嫌な予感がしたら(sideイロハ)
遅くなってすみません。ブクマをしてくださった方もしていない方も閲覧ありがとうございます。
今日はシキとシィアと一緒に帰ろうと早めに荷物をまとめて教室に覗きに行ったらもういなかった。
そういえば朝に買い物してくるからって言ってたような........?
んー、今から行っても意味ないから先に帰っておきますか。
あの家で2人が帰るのを待つっていうのもなかなか良いものだからね。だから全然苦痛じゃない!!むしろ嬉しい!.............寂しくはあるけどね。
そんなことを考えながら歩いて帰っていたら、かすかに人の声が聞こえた。それも私がよく知っている人の声が。
なんとなく声が聞こえた方向に走っていけばそこには、私の可愛くて大事な妹達2人が知らない男子2人に絡まれていた。
............たしかあれってちょっと遠くにある高校の制服だっけ?
なんでここにいるかは分からないけどとりあえずシキを連れ去ろうとする片方にカバンを思いっきり投げる。
そこそこ重い荷物だから当たれば相当痛いはず。
事実当たった時のゴツって音が明らかに痛そうな音してるんだもの。まぁ、シキを害そうとしたからにはそれ相応の罰をね。
それに私の怒りだっておさまらないしね。
すぐにシキを助け出して抱きしめる。シィアは大丈夫。この間に私の後ろに回り込んでるから。
「ねぇ、あんた達?私の可愛い妹をどこに連れて行く気?返答次第じゃ痛い目見ることになるよ」
「痛って......何すんだよ!!」
「何って?見たら分かるでしょ?私の可愛い妹達を取り返してるの」
「せっかく捕まえたのにどうしてくれるんだよ!!」
「知らないわよそんなの。それよりもいいのここにいて?私あなた達が行ってる高校の先生に知り合いがいるんだよね。さっきまでのやり取りを録音したものを渡したらどうなるか分かるよね?」
「録音ってデタラメ言うなよ!!それに知り合いってのも嘘だろ!!」
「ふーん。どうなってもいいってことね。分かった。じゃあとりあえず下田先生に連絡しておくわね。この録音データと一緒にね。あっ、でも見逃されたかったら今すぐここから消えて。今すぐに。そうでないと私どうするか分からないよ?あと、もう二度と私達に関わらないで。もしまた関わったら次はないと思いなさい」
「ぐっ.............」
「ちっ.........帰るぞ」
シキとシィアに謝りもせずに帰りやがった。まぁ最初から許すつもりなんて全然ないし、あることないこと色々脚色してデータを渡しますか。
もちろん私がやったなんてあいつらは思わないでしょ。
だって前々からあいつらのことについて知らせようとしていたから。被害生徒や未遂に終わったけど怖い思いをした生徒がそれなりにいるからね。
ふふふ、明日が楽しみだね。主にあいつらの心理状態についてね。
それよりもね。
「シキ!シィア!大丈夫!?怪我とかしてない!?」
「私は大丈夫!!でもお姉ちゃんが..........」
とりあえずシィアは無事だし、シキも外見だけ見れば大丈夫そう。でもさっきからシキの身体は震えっぱなしで、今にも泣きそうな顔をしてる。よく頑張ったわねシキ。
「シキもう大丈夫。お姉ちゃんが悪い奴らを追い払ったからもう気にしなくていいんだよ?」
「.................」
「ごめんね、怖かったよね。痛かったよね。辛かったよね。悲しかったよね。お姉ちゃんまたシキのこと守れなかったよ。今度もまた約束破っちゃった.......。」
「.....................」
「絶対守るからって言ったのにね..........。こんな情けなくて、大事な妹との約束も守れないお姉ちゃんでごめんね」
「.............ない」
………….えっ?嘘?なんで?私の聞き間違い?でもこの声は忘れない。忘れられない。だって、だって!この声はあの時から聞けなくなった声なんだもん!!
「そん......な.............ことな........い。おね.........えちゃ.......んは.............おねえ.........ちゃ....ん...……だよ。何が........あって............も.......わた.....し........の.....だいす.........きな.....お.........ねえちゃ.............ん....だよ」
「あぁぁ、シキ!声が出るようになったの!?」
「すこ.........し.........だ.....け」
思わず涙が出る。やっと、やっとシキが帰ってきた。あの時いなくなったシキがやっと帰ってきてくれた!!
シィアも驚いて泣いてる。私も泣いてる。こんなに嬉しいことなんてない!
でも、いつまでもここで泣いてるわけにはいかないから、強引に涙を拭って立ち上がる。
完全には泣き止んでないから、涙目になっちゃってるけど仕方ない。だってそれだけ嬉しんだから!
シキに手を差し伸べてみるけど手を取ってくれない。
考えてもみたらさっきまであんな状態だったんだから仕方ないよね。
「シィアごめんね。ちょっとあそこに転がってる私のカバン拾っておいてくれない?」
「うん。お姉ちゃんは大丈夫そう?」
「多分大丈夫。シキなら絶対になんとかする。だから今はそっとしておこう?」
「はーい」
タッタッタっと私が投げたカバンまで小走りで取りに行くシィアを横目に見ながら私はシキを背負う。
力なく地面に座っていたから多分怖くて足がすくんで、腰が抜けて立てなかったんじゃないかな?
それにしてもシキはこんなに脆い身体を張ってたんだね。
あの状況見れば、シキとあいつらとの合意があるように見えたけど実際はシキがシィアを守るためにしたんだよね。
こんなに脆くてボロボロなのに、それでも頑張るシキ。
そんなシキが私は好きなんだよ。
でもね、好きだからこそ、家族だからこそ、大事な妹だからこそ私はシキに傷ついてほしくない。
シキは笑顔でいてくれたらそれでいいんだよ。
それだけで私は満たされるんだから。
だからもう二度と私の手の届かない所にはいかないで。
そうしてくれたら私はシキに追いつくから。たとえ何歩先にいても絶対に追いついてみせるから。
だってそれがお姉ちゃんとしての私の意地だから。




