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Snow flakes   作者: 山吹 ことり
大学編

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29/93

幕間|間

 言葉を手放したあと、

 音は思っていたより静かだった。


 ギターを抱えているのに、

 何か一つ、

 抱えていた重さが抜けた気がする。


 コウタに預けたことを、

 後悔はしていない。


 むしろ、自然だった。


 ヒナタはスタジオの床に視線を落とす。


 ケーブルの脇に、

 誰のものか分からないピックが一枚、

 無造作に転がっていた。


 それを見た瞬間、

 昔の光景がよぎる。


 放課後の教室。

 机の下に転がっていた消しゴム。

 拾い上げるより先に、

 名前を呼ばれたこと。


 ふと、顔が浮かぶ。


 それだけの記憶だった。


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