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薄幸少女の終活  作者: 夕暮れ
高校編
32/47

隠されていた病気(sideシィア)

 今日のお姉ちゃんは少し体調が悪そうだった。女の子の日じゃないから純粋に体調が悪いらしい。


 なんで分かるかって?お姉ちゃんの顔色見ればすぐ分かるよ。いつもは雪みたいに綺麗な白色の顔だけど、今日は白を超えて青白くなってたから。


 本当は学校を休んでって言いたかったけど、お姉ちゃん学校に行くことを楽しみにしてるから言いにくかったの。


 だから今日はお姉ちゃんから目を離さずにいようと思う。もう限界だなって私が判断するまではいつも通りに過ごしてもらう。


 今のお姉ちゃんは昔のお姉ちゃんとちょっと違う。昔のお姉ちゃんは悪く言うかもだけど、身の丈にあった行動しかしなかったの。


 でも今のお姉ちゃんは違う。全部全部自分で背負いこもうとする。


 昔も少しはそんな感じだったけど、今ではずっとなにかを背負ってる。


 お姉ちゃんは小さくて狭くて貧弱な背中で全部背負ってる。


 だから今の私の目標は、お姉ちゃんが抱えてるものを少しでも私が背負うこと。


 お姉ちゃん1人で背負うことはないんだよ?


 私が側にいるから少しくらいは私を頼ってもいいんじゃないの?


 それが姉妹でしょ?それが家族でしょ?


 だから今日も私はお姉ちゃんの隣を歩く。


 何があってもいいように、お姉ちゃんが無駄なものを背負わないようにずっと見てなきゃいけない。


 お姉ちゃんを束縛するかもしれない。お姉ちゃんに気味悪がられるかもしれない。お姉ちゃんに嫌われるかもしれない。


 お姉ちゃんに嫌われてでもやらないといけないから。お姉ちゃんにどう思われるか分からない。けど、それが私にできる唯一のことだから。


 お姉ちゃんには笑っていて欲しい。


 そのためなら私は嫌われてもいい。


 だから私は今日もお姉ちゃんの行動に気を配る。



 ――――――――――――――――――――――――



 カリカリと黒板に書かれていることをノートに写す。


 お姉ちゃんは努力家だ。だから授業を真面目に受けて、復習もちゃんとしてるから頭がいい。


 そんなお姉ちゃんの妹として恥ずかしくないように私も勉強頑張らないと。


 少し数学は苦手だからちゃんとノートに写して公式覚えないと。


 授業も半分くらい終わって先生にバレないようにこっそり伸びをする。


 固まった身体をほぐしてもう一回シャーペンを握った時近くからドダン!!って大きい音が聞こえた。


 音がした方向に向くと同時にさーっと顔の血液がひいていくのが分かる。


 何これ?ねえどうしたの?なんで倒れてるの?


 ねえ教えてよお姉ちゃん!!


「お姉ちゃん!?どうしたの!?」


 思わず席を立ってしまう。私の後ろで椅子が倒れて派手な音がしたけどどうでもいい。


 教室の床に倒れたお姉ちゃんは顔が朝よりも酷く青白いし息も荒い。


 すぐにお姉ちゃんを抱きかかえる。


 体温はいつもよりかは少し高い程度。でも1番は息が荒いことが問題だと思う。


 ただ授業を受けてただけなのに息が荒くなるっておかしい。


 ..............また私を置いていくの?また独りにされちゃうの?


 嫌だ!!そんなの嫌だ!!お願いお姉ちゃん!!目を開けて!!!


 私もうお姉ちゃんに迷惑かけないから!!良い子でいるから!!!だから目を覚まして!!!!


