諦めない心
更新遅くなりましたことをお詫びします。次話は今日中に仕上げて投稿します
ダークさんとの戦闘から3日が経っていた。 あれからダークさんとの関係がよくなったと少しは思えるようになった。ダークさんは心を開いてくれたみたいで前より会話が増えた、これは僕だけじゃなくて他の人達との会話も少しづつだけど増えていると思う。自身の内をさらけ出したことで気が楽になったのかもしれい。それはそうと僕達の迷宮の攻略は順調に進みついに地下最終層49層のボス部屋前にて僕たちは作戦を練っていた。作戦と言ってもメインの指示割はラックさん頼りになるとかなと僕は考えている。
ここまでは基本的にラックさんからの指示がありそれに沿って各自動くといった形が出来ていた。まあ、そのおかげでここまで特に危険もなく着くことが出来た。
そういえば、ラックさんこの部屋に入って時天井をすごく気にしていたけどトラップか何か警戒していたのかな?
「戻ったぞ。特にこの辺りには警戒することはないな。それとこの先にボス部屋の扉も確認できた」
「ダークさん周辺偵察お疲れ様です」
「おう。斥候職が俺しかいないからな少し手間取ったが何とか終わったよ」
今回パーティで唯一の斥候職であるダークさんは周囲の偵察のため此処に到着と同時に忙しく動いてくれている。おかげで僕達は安心して休憩をとることが出来ていた。
「ダーク君ありがとう。よしこれで皆揃っているかな?これより、ボス戦前のミーティングを始める。恐らくだがこれが最後のボス戦となると予測される」
「アンさん、あんたの言うことを疑うわけじゃないんだが。なぜ、これが最後だと言えるんだ?」
最初に疑問の声を上げたのはダークさんだった。
ダークさんの意見はもっともで、確かになぜ今度のボスが最後だと言い切れるんだろう?何か決定的な理由が・・・?
「うん、それは僕の方から説明するよ。 まず最初に次の階層が50層である事、これはこのゲームだと大体のケースで最深部ボス部屋になっている、そうだね?」
「ああ、そうだ。ここにいる奴らならまず間違いなく知っているだろうな。でも、今回は肌色の違う迷宮だ、そんな常識が通用するのか?むしろここからが本番、だなんてことがあるかもしれないぞ?」
そうだ、ラックさんがいう50層で終わる、なんて僕たちの常識がこの迷宮で通用するかなんてわかるはずがない。
確かに基本的に迷宮は第1層から始まり最深部は50層となっている場合が非常に多いが今回はダークさんの言う通り他の迷宮とは違う可能性だってあるそれなのに次が最後の層だと言い切るってことは何かしらの根拠があるのかな?
「勿論ダーク君の言う通りだ、ここは僕達に対して運営が造り出した最凶最悪の迷宮だ、罠も魔物も超が付くほど凶悪で意地が悪い」
「ならーー」
「でもね、僕は気づいたんだよ。ここに来るまでの道なり、トラップ、迷路、魔物それに中ボスの配置が余りにも『始まりの迷宮』に酷似していることをね」
確かにここに来るまでになんか来たことあるなと、違和感を感じたけど、まさかあの始まりの迷宮と同じ構成からできていたなんて・・・言われてみれば10層毎に出現するフロアボスはあの迷宮で出てきたオーガの上位変換だったはず。
オーガ種最上位のエンペラーオーガとその配下オーガキングの群れで苦戦を強いた。この前のフロアは確か最強スライムのメガスラさんだったはず・・・いや待てよ、そうするとこの先にいるのはあいつの上位変換の可能性が高い・・・
「始まりの迷宮と同じ構成なのは薄々感じてはいたが・・・ラックさんはここがいつ同じだと確信したんだ?もしラックさんの予想通りならこの先にいる奴は闇に堕ちた神『ルシファー』その上位変換もしくは超強化状態だと言うんだな」
「そうだね、まず最初に僕がここが始まりの迷宮だと感じたのは偵察後の報告が僕が覚えていた地図と余りにも綺麗に一致したときかな。確信したのはこのセーフゾーンに入ったときすぐ右手にある黄色い石の位置が完全に一致したときかな」
確かにデーターの使いまわしはよくあることだけど、ラックさんの言葉に此処にいた全員が絶句した。ラックさんが記憶力がいいことは薄々気が付いてはいたがここまで凄いとは思ってもいなかった。
確かにこの部屋に入って時凄く壁を気にしていたけどそんなところまでみていたのか。
「皆も覚えていると思うけど、過去に攻略したときに居たボスはダーク君が言ったルシファーだった。そう、初のフルレイドボスとして実装されたボスだ」
ルシファーは苦い思いでしかない。あの時は確かラックさんにアンさんそれにリーンさんのギルドが総出で攻略に乗り出したのにボス戦では苦戦を強いられギリギリのところで勝利することが出来た。
