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冒険の始まりは1輪の花??  作者: Gamu
第二章【魔物研究】
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ーー5話【盲点】ーー

「それじゃ、ビビアンは約束通りここで待っててくれな」


 ビビアンには悪いが、騎士団を壊滅させるような相手だ、それに、【幻術使い】だけでなく、魔物も多くいると言う。正直足手まといになってしまうので約束通り宿で待っていてもらうことにした。


「そう......ですわよね。えぇ、わかってましたが情けないですわね」


 ビビアンは俯き、呟いたがすぐに顔を上げるとニコッと笑い


「では、私は待ってますので早く帰って来てくださいね! そうしたらその後はノスタリア観光でもしましょう!」


「あぁ、待っててくれ。出来るだけ早く帰ってくるが場所が場所なだけに少なくとも2日はかかっちまうけどな。約束する。早く帰って来て観光しような」


「みゃーもこの国は寒いけど結構好きみゃ! 景色も綺麗だしみゃーも約束するみゃ!」


 そう言ってマカロフ達は宿を出て、徒歩で【アウスエルンの鉱山】へと向かった。


____________________________________


「うぅ、寒っ......まさかここでもあの魔導器が役立つとはな......」


 マカロフがゲルリアで特訓をしたとき山に行ったことがある。

 その時に火を起こす魔導器で魔物を焼いて食べたり、暖を取ったりと、結構助かったものだ。


 今回も魔力を温存しておきたかったのでちょうどよかった。


「うぅ、帰りたいみゃ......寒すぎる。これは絶対体が固まっていって永遠の眠りについてしまうのみゃ......」


 大げさだがネビアの言ってることもわかる。

 いくら雪が降っているからとはいえ寒すぎる。


 この【ノスタリア】という国は晴れる日が1年に何日かあればいいほうだ。

 そのせいでとても寒くなっている。


「マカロフ、そろそろ魔物が出てくるみゃ。気を引き締めるのみゃ」


 ある程度歩いたところで、ネビアが声色を変えて敵が来るのを知らせてくれた。


 敵はおよそ20体。種類はバラバラだが、動きに一体感がある。操られることでそのようなものが生まれているんだろう。


「俺らが来るのを分かってたみたいでなんか癪だな」


 マカロフは背中から愛剣を抜き、敵へと向かう。

 手前にいた犬型魔物を2匹3匹と斬る。

 当然敵もただやられるだけではなく、反撃をしてくる。

 だが攻撃はマカロフには届かない。


「おっ、この作戦意外と通用するかもだな」


 マカロフは船の上で練った作戦[フィールド展開]作戦を実行してみた。

 出力は弱めにしてあるが、それでもこの程度の魔物には面白いように効いていて、マカロフの近くに来ると壁があるかのように跳ね返されていた。


「うん、やっぱりその作戦は使えるのみゃね。みゃーはあんまし魔法は使いたくないみゃしマカロフ頑張るのみゃ!」


(ネビアにはフード男の魔法を相殺してもらわなきゃだからしょうがないけど、俺も魔法攻撃するんだよなぁ......ポーションは持ってきてるからいいけど)


 数がそれなりに多いため剣だと埒が明かない。それに、剣で攻撃してる間は保険の為に[風]のフィールドを展開している。それだったら1発魔法を打ったほうが効率がいいなと思ったマカロフは、得意魔法である[雷]魔法を剣にまとわりつかせそれを振る。

 すると[雷]魔法は敵に向かって伸びる鞭のように変形し、攻撃した。


 そして、マカロフはまだやりたいこともあったのでついでにあることをしてみる。

 それは、マカロフがゲルリアを出る前に商店で買った針に[雷]魔法をまとわりつかせ、その周りを[風]で覆い、針にかかる風の抵抗を減らす。

 マカロフがそれを投げるとものすごいスピードで敵へと向かった。


「おし、両方成功だな。これなら最悪暗殺も出来るな」


 暗殺をする場合は[雷]ではなく[光]をまとわせれば速度、威力ともに上がって成功しやすくなるだろう。


 一通り実験を終わらせ、魔物も掃討したマカロフは奥へと進んだ。


 ある程度進むと洞窟の入り口があった。

 その前にはかなりの数の魔物がいたのであそこで間違いないだろう。


「あれ全部人型だよな? ならあれ行けるか?」


 人型の魔物は呼吸をすることで体内に酸素を取り入れ活動する。

 酸素を補給することが出来なければそれだけで死んでしまうのだ。


 それを知っていたマカロフはまず[土]魔法で大きな壁をつくり、その中に魔物たちを閉じ込める。

 そこに[水]魔法でつくった大きな球を入れ、水没させる。

 これにより魔物たちは数分後には死んでいる。

 はずだった。


「なんか水の球が浮いてきてんだけど!?」


 理由はわからないが何かにマカロフの魔法が妨害されていた。否、押し返されていた。


「なぁネビア、この感覚ってもしかしてさ......」


「でも、魔物がそんなものを使えるわけがないみゃ......」


 2人は顔を見合わせ


「「魔法使ってね!?」」


 そう、ありえないことだが魔物達が魔法を使っていたのだ。


 魔物は魔力を宿している為理論上は魔法を使えるはず。だが、魔法の使い方を知らない為今までは使えていなかった。

 だが、今は状況が違う。

 魔物を従える人間が居る。その者が魔法を教えたとしたら?


「クソっ......考えが足らなかった。どうすりゃいいんだ? こんな数相手だと魔法使っても押し返されるぞ......」


 魔物はかなりの数がいる。恐らく魔物達はほとんどの魔法を使えるようにされているだろう。

 かといってこの数を剣だけで捌ききるなんて出来ない。論外だ。


 もう打つ手無しかと思われた時、マカロフは思いついた。


 魔法で魔法を押し返すのにはその魔法と同属性であり、同じだけの力で返さねばならない。

 当然そうなると意識は1つに向くだろう。

 なら、複数攻撃をすればいいのだ。


「魔力あんまり使いたくねぇのによぉ!」


 マカロフは[雷]魔法を大量展開し、一斉発射。

 それはいくつか止められながらも確実に魔物達の命を奪っていっている。


(これならいける!)


 マカロフはそう思っていた。


 しかし相手は魔法を使える。

 当然防御をするのも容易いことで、[土]魔法で壁をつくったり、[水]魔法で電気を遮断した。


 だが、それもマカロフは読んでいた。

 相手の壁のおかげでマカロフは相手の視界から消える。

 そこで前もって準備させていた[火]魔法でつくった人工太陽を打ち上げ、相手の元へと降り注げる。


 相手はこれは対処できなかったようで今度こそ敵は全員倒れたのだった。


「やっべ、魔力がほとんど残ってねぇ......ポーションで足りっかな......」


 今回の戦闘はなかなか魔力を消費した。

 それに得る情報も多かった。

 まさか敵が魔法を使うとは......これより先は魔法を使ってくる魔物ばかりだろう。気を引き締めていかねばな。


 マカロフは洞窟の前で10分ほど休憩してから洞窟内へと入ったのであった。

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