ーー閑話【理由はあるの?】ーー
マカロフの女神に対しての態度についておかしいのでは?という声があったので書いてみました
「マカロフ、おみゃあさんはなんであんなにも女神様を嫌ってるんだみゃ?」
嫌いというかなんと言うか......ネビアには話しておくか。
「俺ってさ、親父をちっちゃい時に亡くしてんだ。そんでな、親父のことを知ってた村の大人達から人柄は聞いてたし、村を出る日に母ちゃんからも色々聞いたんだ」
マカロフがマリアンと別れる日、コルドの事を中心に色々聞いていたのだ。
「親父は物凄く良い人だったんだってよ。困ってる人がいたら助けてあげたり、とにかく世話を焼くのが大好きだったらしいんだ。それなのに親父は魔物に殺された。ははっ、それからかな? 神なんてものは信じなくなった。そしたら俺の目の前に女神なんて現れやがってよ、ほんとは女神の依頼も受けたくなかった。俺の親父を見捨てた神だ。そんなのの頼みなんて聞いてやるかーって思ってたんだがな。もしかしたら俺と同じ思いをした人もいるかも知れない。そして、魔物達を放っておけば同じ目に合う人も増えちまうだろ? そんで依頼を受けたんだよ」
マカロフはあの時はとても悔しかった。なぜ自分の父親を見殺しにしたのか。
なぜ自分の父親でなくてはならなかったのか。
だがそのいずれも今更行ったところでしょうがなかったし、どうして欲しいわけでもなかった。
「そんでな、俺は特に嫌ってる訳じゃねえよ? ただ、あの女神といるとどうしてもなんか言ってやりたくなっちまうんだ。相手は神だから下手なこと言い過ぎて怒らせちまったらこえぇけどよ、あの女神はきっとそんな風にすぐカッとなって事を起こさず、またおどけてみせるだろう。なんか知んねぇけどそう思えるんだ」
マカロフは、まるでここには無い何かを見ているかのように天井を見ていた。
「ただ、あの女神の無能さはマジで腹立つけどな!」




