2%の奇跡
「分からない事がいくつかあるわ。」
美咲さんは淡々と訊く、科学者の欲求なのか。
「人柱を使い脳へのダメージをなくす......けれど、貴方自信はどうやって渡っているの?」
『アイツ』はその問いに答える。
「......同一の世界に同じ人間は存在出来ない......死ぬ事により意識や記憶を統一させ同一人物として処理される。」
「神様の仕業とでも言うのかしら?科学者の前で......。」
「理屈は分からないがそう考えれば簡単だろ......そこで考えた......俺の存在しない世界、そこに行ったらどうなるのか?渡る為には死ななきゃ行けなかったし、最悪の賭けだったが、成功した......。」
「それが第一段階ね......貴方は世界に存在しない者として受け入れられた......その後は?」
「......渡れる人間を探した。」
俺以外の存在、2%の人間......。
「何年掛かるのか、あるいは何十年か......奇跡だったよ!探し初めて半年、その女を見つけた。」
「第二段階ね......その娘を使い世界を渡る。」
もう一人......でも、渡るだけなら......
混乱する俺に、美咲さんが察した様に答えた。
「二人必要なのよ......片方が使えなくなったら、もう片方を......そうやって何人廃人にしたのかしら?」
『アイツ』はどれだけの世界を渡ったんだ。
何人の俺と、もう一人を......。
『アイツ』は訊きたい事があるという。
「......俺からも質問だ......この世界はなんなんだ?」
そう言えばそうだ、この人の居ない世界。
なんで美咲さんだけ存在しているのか?
そんな世界で、なんで俺は存在しているのか?
「......ここは父の会社で専門は癌治療......粒子加速器もその為の物だったけど、私は違った......並行世界の研究と好奇心から実験を行い......失敗......。」
あの経歴、実験中の事故は繋がっている?
「中心地に居た私以外の全ての生物が、粒子にのまれた。」
「......身体を留めて置く事が出来なくなったのか。」
「おそらく、貴方......最初の貴方が存在出来てるのは、意識や記憶の統一が存在を形作った、それによって、人は粒子の中に居る事が証明されたの......後は、どう助けるかね。」
『アイツ』は立ち上がり銃を抜く。
「この世界も違う......。」
訊きたかった......もう一人の存在......。
「......誰なんだ......もう一人の2%って。」
「............めぐだよ......。」




