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プロローグ1

とある男がいた。


その男は1つのゲームを他のゲームとは比べ物にならないくらいやりこんでいた。


何故、そんなにやりこんだのかを説明するために、ゲームの話から始めよう…


まず、このゲームは最初に、勇者と魔王と言う選択肢が出てくる。


そして、勇者になった場合は、他のゲームにも良くある、協力して魔王を倒そうというのが最終目標だ。


そうそう、言い忘れていたが、このゲームはオンラインゲームだ。


そして、魔王になった場合は、1人1人にダンジョンが与えられる。


基本的にそのダンジョンを出来るだけ強化して、他の魔王と戦ったり、迫り来る勇者を返り討ちにしたりするのが最終的な目標だ。


そして、その男は魔王側でのプレイを行っていた。


しかも、彼はゲーム内最強の魔王とも呼ばれていた。


その理由についても話をしよう。


まず、このゲームが最初にリリースしたのは約7年前。


リリース当時から、プレイしていた彼だったが、何も最初から強い訳ではなかった。


それどころか、最初の頃はまだゲーム初心者だったので、置いていかれているといっても過言ではないくらい、弱かった。


他の勇者にはカモにされ、運営側が用意した最初に強くなれるようになるための人が入っていないダンジョンに負けるくらいには下手だった。


しかし、1年たった頃、リアルのほうの仕事がうまくいき、大金持ちに!


…は、なれなかったが、それでも給料が少しだけ上がった。


そして、給料が上がって、その次の月をいつもどおり過ごしていたら、意外と金が余った。


特に趣味が無かった彼は、ゲームに課金することにした。


最初は


「良いのか俺。ここで課金してしまえば、無課金者という称号がなくなるんだぞ!」


とか、言っていたが、懐に余裕が出来て財布の口がゆるくなっていた彼は、ガチャの倍率アップという文字にまんまとやられてしまった。


それから彼は、毎月最後に、余った額を課金用という貯金箱に入れて行き、イベントなどでどんどん使っていった。


結果としては、リリースから5年でゲーム内でトップ10くらいの力をつけた。


そして、それから数日後、悲劇が起きた。


運営の頭が狂ったのか、今までとは全然違う方向性に走っていった時期があった。


その時期は、このゲーム会社全ての商品がおかしくなっており、低迷期とまで呼ばれていた。


骸骨を使ったギャルゲー?誰がやるんだ!


そんな感じに、1人、また1人と人が消えて行った。


彼もやめたいという気持ちがあったが、今までの課金のことを考え、そして、なぜかレベル制度だけは残っていたので、心を無にして、ゲームを続けていった。


その後、1年もかかったが、元のゲームに戻ったので、彼は安心した。


しかも、低迷期のときのレベルもちゃんと引き継げていたので、結果としては強いままだった。


しかし、この会社は他にも問題を起こしていた。


それは、元々このゲームをやっていた人たちが帰ってきたときに、データの復旧が出来なくなっていたのだった。


まだ、低迷期前にゲームを消した人のデータだったら、ゲーム会社にもあったらしいが、低迷期時代にゲームを消した人たちのデータは、すべてどっかに行ったらしい。


(ひどいな。あの低迷期でほとんどの上位ユーザーがゲームから離れていったのに…)


結果としては、彼がダントツの1位になってしまったが、それでも彼は自分をほめたかった。


(よくやった俺!あの負のゲームを心を殺してよく耐え切った!)


心を殺しても、視覚から入ってくる嫌悪感に耐え切った自身をとてもほめていた。


(だって、裸エプロンのスケルトンとか、誰に需要があるんだよ…)


そんなことも考えながら、その後も1年間やり続けた…


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