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新たな出会い4 

とりあえず庭には出た。




美しく長い金髪が絡まってる。





でも、そんなんどーでもいいっ!!





「トリア!どこですか!?トリア!」





ついに門近くの大樹のところまで来たところで少年を発見した。





膝を抱えうずくまっている、トリアだ。





「僕は出来損ないで、アリスにも負けているんだ。

侯爵家の息子として宮廷魔術師の息子として出来損ないなんだ。」





そう呟きながら泣いている。





「そんなの違うよっ!」





聞いていられなくなり思わず飛び出してしまった。





「あ、アリス!?」






トリアが顔を上げる。





そして目をこする。





「ど、どうしたのっ!?」






「探しに来たんですよっ!なんで泣いてるの?」





「それはっ。ぼ、僕が出来損ないだから!」





トリアとは思えないような剣幕に気おされながらもさけぶ。





「誰が出来損ないなんて言ったの!?あなたは頑張ってるよ!」





「そ、そんなことわかんないよっ!」




涙をあふれさせながら叫ぶトリアを私は思いっきりはたく。




パァンっ!




痛々しい音が響く。





「誰もあなたのこと出来損ないなんて言ってないよっ!私はあなたのこと出来損ないなんて思ってない!」




そして抱きしめる。





そう、この謎キャラ。シュトリア・マルス。



学院に入ってからも根っからの内気な性格。内気なのは治ってない。




それを周りに悟られないように。出来損ないと言われないために。




ポーカーフェイスを、謎キャラを保っていたのだ。





「私はあなたのことを出来損ないなんて思わないよっ!魔法が使えなくても、私の友達だしっ!

こうやって一人で泣かなくていいじゃん!私も悲しいよっ!

友達が泣いてるんだよっ!?」





私の口から淡々と出る言葉の数にトリアの瞳が見開かれる。





そして涙があふれだす。




「うん僕は出来損ないなんかじゃないっ!それに頑張ってるんだっ!」




これが彼の本心。




私とトリアは泣き続けた。





「お、おちついた?」




先に落ち着いたトリアが私の背をさすってくれる。






「う、うん。」





「目真っ赤だよっ!?」





そう言いトリアが私の涙をぬぐった。





そのとたん。




トリアの手から温かい金色の光が出た。





「え!?これってひ、光魔法っ!?」





そう、魔力が開花したのだ。





目の痛みも次第に引いていった。





それと同時に激しい眠気が私を襲った。





「もう無理。」





体が傾く。





誰かに支えられたけどもう考えられなかった。











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