第一幕: まっくらな川辺、迷子の光
やあ、坊や。まっくらな夜に、泣き声が響く。そこにフワフワ飛ぶ一つの光が舞い降りる。黒い羽根の妖精が、幼児の孤独に寄り添う——これは、ダンケリットの始まりの物語。そして、終わりの物語さ。さあ、耳を傾けなさい。
ーー
まっくらな夜
まっくらな川の前
泣いてる幼児が一人
そこにフワフワ飛んだり、
跳ねたり、
蛍の光をもっと大きくした光
白い光を身にまとい
黒髪のボブカットヘアで
金色の目をした女の子
黒い羽をした妖精が
あらわれたんだ。
ーー
ねぇねぇ、こんな所に、マヌケづら。
どうして、一人で、泣いてるの?
ママに置いてかれたのかい。
なになに、
子守唄が聞こえない?
あたしに歌ってほしいのかい?
あたしゃ、アンタのママじゃない。
泣き声きいて、やってきた、
たったそれだけ、それだけさ!
あたしの名は妖精ダンケリット。
黒妖精のダンケリット!
黒い羽がお気に入り!
だって、特別なんだから。
あたしゃ、ある子を探してる。
その子も前まで泣いていた。
あんたも泣いてちゃ世話ないよ。
まったく、こりゃ、大損さ!
あたしも本当、泣きたいよ!
ネバーランドに帰れない。
夢見る子もいないのさ。
夢見た子にはーーまあいいさ!
子守唄は歌わない。
だって眠るには、早すぎる。
代わりに聞かせてあげるのは、
きっと恐ろしい島の名前。
アンタがきたら、さあ大変!
インディアンの腰巻きに
吊るされたるは
アクセサリー
ちっちゃな頭は持ちやすい!
それでも、故郷!
我が島よ!
そこには決して帰られないが、
唄の代わりに語りましょ。
耳をふさいでも、手遅れさ。
あたしの始まりの物語。
ーーそして、終わりの物語。
ーー妖精は、面白そうに話し始めたーー
第一幕は、妖精の恐ろしい島の語りで幕を閉じる。子守唄の代わりに響くネバーランドの闇——この出会いが、ダンケリットの迷子を加速させるのか、それとも新たな予言の種か。次幕では、故郷の炎が燃え上がる。君の泣き声は、誰を呼ぶ?