友達になってしまった
なんちゅーこっちゃ。
第二王子から友達になろうなんて。
「ぼ、僕。シュトリア、トリアと仲いいんですっ!それで、トリアの魔力覚醒のカギになった令嬢が今回のパーティーに来るって聞いてぼ、僕友達になりたいと思ったんですっ!」
トリアのせいかっ!
「あ、ありがとうございます。でも、私なんかが殿下様とお友達なんてむ、無理ですよっ!」
「いえ!ぼ、僕があなたがいいんですっ!なりたいんですっ!」
ひ~!
王族からの「がいい」って命令だよね。
どうしよう。
も~!本心に従おう!
「なりたいですっ!わたくしも!」
私が叫ぶと、シャルルの顔がぱぁっ!と輝いていく。
「う、嬉しい!う、僕のことはシャルって呼んで!?」
「うん!私のことはアリスとっ!」
ガシッと手を握り合う私たち。
「は~いっ!そこまでっ!」
「お兄様っ!?」
「今日の本題はパーティーでしょ?」
そうだ、パーティー。を装った私の戦場。
「僕が案内するね?レオ、アリスリア嬢?」
「はい!殿下。よろしくお願いしますっ!」
スフォルツァンド殿下の案内か~。
シャルもいるし豪華な面々だな~!
私たち一行はパーティー会場となる中庭に向かって歩き出した。
「アリスリア嬢。」
いきなりスフォルツァンド殿下に名前を呼ばれて背すじがピンとなる。
「何でしょう!」
「僕も君と友達になりたいんだ!」
は?ん?
今なんと。
トモダチニナリタインダ。
んんんんん?
「殿下?それはなぜでしょう!」
「あ。そのことですか。
ご存じないと思いますがシャルル。僕の弟は人のオーラが見えるのです。
赤とか青とか。」
「はぁ。」
「それで、シャルルは人が怖くなってしまった。
自分のことを変な目で見ている令嬢や、陰口を言う子息など。それがオーラで見えてしまうんだ。」
「はぁ。」
「それで、話せる人なんか両手くらいの数なんだよ。でも、そんなシャルルが友達になろうってゆうくらいだからよほどいい人なのかなぁ?とおもって!」
といい、きょとんとする殿下様。
「はい!兄上!アリスはキレイなレモン色をしておりますっ!澄んでいて落ち着くんですっ!」
シャル!変なことを言わないで!
「いいんじゃないのぉ?僕も二人と友達だし?」
お兄様ぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ハイ。デハ。ワタシノコトハ、アリスト。」
「うん!僕のことはフォルツで!」
「ハイ。」
会話が噛み合わない。
攻略対象たちと友達になってしまった。