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Snow flakes   作者: 山吹 ことり
高校編

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幕間|予定外の甘さ

 昼休みの終わりかけ、

 ヒナタは妙に姿勢を正して現れた。


「あのさ。

 名前、考えたんだけど」


 声に、わずかな気負いが混じっている。


「早くない?」


 パンを半分くわえたまま、ハヤテが目を上げた。

 面白がっているが、茶化しすぎない距離感だ。


「どんなの?」


 本を閉じたコウタが、静かに続きを促す。


 ヒナタは一拍置いてから、言った。


「Snow Line とかどう?」


「電車止まりそう」


 即答だった。


「じゃあ、Snow Beat」


「……直球だな」


「だってさ、

 雪みたいに静かで、でもちゃんと鳴ってる感じ」


「冬限定感あるな」


「……じゃあ、White Pulse」


「なんか病院」


「脈拍測ってるみたいだな」


「……」


 ヒナタは少しだけ眉を寄せる。


「Pure Sound」


「急に真面目」


「変な飾り、いらないかなって」


「今つけたろ」


「……うるさい」


 笑いが落ち着く。


 ハヤテは肩をすくめ、

 コウタは本を閉じ直した。


「名前ってさ、

 呼ばれ続けるものだから」


「重たいな」


 ヒナタは一瞬だけ、言葉を止める。


「じゃあさ。

 もうちょっと、考える」


 その言い方が、妙に真剣で。


 二人は顔を見合わせ、

 今度は何も言わずに笑った。

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