大きな鳥
「あれ?なんだろこの絵本…?」
「おおきなとりとかぜのしま」というタイトルと大きな鳥が描かれたという絵本はやけに古びていた。
表紙はところどころ擦り傷が目立ちページの端の黄ばみが外から見てもわかるくらいだった。
ひょっとすると自分の親が生まれるよりも前かもしれない。
そんなものの原本を読めるという好奇心に駆られ、ピクシーはその絵本を読むことにした。
むかしむかし、
せかいじゅうをおおうほどの
おおきなくろいくもがあらわれました。
くもがそらがみえなくなるまでひろがると
あらしがおこりました。
やすむひまもなく
かみなりはおちつづけ
あれくるうなみと
みわけがつかなくなるほどの
どしゃぶりがふりつづけ
まるでこの『よ』のおわりのようでした
そんなあらしがいっしゅうかんつづいたあと
あらしはおさまりました。
それからすうじつご
うみのむこうからおおきなとりがとんできました。
「どこからきたの?」
「むこうはどんなところ?」
こどもたちがなにをきいても
おおきなとりはくちをひらかず、しまのうえでやすみました。
しばらくやすんだあととりさんはきたへととんでいき
かぜのふくしまにはいりました。
とりさんは
はねをちらしながら
どうくつのおくへすすんでいき
ちかふかくにたまごをうんで
ねむりました。
ほらあなでうまれたひなどりは
ほらあなにはいったどうぶつをえさに
どんどんおおきくなりました。
ひなどりはいまも
みずのうえで
おおきなたまごをまもりながら
ごはんをまってねむっています。
「終わった…」
まぁ、昔の絵本は備忘録や戒め代わりの童歌とか、そんなところだから特に変ってこともないか…
特に盛り上がりや見せ場もなく終わった絵本に対し、そんな感想を抱いていると
「変わった絵本ですよね。」
「へあぁ!?」
不意に後ろからかけられた声に腑抜けた声を上げながら驚いた
「えっと、あなたは?」
「この図書館の司書です。」
ショートヘアのおとなしそうな女性は微笑みながら質問に答えた。
「この本、いつから置いてあるかわからないんですよね。館長さんに聞いても、すでに置いてあったらしいんです。なんだか不思議ですよね。」
「え、えぇ…、私も面白いってほどではないんですが、それでもどことなく引っかかるような…そんな感じが…」
そんなピクシーの言葉に図書館のお姉さんは話しかける
「良かった借りますか?他の本と一緒に3冊までで1週間借りられますよ」
「あぁ、私は、その、船旅していて、この島に長居しないから…」
そう言いながら少し考えてから尋ねた。
「この本の内容、写してもいいですか?」
「まさかとは思いますが、贋作を作ったりしませんよね」
「し、しませんよ!」
いきなりの冷たい視線と問いかけに怯みながらまたもや情けない声で答えた。
「冗談です。構いませんよ。」
「あ、ありがとうございます。」
そう言って、カリーナが帰ってくる前に文章と簡単に絵を持っていた羊皮紙の束に書き写した
そんな中、リビアは路地裏で少女の眉間に銃を突きつけていた
「追い詰めたぞ、観念するんだな…」




