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D1 このまま眠り続けると彼女は死んでしまう、と嘘をつく



 あなたはヒロインを目覚めさせてもらうために、嘘をつくことにしました。

 このまま眠り続けると彼女は死んでしまう、と悲壮感たっぷりにヒーローに告げます。

 悪き魔女の死の呪いは、善き魔女によって緩和され、眠りの呪いになりました。

 どれだけ眠り続けたとしても、ヒロインが亡くなることはありません。

 けれど、嘘も方便です。

 ヒロインの命を天秤にかけなければ、ヒーローの意志は変わらないだろうという確信のようなものがありました。


「本当に?」


 ヒーローは疑い深いようで、簡単には信じてくれません。

 しばしにらめっこ対決となりました。

 睨むというほど視線は鋭くありませんが、気分は蛇に睨まれた蛙です。

 あなたはボロを出さないように、ただうなずきを返します。

 多くを語ったところで彼には意味がないでしょう。


「まあ、どっちでもいいか」


 にらめっこはそれほど長くは続かず、唐突にヒーローはあなたから視線を外しました。

 本当にどうでもよさそうな口ぶりです。

 そんなに簡単に覆されるような意志だったのでしょうか。

 ヒーローが何を考えているのか、あなたにはまったくわかりませんでした。


「対リスクを考えた結果だよ。タイミングを計るのも重要だけど、それ以上に、君の言葉が本当だった場合のリスクが大きすぎる」


 あなたが不審に思ったのを感じ取ったらしく、ヒーローは面倒くささを隠そうともせずに説明しました。

 なるほど、たしかに彼の言葉には一理あるように思えました。

 信じないことでのリスクのほうが高いから、嘘かもしれなくても一応は信じておこう、ということなのでしょう。

 ヒーローはかなり合理的な考え方の持ち主のようです。


「まあ、少し計画を変更する程度ですむしね。咲姫が起きてからだって、いくらでもやりようはある」


 頭脳派のヒーローは脳内で計画を立て直しているようです。

 それがどんなものかはわかりませんが、きっとハッピーエンドになるために必要なものなのでしょう。

 ヒーローがヒロインを最優先にしているのは、先ほどの答えでわかりました。

 ならば、ヒーローはどんな手段を使ってでも、ハッピーエンドを勝ち取るはずです。

 心配事がなくなって、安堵が心中に広がっていきます。


「キスシーンを見たいならどうぞご自由に。でも、できれば二人っきりを邪魔されたくはないかな」


 ちらりとこちらに視線を向けたヒーローは、平坦な声音でそう言います。

 あなたは別に、覗き見の趣味があるわけではありません。

 ヒーローがヒロインを目覚めさせるのであれば、あなたがここにいる理由はなくなりました。

 目が覚めたヒロインはヒーローと恋に落ち、めでたしめでたし、となるのです。

 それこそ、あなたの望んでいるハッピーエンドでした。


 あなたはこの物語から去る前に、最後にこう言い残しました。

 二人のしあわせを願っている、と。


「もちろん、しあわせになるよ」


 そう答えたヒーローは、少しだけ笑みを浮かべていたように、あなたには見えました。





「ふぁ……」

「おはよう、咲姫」

「あれ? おはよう季人。私、寝てたの?」

「うん、ずっとずっと寝てた」

「そっか、起こしてくれてありがとう」

「……ちょっとだけ、感謝かな」

「は?」

「ううん、こっちの話。タイミングも重要だけど、咲姫が起きていないとつまらないもんね」

「よくわからないんだけど」

「咲姫が起きてくれてうれしい、ってこと」

「……ふぅん。まあ、私も、起きて最初に見た顔が季人でうれしいよ」

「咲姫にしては素直だね」

「すごく久しぶりな気がするから」

「ずっと寝ていたからね」

「寝坊しちゃったなぁ。今、外の世界はどうなってるんだろ?」

「だいぶ変わったよ。でも、大丈夫。全部俺が教えてあげるから。咲姫が心配するようなことは何もないよ」

「……相変わらず、甘々だね、季人は」

「咲姫限定でね」






                Happy End!

                パスワードその4「s」

http://sky.geocities.jp/koinokagi/zakka/○○○○.html

アルファベットを1から順番に当てはめていってください

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