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僕を救ってくれてありがとう。

少女の声が響いた。



「あ、アリス!?」



ポロリ。と言葉がこぼれる。




ハッとして慌てて目をこすった。



泣いてるなんて見られたくない。





そう思ったから。






「ど、どうしたのっ!?」





そんなことを言うつもりはなくても思わず叫んでしまう。



「探しに来たんですよっ!なんで泣いてるの?」



返ってきたのは純粋に僕を心配する声だった。


「それはっ。ぼ、僕が出来損ないだから!」




そんな純粋な彼女にいらだって思わず声が荒くなってしまう。





傷つけばいい。




そう思った。




でも、


「誰が出来損ないなんて言ったの!?あなたは頑張ってるよ!」

という


予想外な答えが返ってきた。






「そ、そんなことわかんないよっ!」





その返答にさらにイラついて。



でも、なぜか悲しくて。



でも、出来損ないじゃないって言ってくれたのがうれしくて。




涙があふれだした。



パァンっ!




そんな時。僕の頬が感覚をなくした。



アリスにはたかれたんだ。




「誰もあなたのこと出来損ないなんて言ってないよっ!私はあなたのこと出来損ないなんて思ってない!」



そう肯定して僕を抱きしめた。




お父様もお母様もなぐさめてくれるだけで抱きついて泣いてくれたことなんてなかった。





そのことがうれしかった。



魔力を持たない僕を、侯爵家にふさわしくない僕自身を。




初めて受け止めてくれる人がいた。



そんなことがこんなにも嬉しいことだった。





「私はあなたのことを出来損ないなんて思わないよっ!魔法が使えなくても、私の友達だしっ!

こうやって一人で泣かなくていいじゃん!私も悲しいよっ!

()()()泣いてるんだよっ!?」




アリスが次々と叫ぶ。




友達。

初めて言ってもらえた。友達なんてこの7年間いたことなんてなかった。




レオやフォルツにも一歩引いた会話しかできなかったから。




「うん僕は出来損ないなんかじゃないっ!それに頑張ってるんだっ!」



僕は初めて僕を受け入れられた。



そして、叫ぶことができた。



なにもかも。


僕の中の闇がなくなっていく。




本当にありがとう。




アリス_

















あと、一話続きますよっ~!

光魔法の発現。


そのときトリアは!?

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