃て!」
と俺達ももつい釣られて撃ちまくって行く。
「パン」と狙って撃った弾がベヒーモスの目を狙うがやはり当たらない、
恐らくレベルが低いか相手の防御力の問題だろう、やっぱりRPGかね、
まだ出したくないんだよなぁと考えてると「ぐぎゃあ~」
と声がしたがその声の主はもう話す事が出来なくなっていた理由はこうだ、
ケルベロスが噛んで振り回してたのは高田の片腕で胴体から腕がちぎれて、
取れた瞬間恐らく拘束魔法の装備が本人から取れたって認定?されたのだろうか、
一気に凶暴となったケルベロスに喉をバグっと噛まれて振られると遠心力と
握力で上下にオサラバしてしまった同じ日本人とは言え、
流石に気に入らない奴だった、だがこの死に方は酷いと思わざる負えなかった。
「今だ、補給だ補給」と俺は意識を反らせうように言って話題を変えると、
全員がハッとした感じで弾薬の補給や矢の束を持ってきたりと忙しそうに
準備を始めたその間に俺は1発ずつ3人に成った勇者の顔を撃つ。
「マガジンをくれ、これでラストだ」「はい、空は詰めときます」
とテキパキと作業をしてくれるが俺にはそれが逆に辛そうに見えた。