 ポタポタと涙が落ちてお姉ちゃんの顔に落ちる。


「シィアさん大丈夫!?ねえこのクラスの保健委員は保健室に行ってきて先生呼んできて!!それから学級委員は翠宮先生を呼んできて!!多分職員室にいるから!!!」


 2人の女子生徒が教室を走って出て行く。


 教室中がザワザワしてる。みんなお姉ちゃんを心配そうに見てる。


「ねえシィアさん。何が起きたか分かる?」


 先生がこっちに近づいてきた。


「.........わか、りませ、ん」


 お姉ちゃんの身体を抱きしめてるけど何が異常かは分からない。


 もう独りは嫌なの...........お願いお姉ちゃん目を開けて.........私のことシィーちゃんって呼んでよぉ.....。大丈夫だよって笑ってよぉ.......。


「シィア何があったの!?」


 あ、イロハねぇだ。走ってきたのかな?息も髪も乱れてる。


 ねえおかしいの。お姉ちゃんさっき倒れたんだけど全然目が覚めないの。


 いつもは「大丈夫だよ」って恥ずかしそうに笑うのに今日は何も言わないんだ。


 ねえイロハねえお姉ちゃん大丈夫だよね.......?お姉ちゃんなんともないよね?


「...........うん、これはダメだね。シィアが半分壊れちゃってる。ねえそこの君何があったか教えてくれる?」


 イロハねえが近くにいる人に聞いてる。


 早く起きないかな?それとも私が起きるべき?


 これは夢。それもとびっきりの悪夢。これは現実ではない。


 でも変にリアルさを感じる。


 何が本当で何が嘘かもう分からないよ。


「ねえシキさんが倒れたって聞いたんだけどどこにいるの?」


 保健室の先生の大谷先生が来た。


 お姉ちゃんのそばに来る。


 ..............ダメ!!お姉ちゃんに触らないで!!!私からお姉ちゃんをとらないで!!!!


「..........これは無理ね。それにこれは学校で対処できるものじゃないわ。ただの熱ならいいのだけれど、明らかに熱を出していない。それにここ見て。胸元を強く握りしめたのか、ブラウスにシワが寄ってる。それに今は落ち着いてるけど、さっきまでは息が荒かったんでしょ?この時点でもう私の手に負えるものじゃない。救急車呼ぶしかないわよ」


 そうなんだ。お姉ちゃんずっと私が一緒にいるから。誰が来ようと関係ない。何があっても側を離れないから。


 優しくリズムよくゆっくりとしたスピードで子供をあやすようにポンポンってする。


 時々お姉ちゃんの手を握ったり、話しかけたりしてお姉ちゃんが生きてることを実感する。


 涙は流れっぱなしだから時々袖で涙を拭う。


 魅音達は何してるんだろう?お姉ちゃんのことが大切なんじゃないの?なんでこっちに来ないの?


 あっ!そっか来れないのか。私やイロハねぇ、大谷先生がいるからか。


 魅音を見るとそこにはひばりに抱きしめられた魅音がいた。


 ひばりもひばりで肩が震えてる。


 水上さんは固まってる。そりゃ怖いもんね。いきなり人が倒れるし、それがお姉ちゃんだしですごくびっくりしてる。


 それから数分経つと遠くからうるさい音が聞こえる。


 お姉ちゃんを抱きしめていると、教室に入ってきたのは同じ服を着た男の人2人。


 待って!!男がお姉ちゃんに触れるな!!!


 必死に守るけどイロハねぇに止められる。


 なんで止めるの!?お姉ちゃんがどっか行っちゃうんだよ!!また私達を置いて行くんだよ!!!そんなの嫌だ!!だからこそ私は今度こそはお姉ちゃんについて行く!!!


 例えお姉ちゃんがどこに行こうとも絶対ついて行く!


 カラカラと音を立てながらお姉ちゃんを乗せたストレッチャーが教室から出て行く。


 待っててねお姉ちゃん。すぐに追いつから。だから今度会う時は目を覚ました状態でいてね!





シィアが途中で壊れましたが、その理由はイロハが来たおかげで自分が気を張らないで済むと分かったからです。また最期の所のシィアはよく分からない所にシキが連れて行かれると思ってます。

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