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薄幸少女の終活  作者: 夕暮れ
高校編
33/47

目覚めと発覚

 ...........んみゅ?.........あれ?ここ、どこ?


 たしか私授業中に胸が苦しくなって、それからどうしたんだっけ?


 ゆくっりと起き上がって周りを見ると、ここは約1年の時間を過ごした場所だって気づいた。


 うん病院だね。とりあえず起きたからナースコール押して何があったか教えてもらおっと。


 少し待つと看護師さんが来てくれた。


 やっぱりここは私がお世話になった病院だった。なぜなら今来たのが千夏さんだったから。


「おはようシキちゃん。全くここに帰ってくるのが早すぎるよ!」


 笑顔で私をからかうように言ってくれるからなんだか安心しちゃった。


 キョロキョロと周りを確認して、机の上に私のスマホがあることに気づいて早速手に取って筆談を始める。


『おはよう千夏さん!!もしかして私倒れちゃった?』


「うん倒れたよ、それも授業中に。お姉さんと妹さんが心配してたよ。特に妹ちゃんは酷かったなぁ。泣いて泣いてずっとシキさんの側から離れなかったから、今はお姉さんが強制的に家に連れて帰ってるよ」


『シィーちゃんには悪いことしちゃったなぁ』


 多分ものすっごく落ち込んでるんだろうな。ごめんねシィーちゃん。


 うん、案外冷静でいられるものなんだね。


 元々知ってたから?それとも覚悟してたから?


 多分両方だね。私は『私』になった時からもう自分の結末は分かってたから悔いを残さないように生きないと。


 だから今日いきなり倒れて、目が覚めたら病院にいるこの状況でも冷静なんだと思う。


 もう私は失うものなんてない。少なくとも私が持っているものだともう全部なくした。


 今私に残っているのは家族と友達。そして写真と記憶くらいしかない。


 だからこれらをなくさないようにしないとね!!


「そうだね。ちゃんと謝らないといけないよ!!」


『うん!!!』


「でねこれからが本題なんだけど、まずシキちゃんは心臓に負担がかかるようなことはしちゃダメよ。運動とか低酸素状態でいるとかね」


『普通に暮らすのには大丈夫?』


「普通に暮らせばね。でも出来るだけ身体をすごく動かすことは辞めてほしいな」


『はーい』


「あとね、これあげるから発作がきたら飲んでね。これは発作が起きて飲んだらすぐに落ち着くからね。もしこれを飲まずに我慢してたらシキちゃんの身体に悪い影響を与えるから絶対だよ!!!」


 うえぇ......薬飲まなきゃなの?ちゃんとこれ飲めるかな?


『分かりました』


 これとりあえず瓶の入れてもらおうかな?そしたら持ち運びも便利だし、ベッドの近くに置いとけるしね。


 水も必要だからとりあえず寝るときは薬のとなりにペットボトルに入った水を置いとこっと。


「はい!じゃあ薬も渡したし、シキちゃんのこれからについて軽く説明できたから、あとはお姉さん達に言うだけだね」


『そうだね。でも私の余命のことは言わないでね。今回の心臓病は言わないとだけど、余命のことまで言ったら余計に心配かけちゃうし、今の生活を送れなくなるから絶対だよ!!』


「分かってるよ。それがシキちゃんの意志だもんね」


 絶対にこれだけは知られちゃダメ。だから私は最後まで家族を騙す。


 私はいつも通り暮らしたいの。家族とご飯食べて、友達と学校に行って遊んで、家に帰って今日あったことを家族に話したり、家族と遊んで気持ちよく寝る。


 こんな普通の生活を送りたい。


 だから隠すべきことは隠す。隠さないべきことは隠さない。


 私に残された時間は少ないから、後悔がなかった人生だって最期の時に思えるような人生を送りたい。


「よし!シキちゃん写真撮ろっか。再入院です!!っていうタイトルでね!!」


 写真!?撮りたい!!どんな場面でもそれは私にとって大切な思い出だから、写真が撮れる時は撮っておきたい!!


 後から見直してほっこりするように。


 嬉しくても、悲しくても、楽しくても、悔しくてもそれは私が歩んできた道だから出来るだけ記憶以外で残したい。


 そしたら私が見直したらほっこりするし、お姉ちゃんやシィーちゃんが見直したら私を思い出せるように、寂しい思いをさせないように写真は必要!!


「じゃあ私は写真をたくさん撮るけどこっちは見なくていいよ。『シキちゃんが病室で暇そうにしてる』っていうタイトルで保存するね!」


『もう!私、暇してないよ!!それよりも千夏さんだったからちゃんと撮ってね!!ピントとかも合わせてよ!!』


「分かってるよ千夏さんに任せなさい!」


 ええぇぇぇぇ........。胸を叩いて自慢げに言うけど少し信用できないかも。千夏さん仕事はできるのに少し抜けてるところがあるからなぁ。


「シキちゃん私のこと信用してないでしょ!!顔にそう書いてあるよ!!」


 むにーってほっぺたを引っ張られる。痛いから離してもらえるようにジタバタするけど全然離してくれない。


「わぁぁ.......。シキちゃんのほっぺ柔らかーい。ずっとこうしていたいね〜」


 むにむに私のほっぺで千夏さんが遊んでる。ジト目でジーってずっと見てるけど千夏さんはずっと笑顔でいる。


 千夏さん強い!!私が無言の圧力かけてるのにそれを耐えるなんて..............。


「ふふふ、シキちゃんそんな可愛い顔してそんな目で私を見ても意味ないよ。だって余計シキちゃんが可愛く見えるんだもん」


 むーーー!!だったら私も反撃する!


 両腕を伸ばして千夏さんのほっぺたを引っ張ろうとするけど避けられる。


 どんなに私が腕を伸ばしても避けられる。


 うぬぅぅ..........。絶対千夏さんのほっぺた引っ張るんだから!!


 千夏さん!!そんな余裕そうな顔できるには今だけだよ!!


 すぐにほっぺた引っ張ってやるんだから覚悟しなさい!!!


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