お仕事開始よ!セレアの優しさ
私とお兄様をもみくちゃにしたお母様とお父様は秘書さん?のアンネマリーとかいう人に連れ去られていった。
「きゃ~!アンネマリーのけちっ!」
「当主が娘を愛でているというのに!」
美形なのに、こういうこと言うとちょっと残念。
その後、お兄様はたくさんの絵本を読んでくれた。
まだ私6歳だもんね。絵本は当然。
でも絵本の内容は非常に面白い。
ヒロインが幼少期を語るときに出てくるお話とかもあってこれははまるわ!ってユーのもたくさんあった。
それにさすが有名声優がアフレコしたと有名な乙女ゲーム!
お兄様の声が透き通るようで眠たくなってくる。
でもそんな時間も終わりのようで_
「レオノーラ様。お勉強のお時間です。」
おなじみアンネマリーがお兄様を呼びに来た。
お兄様はまともだったようで、お母様たちみたいに首根っこ掴まれてズルズル。とはいかず爽やかな笑みを浮かべて「また来るよ」といい去っていった。
さみしいが!さみしいが!
私にもやることが山盛りあるのだ~~~~~~ぁ!
まずイベント発生時の時期とかを調べて!
攻略対象&ヒロイン&私、悪役令嬢の人物像を調べる。
そして、ゲームでは酷かった私の頭と作法を鍛える!
一つづつかたずけていこう。
「セレア!紙と書くものくれますか?」
私が起きた時声をかけてくれたメイドさん。
たれ目がちな可愛らしい人。
背が高いせいか20代に見えるけど私の三歳年上なだけ。
お兄様と話すときに顔が桃色に染まっていることに気付いているのは私だけかな?
「はい!お嬢様!持ってきましたよ~!」
「ありがとうございます!」
私が丁寧にお礼を言うとセレアの瞳から涙がこぼれ落ちた。
「ど、どうしたんですっ?私が何か悪いことでもしましたか!?」
「い、いえ...お嬢様が私たち使用人に敬語を使いお礼を言ってくださるなんて...う、うれしくって!」
あ~。
そういうけいですか。
まぁ私も、我儘ばっかで確か_
『ちょっと!?そこの使用人何やってるんです!?わたくしの言うことが聞けないのですか!?
クビですわよっ!?ク・ビっ!』
前世の記憶を思い出したのにあれはさすがにできないな。
「泣かないでセレア?ねっ?私はもう変わらないわ。」
「お嬢様~」
「お礼を言っといてなんなんだけれど一つお願いしてもいいですか?」
「はい!なんなりと!」
「ありがとうございます!家庭教師と魔術師の先生を雇っていただけるようにお父様に言ってきてほしいのです。お願いできますか?」
私だったらNOだ。
当主にお願いなんて。
「はい!怖いですがお嬢様のためなら!」
そう言ってかけていったセレア。
私はこんなにやさしい人のことも知らなかったんだ。
ありがとうセレア。
「さぁ!お仕事開始よ!親の代わりに家計簿をつけて中学で数学1位だった私にできないことはない!」
腕まくりをしてガタッと席を立つ。
「悪役令嬢の本気見てなさ~~~~ぃっ!」