第九幕: 成就の微笑み、閉じられた幕
やあ、坊や。まっくらな夜が、再び訪れる。第八幕の悲鳴から、川辺のループへ。ダンケリットの沈黙と、フックの成就独白——予言の輪が、始まりを終わりに変える。
【物語】黒妖精ダンケリット
【第九幕】
ーー
まっくらな夜
まっくらな川の前
幼児が一人
そこにフワフワ飛んだり、
跳ねたり、
蛍の光をもっと大きくした光
白い光を身にまとい
黒髪のボブカットヘアで
金色の目をした女の子
黒い羽をした妖精が
彼の肩に座ってた。
ーー
ねぇねぇ、話を聞いたでしょ?
始まりと、
終わりの物語。
さっきので、
物語は、おしまい。
このお話のイヤなとこは、
先がないってところだけ。
結局、ネバーランドにも戻れなかった。
あの部屋だけが、あの子との思い出。
でも、良かったかもしれないわ。
あの子は縛り首にされるのは、
見るのも、
聞くのも、
ごめんだわ。
ーー
彼女は沈黙し、鼻を鳴らす
幼児は彼女を見て、
初めて微笑む。
妖精は目を見開くんだ
ーー
ああ、愛しい黒妖精。
ボクのダンケ。ダンケリット。
ボクは、なれたよ。
大悪党。
君の予言は成就した。
恐ろしい仲間たちを集めて
島のやつらと戦った。
礼儀知らずのクソガキめ
思い出す度、腹が立つ。
片腕も失い、
だけどボクの名前は箔がつく。
インディアンたちから
島を奪いとる
海賊仲間にゃ崇められ
誰もが恐れる大海賊。
聞いて驚け、黒妖精。
俺様こそ、
ジェームズ・F・フックだ。
我が船はサメ!
海上では、獲物を求めて
地上では、我らの自由を泳いでく
黒妖精ダンケリット。
ボクのダンケ。
これからインディアンと戦う。
君が側にいてくれたら
きっと面白い冒険ができる!
来なよ、ダンケリット!
やつらを地平線まで蹴り飛ばそう!
こうして、物語は続いていくのだ。
だが、黒妖精ダンケリットの物語は、ここでおしまい。
(幕はフック船長によって閉じられた)
第九幕は、フック船長によって幕を閉じる。ダンケリットの物語はここでおしまい——でも、フックの航海は続く。君の予言は、成就する? この光は、永遠に輝くさ。