第四幕: 汚れた川、窓辺の気配
やあ、坊や。夢は魔法の豆さ。育つと雲の上まで登るけど、マヌケづら。第三幕の汚い川から、ダンケリットは夢見る子を探す。インディアンのムチ打ちを横目に、気になる少年の巣へ——窓ガラスが、運命を隔てる。
ねえ、坊や。
夢はある意味、魔法の豆。
育つと豆から芽がでるの。
楽しいものへと、伸びていき、
そこを登るのが、マヌケづら。
目だけはキラキラ輝かせ
雲の上まで登るのよ。
第三幕は、悪夢の島のネバーランドに、帰られなくなった黒妖精。
こんな悲劇があるかしら?
まあ、いいわ。夢見る子さえ見つかれば、きっと帰れた不思議な島。
えっと、
ーーそれからなんだっけ?
いま、記憶のあたしがいる所は?
薄汚れた川の上、
唾吐きながら飛んでたわ。
煙はもくもく、
葉っぱのドレスを腐らせる。
お気に入りの服だった。
あんなに大事にしてたのに。
夢のないあたしや、泣きたいよ。
服まで無くすことになる。
夢見る子どもたちが必要さ。
あたしは、少し考えた。
インディアンは川の近くにいるもんさ。大雨洪水のぞくなら。
近い方がいいもんさ。
川の近くに、子どもらが、
きっといるはず夢見る子。
あたしゃ、妖精ダンケリット!
黒い妖精ダンケリット!
夢見る子どもの気配ぐらい、
わからないわけないだろう!
こうして、
あたしの冒険の
始まりの合図がなったのさ。
そして見つけた子どもの巣。
石で囲った家畜の巣。
子どもが群れてマヌケづら。
お尻をムチで打つのが楽しみ。
インディアンの女。
下唇を噛む子どもを見ていたら、
なんだか気になる、
あの子にするか?
なんだかイヤな気分だわ。
影が伸びてく片手の男。
尻を押さえただけなのに。
まだ太陽は沈まない。
巣から離れて、
別の子さがす。
夜になって月がのぼる。
優しい光をいっぱい浴びた。
だけど窓が閉められて、
入っていけない子どもの巣。
泣いてる子の声が、
耳に入るよ、この耳に。
さっと飛んで見ていたら、
尻を押さえて寝台に、
横たわってた男の子。
窓を閉められる、その前に。
飛び込んでいったのさ!
黒い髪した男の子!
窓が閉められる、その前に!
(こうして、第四幕は窓ガラスと共に幕を閉じる)
第四幕は、窓ガラスと共に閉じる。黒い髪の少年の部屋へ飛び込むダンケリット——この出会いが、利用の始まりか、絆の蕾か。次幕では、粉の失敗が永遠を告げる。君の窓は、開く?