十三、ゲームと兄貴
月日はとても早く過ぎていくもので、気づけば、あっという間に十月。
心配だったけれど、晶楽君が意識を取り戻し、現在はリハビリを励んでいる日々。
「晶楽君、再来月には復帰出来るかもしれないって。昨日、兄貴の所に、水希君から連絡が来た」
「良かったぁ。意識が戻ったって聞いた時も安心したけれど、復帰の話は、凄く安心する!」
俺たちの関係は、相変わらずで、恋人であり友人。
来年になれば、俺たちは別々の進路を歩む事になる。
「十二月には、修学旅行だけど、二人きりになれる時間があったらいいね」
「和葉ちゃん?」
最近、和葉ちゃんの発言が、大胆になったと思う。
何かあったのか、俺が踏み込んでいい話なのか、わからない。
「紘斗君は、私のこと好き?」
おおぅ!?
「好きだよ!? え、何? どうしたの? 和葉ちゃん」
***
ドサッ。
イッテェ。
痛みで目を覚ますと、窓の外が明るい。
「夢か……」
今日は土曜日だから、いつもより長く寝てしまった。
目覚まし時計を見ると、もう九時。
九時?
「和葉ちゃん、来るじゃん!」
急いで着替えないと、もうすぐ和葉ちゃんが来てしまう!!
「紘斗~。和葉ちゃんが来たぞ~」
「マジで!? 部屋の外で待っててもらって」
のんきな兄貴の声に返事をしながら、その辺にあったパーカーを着る。
寝癖だらけだけど、そこは許して!
「和葉ちゃん、お待たせ」
「おはよ? おそよ? 凄い寝癖だね」
「そこは許して。いきなりだけど、ゲームします?」
「お兄さんが、一緒にやりたいって。玄関でそう言われたよ」
「なんで兄貴まで……」
勢いよくドアが開かれ、驚く俺。
和葉ちゃんはそんなに驚いていないようだから、きっと、知っていたのか。
「和葉ちゃんから聞いただろ。俺もゲームする! 大乱闘したい!」
「家デートを邪魔する兄貴は、世界中探しても、兄貴だけだな」
「お兄さんと一度だけでも、ゲームしたいです! やりましょう!」
和葉ちゃん?!
「和葉ちゃんもそう言ってるなら、いいけど」
「話がわかる弟で良かった!」
そんなこんなで、兄貴を交えての大乱闘。
兄貴にも負けず劣らずの和葉ちゃんは、兄貴との一対一。
「なかなか強いね~。和葉ちゃん、もしかしてゲーマー?」
「ゲーマーほどではないと思いますけど、ゲームは好きですよ」
「紘斗を破ったんだもんね。最強は和葉ちゃんで決定……。あ、ヤバい。落ちた」
何回対戦するんだって、言いたくなるくらい、対戦している二人。
俺は蚊帳の外で、ベッドの上で久しぶりに執筆。
「和葉ちゃん。最近、執筆してる?」
「してるよ。紘斗君は、最近更新してないね」
「いやー。スランプ中なんだよ」
和葉ちゃんはゲームをしながら、俺の話に答えてくれている。
「俺、そろそろ出掛けるわ。後は二人で楽しんでくれ」
「また遊びましょう。お兄さん」
「はーい。またね~」




