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ワケわからん町の奴ら  作者: ひめじろ
2/2

ネコは何も気にしないが例外はある。

この話から作品の世界観が分かる感じになってます。多分

わっちは猫でありんす。

名前はまだにゃい。

「わぁ、ネコだー。」

相変わらず寝癖を直さないスタイルの女子高生が来たにゃ。

「久しぶりーネコー。」

ほらにゃ、名前はないのにゃ。

「久しぶりにゃー。相変わらずキロは寝癖直さないんだにゃー。」

「へへ。まぁね、寝癖めんどいから短くしてるんだけど、寝癖はつくね。どうしても。」

「まぁ髪の毛遊ばせてる感じが出て、見ようによっちゃオシャレにゃ。」

「でしょー。」

そんなドヤ顔されても…。そこまで褒めてにゃいにゃ…。

ちょっとだべって、わっちはキロと別れた。

わっちは猫にゃ。最近の猫は人間の言葉を喋るんだにゃ。

嘘にゃ。わっちだけ喋れるんだにゃー。こういう時にドヤ顔はするもんだにゃ。ドヤァ。

にしても、こう歩いてると色んな人間がいて面白いにゃー。

あっあれは、ツッキーだにゃ。相変わらず女の子に壁ドンしてまわってるにゃ。

最近、恋人ができたって聞いたけど、アイツ何してるんだにゃ?壁ドンって相手を落とすテクニックにゃ、恋人がいるのにすることじゃない。気がするにゃ。

声掛けてみるにゃー。

「ツッキー、何してるにゃー?」

「げっ。ネコじゃねぇか。」

「げっ。って何にゃ。わっちは通りかかっただけにゃ。」

「お、俺はなにもしてないぞぉ!」

明らかにキョドってるにゃ。ちょっとからかってやろうかにゃー。

「ツッキー、最近恋人ができたってホントにゃ?」

「あ、あぁ、まぁ…。あっ!お、お前、このことはキロには言うなよ!」

やっぱりにゃ。恋人がいるのに壁ドンとか。もはや変な癖がついちゃってるにゃー。

「言うかどうかは気分次第にゃー。猫は気まぐれにゃー。」

「そ、そこをなんとか…。これでなんとか。」

ポッケからキャットフードを取り出してきたにゃ。そんなんで釣られるわっちじゃないにゃ。

「キロなら許してくれるんじゃないかにゃ。知らんけど」

「そんな、無責任な…。」

「わっちに責任なんかないにゃ。」

「確かに…。」

ツッキーも相変わらず、残念ボーイだったにゃ。トボトボと背中を向けてどっか行っちゃったにゃ。

この街は変なヤツが多いにゃー。

カラフルな服を着た女装男子に、仲良し姉弟。反対側を向けば、頭が羊のおっさんもいるにゃ。

今日も平和にゃー。


 タピオカ屋が見えてきたにゃ。猫は飲まないから知らんけど、人間は好きみたいだにゃ。タピオカ依存症にならないか心配にゃ。いっぱい並んでまで食べたいのかにゃー?人間は大変だにゃ。エサなんかその辺で貰えるにゃ。

まぁ猫はエサにはこだわらないにゃ。


ちょっと公園でひたなぼっこするにゃ。

ベンチの上は暖かいにゃ、眠くなる。ん?誰かが横に座ってきたにゃ。

「あぁ゛猫じゃねぇかぁ。」

げっ。イヌにゃ。しかも喋るタイプにゃ。

「てめぇ、そこは主人が座るんだよ。どけや。」

無視にゃ。暑苦しいやつは、嫌いにゃ。

「おいおい、シカトかましてんじゃねぇぞ!舐めてんのか!」

はぁ…。鬱陶しいにゃ…。チワワのくせに、ヤンキーみたいなイヌにゃ。

「コラ、チョコラ!ネコちゃんにケンカ売らないの!」

飼い主が出てきたにゃ。確かキロと同じクラスの女子だにゃ。

にしてもチョコラって…。ギャップありすぎてもはや萌えないにゃ。

「チッ、命拾いしたなぁ。ネコォ。」

はいはい、さっさと帰っておくんなましー。

ふぅ、やかましいイヌも消えたところで、散歩の続きするかにゃ。


今更だけどこの街は奇抜だにゃ。奇抜ってのがいっぱいいると、もはや違和感ないにゃ。なのに、平凡な中に1人奇抜がいると、その1人が痛い目で見られるにゃ。人間ってメンドイにゃー。誰がどんな格好をしてても、猫はなんとも思わんにゃ。皆が皆、好きな格好して生きればいいにゃ。

