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第一部:三 南へ

「バシク島まではあとどれくらいかかるんだ?」


馬車の荷台に両手を縛られた状態でレイルはいた


「このまま行ったら1ヶ月ほどだな」


隣でレイルを監視している中年の帝国兵はそう答えた


帝都を出発してすでに2週間、レイルはこの帝国兵とそれなりに仲が良くなった


「そうか、まだまだ長いな」


レイルはそうつぶやくと目を閉じ、暗闇の世界へ引き込まれた


















ふと気付いたとき、日は落ち、あたりは暗くなっていた


次に気付いたのはあたりの騒がしさだ


「戦いの音・・・」


鉄と鉄があたる音、矢が飛ぶ音、そして人の断末魔


その音も次第に少なくなり、1人の男が馬車へ入ってきた


「久しぶりだな。レイル」


黒髪で、片方の目を眼帯で覆った男だ


「ルトガーか、半年前にあったきりだったからな」


目の前にいるのはレイルの親友であるルトガー上級大将その人である


「お前な、まかせたってなんだよ、計画性無さすぎだろ」


嫌味を言いながらもその顔には笑みがこぼれている


「来てくれてありがとう」


レイルは率直に礼をのべた


「俺とお前の仲だ、礼はいらねぇ」


「きっと、お前の地位も名誉も剥奪されるぞ」


「別に将軍の名もほしくて貰ったわけじゃねーよ」


「そうか、で、この縄ほどいてくれないか?」


「あぁ悪い」


そう言うとルトガーは短剣で縄を切った






「ずいぶん派手にやったな」


「そう言うなよ、お前の護衛に150もいたんだぞ?手加減する暇無いって」


そう言いながらもルトガーは苦笑いを隠しきれていない


「で、何人連れてきたんだ?」


「こっちに連れてきたのは500だけだ、この先のブリュー平原に俺の直轄軍2500が待機してる」


「おいおい、逃亡するだけなのに3000もいるか?しかも直轄軍だと?クルドア騎士団と言えば帝国でも五指にはいるほどの精鋭じゃないか」


「まだまだ、その先のアノン城にはシド大元帥を慕う兵が続々と集まっているぜ、当然お前の軍もそこで待機している」


レイルは困惑した


「お前、帝都にでも攻め入る気か?」


「ははは、さすがにそれは俺でもしねぇよ、・・・この帝国のどっかで国を立ち上げる」


「!!!!!」


「オルフェンにも承諾済みだ」


レイルは唖然とした


「そんなことできると思っているのか?帝国は総兵力1000万を超すんだぞ?」


「じゃあお前はどっかで父親を殺した帝国をうらみながら隠れて暮らすだけか?そんなんちげぇだろ、この帝国は腐ってる、お前がそれを新しくすんだろ!!俺はお前の才能を信じている。だから絶対に出来る!!」


数十秒の沈黙の後、レイルは答えた


「わかった、やろう、だが軍資金が無いぞ?」


「安心しろ、ベガル王国のヴォア公爵に援助を頼んでいる」


ヴォア公爵とはこの世界で一番の大富豪と言われるほどの大富豪だ


「そうか、あの人なら大丈夫だろう」


これで資金面は解決した


「じゃあとりあえずアノン城へ向かおうぜ?」


「あぁ、そうだな」


500の兵たちは南へ進撃を開始した

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