対処できない
そして、ダンジョンの進攻は、唐突に始まった。
「よし、それでは、モンスターに命令を。」
ゼアークは今回、命令は出すが、モンスターへの直接的な命令に関しては、幹部のほうに任せている。
「はっ!全軍南西の人間国に向け行進!」
そういうと、モンスターたちは返事をしないでそのまま南西方向に進んでいった。
これに関しては、下級モンスターということで、今回は知能があまりない物を選んでいるからだ。
下級モンスターの中でも、言葉をしゃべれるものがいるが、そのような種族に関しては、ダンジョン内での雑用をさせているので、あまり死んでしまわれると、ダンジョンの方で雑用をやるものがいなくなってしまう。
それに、今回に関しては、スタンピートを装っているので、できるだけ知能がなく、ただただダンジョンからあふれたモンスターが襲ってきたという展開を作りたかったのだ。
「さて、あとは見るだけだな。」
ゼアークは、鳥形モンスターの視界を借りて、空中からすべてを見ている。
そして、状況によっては、ダンジョン側から中級上級モンスターを出すために待機をしているのだ。
~人間国~
「最近、近場のダンジョンからの被害が増えてきていますがどう思いますか?」
ここは今回、ゼアークが攻めることにした人間の国の軍部。
今は最近ダンジョン近くの森や山にて、本来ダンジョン内でしか発生しないであろうモンスターが出歩き始めているという情報だ。
この国に関しては、北と南をつなぐという手段で結構な収益を得ている。
つまり、その道の近くにある山や森にモンスターが発生されてしまうと、その道が封じられてしまうので、この国にとって大きな衝撃となるのだ。
「そうだな。そろそろ本格的に対処しないとまずいな。」
「しかし、そこで問題なのが、ダンジョンから出てきているモンスターに関しては、弱いらしいのですけど、ダンジョン内は結構危険が多いのですよ。」
「どのくらいかわかっているか?」
「冒険者ギルドのほうに連絡を取ったところ、現状は、上級冒険者にのみ開放をしていて、しかも、その上級冒険者に関しても、生存率は高くないとか。」
「そうなのか…」
「それにダンジョン内の時間がゆがんでいる可能性もあるらしいです。」
「どういうことだ?」
「実は、ほとんどの物に関しては大丈夫なのですが、たまにあり得ないほど時間がかかって帰って来る者たちがいるのです。
しかも、ギルド側が確認したところ、その者たちは一週間分くらいの食料しかもっていっていないのに、一か月以上帰ってこないということがあり、ギルド側の死亡判定が出そうなときにひょっこり帰ってくるということがあるらしいです。」
「なるほど、ダンジョン内の時間だけ遅くなっている可能性があるのか。」
「ええ、それほど強いダンジョンには結構な戦力を送り込まなくてはいけないと思うのですが、一か月以上も帰ってこれないとなると、国防のためにもそんなに兵力は送れません。」
「つまり現状維持しかないのか…」
そんなことを悩んでいると、連絡が入ってきた。
「お伝えします!
例のダンジョンから発生したスタンピートによって、我が国の都市が1つ占拠されました!
かの軍勢は、王都を目指して進んでいるようです!
至急、迎撃準備を!」
「来てしまったか。」
いつかこうなることを分かっていたのか、そこまで驚かずに、出撃準備を開始するのだった。