この街では多少の奇抜もツッコまれないにゃ。いや、でもツッコんで欲しい時もあるにゃ。

ネコは初対面の人にいきなり喋って見せて驚かせてたけど、相手が慣れてくると、もうなんとも思われなくなるにゃ。

それはそれで、寂しいことだにゃ。


ん?なんか遠くに見えるにゃ。女性が歩いてて、その後ろを男性が、こそこそつけてるにゃ。

これは、にゃんだっけ?うーんと、、、。あっ。思い出したにゃ。人間社会にはストーカーっていうのがいるって聞いた事あるにゃ。きっとその類いだにゃ。

女性もこのストーカーに気づいてるっぽいにゃ。

どうするかにゃ。いきなり話しかけるのも、驚かれそうにゃ。

喋る猫とか都市伝説になりそうにゃ。それで有名にはなりたくないにゃ。

だいたい、なんでこそこそするんかにゃー。自分の気持ちぐらいガツンと言えばいいにゃ。当たって砕けろってヤツだにゃ。

このストーカーはとんだチキンだにゃ。

わっちが助言してやろうかにゃ?うーん、たまには都市伝説になってやっかにゃ。この街はもはや都市伝説の塊にゃ。そうとわかれば、わっちも当たって砕けろ、助言してくるにゃ。

「黒服のお兄さん。」

「ん?誰だ?」

「下にゃ。」

お兄さんが下を向くと目が合った。

「ネコ!?」

驚くのも無理ないにゃ。

「ネコにゃ。相手のことをつけ回してないで、自分の気持ちをぶつけるにゃ。当たって砕けろにゃ。」

「はぁ?ネコのくせに何言って…。」

「あのお姉さん、どっか行きそうにしてるけど大丈夫にゃ?」

「あっ、しまった。」

あーぁ、そのまま突っ走って行ったにゃ。どうなることやら。首突っ込んだなら、最後まで見届けてやるかにゃ。

交差点を右に曲がった辺りで黒服のお兄さんとピンクの服のお姉さんが向かい合ってるにゃ。

どうなるのかドキドキするにゃ。

「あ、あの…」

「さっきからなんなんですか?警察呼びますよ?」

うわっ、怒ってるにゃ。当たり前だけど、お兄さん頑張るにゃ!

「こ、これ」

なんか取り出して、渡してるにゃ

「落としましたよ。」

「えっ、あっ私のハンカチ。ありがとうございます。まさかこれを届けに来た…だけ?」

「紛らわしかったですね、すいません。」

なんだ。ストーカーじゃなかったにゃ。ただ落し物届けただけか。全く人騒がせにゃ。

もう、日が暮れるにゃー。良い子は帰るにゃ。

といってもわっちは野良猫だから家とかないけど、まぁいつものとこ行くか。


ピンポーン

「はぁい」

インターホンを鳴らすと、キロの妹が出てきたにゃ。

「ネコにゃ。」

「あっネコさん、どうしたんですか?」

「また庭を借りるにゃ。」

「どうぞ」

笑顔で了承してくれて助かるにゃ。といっても、この時間はいつもキロの家の庭で野宿してるんだけどにゃ。

いつも通り、庭に行くと犬小屋があって、そこで寝かせて貰ってるんにゃ。

「ネコさん、いますか?」

キロの妹が、なんか持ってきたにゃ。

「これどうぞ。」

「なにかにゃ。」

「タピオカミルクティーです。さっきお姉ちゃんが買ってきて弟がいらないって言うので、よかったらどうぞ。」

出たにゃ。人間を並ばせるほどの食べ物。

「あ、ありがとにゃ。」

「では、おやすみなさい。」

「おやすみにゃ。」

キロの妹は、しっかり者にゃ。

それよりこれ、どうするにゃ。美味いんだろうけど、見た目が、アレだもんにゃ…。

ミルクティーとか飲んだことないし。動物から見たら、タピオカミルクティーはちょっと食べづらいものにしか、見えないにゃ。

しかし、せっかく貰ったし、断るのもにゃ…。

腹くくるしかないにゃ…。

ハムッ。弾力がすごいにゃ。…ぐぬぬ。噛みちぎれない…。ゴクッ。ふぅ…丸呑みしちゃったにゃ…。お腹壊さないか、心配にゃ…。

タピオカは、ギリ食えたけど、このミルクティーとかって、未知すぎるにゃ。泥よりかはマシだろうけど。

そっと舌を伸ばす。なんだこのなめらかな感じ。甘っ!思ってた味と違ったけど、まぁなかなか悪くないにゃ。

結局完食してしまったにゃ。

未知のものも食わず嫌いは良くないにゃね。人も猫も食べ物も。


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