変装
そのまま連れていかれた場所は、ゼアークのいる階層のとある一室だった。
「そ、それで僕はこれから何をすれば…」
「まずは、権力を持ってもらいます。
我々としては、ある程度権力を持った状態で、国に反抗してもらったほうが都合がよいので。」
ゼアークの最終目標は、人間国の壊滅だ。
つまり、彼がある程度力を持った状態で、反抗されるという、国にとっては最悪の事態を作りたいのだ。
「しかし、強化されたといっても、さすがに権力を持つのは難しいのでは?
武勇で持てる権力というのは、限界がありますし。」
「それに関しても安心してください。
我々はあなたが気絶している間に、権力を持てるようにするために必要なスキルについても付けておきました。」
スキルを付ける。
本来はこのようなことはできなのだが、ゼアークがゲーム時代にスキルを付けるスキルを持つキャラクターを作っていたおかげで、そのような行為ができるようになったのだ。
「それでは、スキルの方を教えますね。」
そして、男は、自分が持っているスキルについての説明を受けた。
まず、普通に冒険者時代に持っていた
『剣術』 『忍耐』 『武の才能』
そして、今回の魔改造で受けたスキル
『魔力増強』 『精神魔法』 『眷属化』 『変装』 『魔法強化』
『経営術』
これらのスキルが付いていた。
「私個人からいえることがあるのですが、これらのスキルの中で一番強いのは、精神魔法です。
というより、これらのスキルについては、精神魔法を主軸に置いたものになっています。
精神魔法に関しては、洗脳や、魅了、混乱など様々な能力があります。」
「つまりこれで、人間国の貴族に変装。
そして、その貴族を殺した後に、その貴族が持っていた関係のある者たちを洗脳していけばいいのですか?」
「ええ、その通りです。
そして、気づかれないように眷属化しておけば、いざとなった時に、無理やり命令を利かせることもできます。」
「そして、ばれないようにするための経営術ですか…」
「ええ、どうやら、領地の経営に関しても経営術に入るようですから。
できれば、内政術の方を渡したかったのですが、これに関しては、ゼアーク様しか習得してないので。」
ゼアークならば、スキルを複製して、そのスキルを渡すこともできるのだが、この作戦が成功するまでは、自分は直接かかわらないようにするスタンスなので、今回に関しては、経営術で勘弁してもらうことにした。
それに、この世のほとんどの貴族は経営術も内政術も持ってない。
つまり、経営術だけでも、名君にはなれるのだ。
「それではさっそく向かってください。」
「貴族に関しての指定は?」
「基本的にどの貴族でもいいのですが、できるだ限り、侯爵以上にしてください。
難しそうでしたら、伯爵でもいいので。」
「わかりました。」
「それからこれを…」
「これは?」
「連絡石です。
変装する貴族が決まったら教えてください。
それと、あなたの名前はこれから、変装する貴族の名前となります。
ですので、連絡後、我々の魔法で、ステータスの名前も変えさせていただきますので。」
人間国の中でも、相手のステータスを見ることができるものがいるので、その者対策にステータスの名前を変えてしまうのだ。
「性格が変わったなど言われたら、神の教えとでも言って、ごまかしてください。」
こうして男は、人間国まで向かうことにしたのだった。




