プロローグ
胸糞展開からハッピーエンドの王道系のストーリーです。少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。
ただ、このジャンルの話は書く、というより長編を書くのが初めてなので、表現や文章など未熟な部分もあると思いますが、温かい目で読んでもらえると幸いでございます。
「はぁぁぁぁ・・・もうはっきり言うね。シャル、私はもう貴方に愛情もないの。私の心はもう勇者のレオンさんにあるの。だから、もう恋人の顔して近づかないでほしい。今のシャルみっともないし、すっごく気持ち悪いよ」
「あ・・・あ・・・」
少女の冷たい言葉に絶望する少年。そして・・・
「ぺっ」
ぴちゃ
美目麗しく、優しげな少女から忌々しげに吐き捨てられた唾が倒れ伏す少年の顔にかけられた。
もはや言葉もない少年をもう相手にせず、少女は一転幸せそうな笑顔を浮かべ、薄ら笑いを浮かべる男の腕を親しげにとり、身体を預け、少年のことを一瞥もしないまま、2人で仲睦まじく去って行った。
少年は絶望した。
勇者に手も足も出ずに倒れ伏したことも
あの将来を誓い合った女性が裏切ったことも
唾を吐き捨てるという決してしないであろう下劣な行為を自分にしたことも
自分の全てが失われた事実に
彼の意識は闇に落ちて行った。