ーー3話【女神との誓約】ーー
マカロフは気になることがあったので一つ質問をしてみた。
「俺が世界を救わないって言ったらどうするんだ? もしも、もしも俺が不死の力を得て、この世界を救わないと言ったら?」
そう。不死の力を得ることで、自分は女神に何かされないか、と。
『確かにそんなことされたら私達は困るわね。けれど大丈夫よ。あなたの事はずっと見ているわ。もしも変な事をしようとしたら不死の力は無くなるようになっているから。それと、あなたが危惧しているようなことは起こらないから大丈夫。私達は資格ある者に不死の力を与える。それだけだもの。』
ふふっと女神は微笑みマカロフの答えを待つ。
「取り敢えず世界を救うかどうかよりも、何から世界を救うか教えてくれるか?」
『そうね、1つの大陸が6つの大陸に別れ、それぞれに国が出来たことは知ってるわよね? 五角形のような大陸の中あなた住む真ん中の大陸、【ゲルリア】その北にある大陸【ノスタリア】西の【ウェスタリア】東の【イスタリア】南西の【ウェルトリア】南東の【ヴィルタリア】そのすべての国で魔物の活動が活発化しているのです。ですが、魔物たちの様子が変で、魔王がもし人間を駆逐しようと思って動いているのならこのようにすべての大陸へと攻めず、1つずつ落としていくはずなんですが......そこでですね! あなたには調査をしてもらって、そしてその元凶を潰していただいて、この国に平穏を取り戻していただきたいのです! どうです? 助けてくだいますか?』
確かに最近は魔物が少し多くなってきたし、今までよりもほんの少しだけ強くなっている気がしていた。
「いいけど、条件がある。俺は見ての通りただの村人だ。金がない。取り敢えず2000ゴールドくれ。後は、ロングソードが欲しい。質のイイヤツをくれ。そうすれば考えてやる」
この世界では2000ゴールドはそれなりに大金だ。
マカロフの好物であるパンは1つで6ゴールド。家を買うとなると10万ゴールドはくだらない。
『2000ゴールドですね。わかりました。ロングソードですが、どのようなものをご所望ですか? 一口に質がいいと言われましても、素材でしたり装飾でしたり長さや重さなどあります。ご自分に合った武器でないと世界は救えないでしょう?』
皮肉に聞こえるが彼女の微笑みを見るとそんな様にはみえなかった。
そして、マカロフはあれこれと注文をして、素材は最高級のインゴット、装飾は至ってシンプルに、重さや長さなどは彼が持つにはやや大き目に見えるものを注文していた。
『それではもう一度聞きます。シューディー・マカロフ。貴方はこの世界を、私達を救ってくだはいますね?』
マカロフは悩んだが己の正義と彼女の期待に満ちた顔を見るとどうしても断れなかった。
「あぁ、いいとも。魔物を片っ端からぶっ殺して頭を叩けばいいんだろ?それに俺は不死になる。怖いものなんてねぇよ!!」
『わかりました。では、貴方に2000ゴールドと、この剣。それと、不死の力を授けます。どうかご息災で』
不死であっても病気にはかかるのかと思い、これからどうするかと考えていると
『あ、待って。あのね、いい忘れてたんだけど......』
嫌な予感がする。
『不死って言っても完全じゃないのよ。人間の、貴方の核である心臓と頭を攻撃されたら不死の効力が聞く前に息絶えてしまうの。だから......頑張って! じゃね!』
そう言い残して女神は去り、マカロフは地上の穴があった場所へと戻っていた
「あぁぁぁんの、クソ女神がぁぁぁぁぁ!!!!」
マカロフはここに、女神を殴るという新たな目標を胸に家へと帰るのであった。
国と大陸の設定を変更しました。
その他会話文を少し変えました。