僕はその時もソロで活動していてアンさんに誘われいつもの二人と共に傭兵として参加していた。
だから知っている、あいつが、ルシファーがどれだけ強いのかを、それが更に強力になって襲い掛かってくるのだ、いくら最強の13人が集っても勝てるか否勝負になるかどうかすら怪し事を。
「ああ、よく覚えているぜ。あのぶっ壊れ性能は運営の悪意がひしひし感られたな」
「そうだったね。物理攻撃無効、魔法攻撃無効、瞬間移動、即時回復ぱっと挙げてみてもこれは酷いというものがおおかった、それが強化された状態で現れる本当に悪い冗談だ」
場の空気が落ち込むのが肌でわかるな・・・あのダンでさえ・・・・ん?あいつ下見て暗い顔してるのかと思ったらリズと二人でコソコソとなにかやってんぞ。たっく本当に空気読まない奴らだな。
まあ、負ける気がないのか最初から気にしてないのかどちらにせよこの場に誰よりも元気なのはこの二人かもな。
「まあ、今からその運営の悪意に挑むんだがな。で、勝算はあるのか?」
俺が能天気な二人のことを考えているといつのまにか話が進んでいた。そしてダークさんが確信に迫る。でも、その答えは聞かなくてもわかる気がする。ラックさんがこと戦闘否戦術の天才だとしても勝てるかなんてわかるはずがない。
ルシファーそれは間違いなくこのフレデリーファイヤーという世界で最強の一角と言える存在。
フレデリーフで初の超大型戦闘のボスとして登場したルシファーはそれは凶悪の一言に尽きる。
フルレイドに参加した84人もの強者相手に一歩も引くことのない正しく正しく化け物。
余りの強さに一時期は討伐不可能だとすら言われた怪物、それが闇に堕ちた最強の神『邪神ルシファー』
「正直言うと勝算はほぼないに等しいと思ってる。ボスの情報が足りないうえに時間がない、死に戻りで情報を集める時間すらね。ぶっちゃけチャンスは一度きりだと思てほしい。僕たちに残された時間は今日一日だけ、明日以降はリアルの時間があわないからね。そんななかで僕たちはボスを討たなければならない」
ラックさんの言う通り僕達には時間がなかった、今は4日間もの間奇跡的に全員が集まれているが本来ならこんなことはないと思う、そしてこのメンバーが一人でも欠けてしまったらもう二度と挑むことすらできないことをこの場にいる全員が気づいている。けど、今現状で揃う最大の武器、アイテム、仲間全てが揃ってもラックさんは勝算がないと言った。
これはもう事実上のムリゲーだ、誰しもがそう、諦めていた。
ただ一人を除いて・・・・
それは問うーーー
挑んでもないのに諦めるのかとーーー
誰が決めた、不可能だとーーー
この場には誰が集っているのだとーーー
ここには全てを守る最強の盾があるーーー
ここには全てを砕く最強の矛があるーーー
ここにはあらゆる怪我、否欠損を最強の癒す術があるとーーー
ここには敵を沈め、粉砕する最強の魔法があるとーーー
ここにはあらゆる敵の弱点をあぶりだす最強の技術があるとーーー
ここにはそれを統べる事の出来る最強の頭脳があるとーーー
ここにはフレンドリーファイヤー最強の男が居るとーーー
ここにはこれだけの守りがあり、力があり、癒しがあり、魔法があり、それを使いこなすことのできる者達が集っている。
なのに、なぜ諦める必要がある?
やってもないのに諦めるのか? それでも本当にいいのか?
俺たちはフレンドリーファイヤーの頂点だ、それが戦う前から諦めてどうするんだ。
俺はもう戦う前から逃げるのは辞めたんだ。
どうしても、無理だと諦めて帰るんなら俺は止めない。俺は一人でも挑んでやる!!
ダークは語る、心の全てを。
この場で誰よりも勝つことの出来ない相手に挑む恐怖を負ける恐怖をしっている。
挑む事すらしないで諦めてしまう事の愚かさも誰よりも知っていた。
勝てないと知りながらも諦めない不屈の心をダークは持っている。そして、ここにいる全員が同じだとそう確信しているなぜなら、諦める事ができなくてみっともなく足掻いて努力して本気になれた仲間だと。そして自分の道を信じて突き進みその頂きに到達した最強者だと。
「そうだね、ダーク君、君の言う通りだ。挑む前から諦めていたら勝算なんてあるはずがない。それにここには全てが揃っているんだ、相手がどんなものであろうと戦う前から諦めるなんてことはダメに決まってる。 目が覚めたよ僕は僕達は最強なんだよ。この世界でフレンドリーファイヤーで僕達は最強の13人でないといけないんだ。戦う前から諦めるなんてしちゃいけない、そうだろ皆?」
ダークさんの言葉に突き動かされた13人は再び動き出すこの先にいる理不尽を倒すために。このフレデリーファイヤーで最強は自分たちであると証明するために。
なかなか話が進まず本当に申し訳ありません。異世界に行くまで2~3話ほどお時間を下さい。