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いざ神王ダンジョンへ


「それでは星宮さん。ダンジョンを選んでください」

「え、ダンジョンを……選ぶ?」


 俺は想像してなかった言葉に疑問符を浮かべる。


「この神王ダンジョンには様々なダンジョンへの扉が設置されています。その中から星宮さんが行きたいと考えるダンジョンを選んでください。ここから選べますので」


 セレーネは石の扉の前にある、石材で出来た書見台のようなものに触れる。

 その書見台には古い本が置かれていた。


「俺、その本の文字読めるのかな……」

「ご心配なく。ちゃんと読めるように翻訳される魔法がかかっていますので」


 俺はセレーネの言葉を信じてその本を開く。

 そこには見たこともない文字と、絵が書かれていた。

 文字を目で追うとすんなりと意味が頭の中に流れ込んでくる。

 これが翻訳の魔法だろう。


「……よし、選ぶか」


 ダンジョンが沢山あったので、まとめるのに時間がかかってしまった。

 気になったダンジョンが三つほどあった。


 一つは鉱石ダンジョン。あらゆる鉱石、宝石が採掘可能。

 二つ目は森林ダンジョン。薬や毒の原料になる植物が生えている。

 三つ目はモンスターダンジョン。強いモンスターばかりが大量に出てくるが、高価な素材がドロップしやすくなる。かわりに取得経験値は百分の一に減少する。


 そして、これはどのダンジョンにも共通のようだが、深く潜れば潜るほどいいアイテムを入手できるが、同時に危険なモンスターも生息している。

 加えてダンジョンを踏破するとなにかご褒美のアイテムが貰えるらしい。


 だが、一つこの本について謎が残った。

 本の最後の方に、色が変わっているページが少しだけある。

 他のページには生息しているモンスターや素材などの情報と挿絵が載っているのに、その十ページぐらいは紋章だけが載っているだけだった。

 結構重要そうだったのだが、なぜか翻訳もされない。


「ここ、何が書かれてるんだ?」


 俺はセレーネに質問する。


「そこは今のあなたでは危険なのでまだ入れません」


 なるほど、要は俺のステータスとレベルでは足りないということだ。


「それで、どのダンジョンにするんです?」

「とりあえず、俺はこのモンスターダンジョンに行こうと思う」


 1000億円を稼ぐリミットまで、あと一年しか無い。

 とりあえずできる限りこのモンスターダンジョンで高ランクモンスターを狩りまくり、高価なドロップ品をできるだけ多く入手したい。


「承知しました。それではその本に手を翳してダンジョン名を唱えてください」


 セレーネに言われた通り、俺は本に手を翳してダンジョンの名前を唱える。


「モンスターダンジョン」


 すると石の扉にドラゴンの紋章が炎で描かれた。

 扉が開き、隙間から炎が漏れ出していく。

 俺はその扉へと歩みを進めたのだった。


***


「ここは……ダンジョンの中か」


 いつものダンジョンのように、暗い洞窟の中に俺はいた。

 後ろを振り返るとさっき通ってきた石の扉がある。


「見た目は普通のダンジョンと変わらないけど……」


 ここは高レベルモンスターしか出てこないダンジョンだ。

 俺は気を引き締めて歩みだした。

 そしてすぐにモンスターと遭遇した。


「まさか、またお前とは……」


 そのモンスターは何かと因縁深いモンスター。

 ──レッドドラゴンだった。

 その体躯はイレギュラーモンスターとして遭遇したドラゴンより、一回りほど大きかった。

 俺は指輪のアイテムボックスの中から神王鍵を取り出す。

 虚空から出現した神王鍵が俺の手に収まった。

 レッドドラゴンがこっちに身体を向けた。


「申し訳ないけど、まじめに戦うつもりはないんだ」


 神王鍵に魔力を込め、振り抜く。

 すると次の瞬間にはドラゴンの首は両断されていた。

 何をすることもできず首を切断されたドラゴンが地面に倒れ、塵となっていく。

 同時に経験値を取得したことを知らせるウインドウが出てきたが、説明通り取得した経験値は100分の一程度になっていた。


「やっぱり強すぎるなこの武器は……と、よし、ドロップ品」


 ドラゴンが塵となった地面にはドラゴンの魔石と角が残されていた。

 ドラゴンの魔石は一つ500万円、角は1000万円だ。


「収納は……こうするんだったよな」


 俺はアイテムに手を向け、「収納」と念じる。

 するとドラゴンの魔石と角が消え、アイテムボックスの中に収納された。

 ウインドウを開いて、ちゃんと収納されたかを確認する。

 別の世界のアイテムなのにどうしてこっちの世界のようにウインドウで表示されるのかが不思議で、セレーネに質問ところ「所有者の最も使いやすい形に変化します」と答えが返ってきた。


「よし、次だ」


 俺は切り替えて次へと進んだ。

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