二話
あれから、ちょっと部屋を探索してみたが特に変わったものが無かった。
服の変えがあったら良かったのだが…。
制服のままはなんだか落ち着かない。
けれど、窓の外の光景は異様だった。
森。
ただの森ではなく、真っ暗な森。
太陽があがっていたので昼間のはずだが、それにしては暗すぎた。
「不思議な所だな。」
思わずそうポツリと漏らす。
それからもう一度部屋を見回す。
特に変わった所はもちろんない。
これからどうしたらいいのだろうか。
まさか、このままずっとこの部屋で過ごせ、なんてことは無いだろう。
何よりこの部屋は大きすぎて落ち着かない。
そう思っていたら、ドアがまた開いた。
「お待たせっ!さ、行こっか。」
どこへ?
そう質問する間もなく腕を引かれ部屋の外へと出る。
そこに広がっていたのは驚く、けれど納得出来る光景だった。
ひたっすらに長い廊下。
いくつもの部屋もあり、まるでお城の様。
嫌、たぶん本当にお城なのだろう。
そう思えたのはその屋敷の見取り図と思える物があったから。
あまりに広く、高かった。
先生がいないと直ぐに迷子になりそうだな。
せめて、しっかりと周りを見ておこう。
そう思い辺りを見回しながら、先生に腕を引かれて歩いた。
「…夏海」
連れてこられたのはおそらく見取り図からして大広間。
そこには私を虐めていた人達の中でも中心だった人達──葉山有咲、桧山恵美、新山陽菜──がソファーに座っていた。
けれど、その姿はおかしかった。
有咲は瞳が赤色に。
恵美は瞳が青色に。
陽菜は瞳が緑色になっていた。
「何…その瞳」
思わず私はそう問う。
「知らないわよ。気がついたらこうなってたの。ていうかあんただって瞳の色、変わってるじゃない。」
え…?
瞳の色が変わってる?
「先生、鏡ある?」
「ちょっと待ってね。冥土さん、鏡ちょーだい!」
"冥土さん"?
誰かの名前だろうか。
「はい、鏡です。」
…びっくりした。
ドアが開いた気配もないのに、気がつけば先生の横へ。
しかも、その身を赤色のメイド服に包んでいた。
頭には薔薇がのった、やはり赤色のホワイトブリムも。
所謂『メイド』という人なのだろうか。
そんなことを思いながら、恐る恐る鏡を覗き込む。
「なに…これ。」
その瞳は、金色に染まっていた。
「まあまあ綺麗だからいーじゃん。」
良くないです。
心の中でそう思いながら、よく見たら先生の瞳も黄色と赤色のオッドアイだなと考える。
それと、先生はこの世界に『人ならざる者』とやらもいると言っていた。
これも、慣れるのしかないかもな。
そう結論付け、鏡をコトンと置いた。




